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湯河原温泉と町立美術館「平松礼二館」:20180519 [展覧会]

シメジと、

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きくらげのシャキシャキ感も楽しめるし、醤油がほんのり感じられてシンプルでとっても美味しい。

これ一つあれば、ビールは何杯でも。

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たどり着けば、こちらのお店で、

心尽くしのちょっとしたおつまみと、手打ちの蕎麦を頂くのが定番の楽しみです。

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自分の誕生日だからと、母が誘ってくれた湯河原。

先ずはいつもの小松庵さんで、美味しく昼ご飯を頂きました。

母と同じか少し下くらいの年齢かな? 看板娘の前掛けが似合う女将さんに、「ご馳走様」のご挨拶をして店の外に出ました。

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5月19日、

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じぶんの誕生日の次の日の土曜日、一泊どまりで母からのプレゼントの温泉旅行に、湯河原まで出かけてきました。

いくつになっても、子供は子供、親は親なのだなと。

じぶんとしてはもうこれ以上、年は取りなくない気分だし、決してこの年になると誕生日がめでたいとは思えないのですが、

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母親にとっては子供の生まれた日は特別で、やはり祝いの日のよう。

せっかく誘ってくれたし、父の法事も済ませてご苦労様だし、

気持ちよく、温泉プレゼントを頂くことにしました。

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湯河原は横浜から近いし、何度も訪れているのですが、

まだまだ知らないところもたくさんある様です。

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たまたま、駅の案内板で知った「城願寺」ですが、観光案内所で聴くと駅から歩いて10分くらいとのこと。

春先にインフルエンザだった母、それから少し体力が落ちたようで歩かせるのも心配でしたが、

「大丈夫」

「そのくらい問題ない」とのことで、それならゆっくり歩くことにしよう。


坂道を上ると、そこに立派なお寺がありました。

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源頼朝が伊豆で打倒平氏と挙兵した時からの忠臣、土肥次郎実平。湯河原駅前にも銅像が立っていますが、

その土肥一族のお墓のある立派なお寺です。

何といっても山門の階段を登りきったところにある、樹齢800年のビャクシンの古木。

おっきくて太くて、ごつごつしていて、緑の葉っぱでいっぱいで、触ると暖かくて優しくて、
流石、国の天然記念物ということだけあります。

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母と一緒に自然のパワーをたくさんもらってきました。

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宿に着けば、温泉、温泉です。

ここの宿の露天風呂が大好き。

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三畳くらいの大きさの湯舟。時間と同時にチェックインをしたので、露天風呂も貸し切り状態。

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緑いっぱいの山々に囲まれた湯船に足を思いっきり延ばして、たゆたゆと首と耳まで浸かって見上げれば、

真っ青な空には白い雲たちが遊んでいます。

雲が流れていく…、形を変えていく…。 ゆっくりと見上げたのはいつ以来だろう ?


一機の飛行機がゆっくりと、

露天風呂の対角線の方に…。

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ゆっくり温泉に浸かって、部屋で湯上りの冷たいビールを頂いていると、

すぐに夕食の時間です。

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ここでも生ビールを頂き、食前酒。

お腹が空きました !! いただきます。 ^^

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温泉宿の食事って独特の献立でいつも楽しみ。

板前さんの腕を振るっての料理。盛り付けもかわいいし、特にここの食事は本当に美味しいです。


夕ご飯を少しも残さずに平らげて、一休みしてこの日3度目の温泉に浸かっていると、

ゆっくりと夜は更けていきました・・・ ZZZZ

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目覚めてみれば、曇り空。

前日とは違って気温はかなり低め。

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先ずは温泉、温泉 笑

温まったところで朝の散歩に出かけることに。

母と一緒に散歩に出かけたのですが、かなり寒くて母は途中で宿に戻りました。

じぶんは相棒と一緒に、奥湯河原をそぞろ歩きです。

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今年初めての咲き始めの紫陽花、

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風見鶏状態のツバメ、

その他色々な種類の鳥たちにも出会いました。

Walkman はなかったけれど、色んな鳥たちの朝の挨拶と、

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川の流れの音を聴きながらの散歩です。

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そうそう、温泉街の街灯が新しくなっていました。

でも、形はそのまま。ここの街灯も何となく気になります。 

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小一時間歩いてきたら、

またまた、お腹が空いているのに気が付きました。朝飯は8時から。

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夕飯だけではなく、

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宿の朝飯も温泉宿独特です。

温泉卵、海苔、佃煮に数種のお新香、

塩辛に明太子。

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テーブルの上、目の前で炊きあがった湯気ほわほわの白いご飯。

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そして、なんといってもアジの開き。

海苔の入った大きなお椀の味噌汁も !!

めちゃめちゃ美味しいかった。


ご馳走様、温泉もとっても良かった。

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チェックアウトを済ませ、前日から宿の隣にある美術館が気になっていたので、

湯河原美術館に行ってみることにしました。

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展示のものに、それほど期待していた訳ではなく(すいません)、

宿の部屋から見下ろせた、美術館の庭とテラスのカフェがいいな、コーヒーが飲みたいなと思ったのです。

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ところが、美術館に入ってみてびっくり @@;

何て素晴らしい作品を収蔵しているのでしょう !!

何度も何度も近くに来ていたのに、今まで一度も寄らなかったことを後悔するほどでした。


恥ずかしながら、平松礼二さんの作品に初めて出会いました。

最初の作品を見て、びっくりしてしばらく動けなくなりました。

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日本画なのですが、

先ず最初の絵を見て思ったのは(ここには貼ることができなかったのですが)、クリムトみたいだ !! ということ。

金箔に花がたくさん描かれていて、漆黒の夜の空には、新月前の細い月・・・。が~~ん !!


それから、ルオーの様な慈愛に満ちた優しさが、ほんのりと感じられる一枚や、

モチーフはモネの作品の様なものまで・・・。


何といっても、日本画特有の装飾美に色彩が素晴らしく、しかもどこか新しさを感じるんです。

今まで知らなかったなんて、美術館の隣まで何度も来ていたのにと。

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平松礼二、1941年東京都生まれ。愛知大学卒業後、多摩美術大学教授。

みずから日本画を描き続けながら、既成観念に固まりがちな日本画の世界へ反発を続け、

50歳の時にたまたま訪れたオランジェリー美術館の「モネの部屋」で、

80mにも及ぶ睡蓮の連作、「睡蓮・緑の反映」「睡蓮・雲」「睡蓮・朝」を一目見て、それまで何ら関心などなかったのに、モネの晩年の作品に衝撃を受けます。

ああ、これは日本の屏風なんだと!!

それ以来、印象派のジャポニズム研究を続けられているとのこと。

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ジヴェルニーのモネの庭園にも何回も訪れ、モネの大きな家に奥さんと二人だけで泊まったりして(何か出そうで少し怖かったとか?)

モネの睡蓮の池の絵も何枚も描いています。

そうそう、平松さんの本を読んで知ったのですが、モネの池の睡蓮は初めは植木鉢で育てられて、

絵になる、塩梅の良いところの池の場所に沈められるのだそうです。 モネの頃からずっと。

モネは睡蓮の絵のモチーフを、自らディレクションしていたのですね。

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フランスの、ヨーロッパの人々にも平松礼二さんの素晴らしい絵は評価され、

2013年には、「平松礼二・睡蓮の池・モネへのオマージュ展」がジヴェルニー公立印象派美術館で、翌年にはドイツベルリン国立アジア美術館で、開催されました。

そして、今まさにこの時も、

「ジヴェルニーで平松礼二展」がジヴェルニー公立印象派美術館で、11月4日まで開催中とのことです。

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日本の浮世絵等に大きな影響を受けたモネやゴッホや、たくさんの印象派の画家たち。

僕たちが考えているよりも、もっともっと、それは大きなものだったようです。

これも、平松さんの書かれた本(「モネとジャポニズム (PHP新書)」)で読んだことですが、戦後日本の教育はあえて日本画などは教えずに、アートは西洋のものばかり。

日本の文化の素晴らしさをあえて教えない様にしていたのではとのこと。

実際、思い返してみれば、小学校や中学校の美術の時間に日本画についてほとんど教えてもらっていないし、

日本画の画材等には触れたことがなかったなと。


でも、展覧会に行くようになって日本画も知るようになって、日本画って日本のアートってすごいものなんだなと、自分でも今はそう思います。

こんなに素晴らしい、世界に誇れるものを自分たちは受け継いでいるんだと。

平松さんが書かれているように、子供たちにもそのことをはじめから教えられるといいのになと思います。

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かっての日本画には大きなオリジナリティがあって(平松さんはこれこそが、オリジナリティこそが美術において大切である。今の日本画は派閥? 縦社会?であってオリジナリティが育ちにくくなっているとのこと。)、

そのオリジナリティにモネや印象派の画家たちは、心底から驚き、大きな影響を受けたのだと。


それを、今度は日本人である平松さんが日本画に本歌取りのように取り入れ、何枚ものモネの睡蓮の池の絵を描いていく。

いつか平松さんの絵にインスパイアされて、西洋の画家が自分のオリジナリティを開花させていく。

日本と、フランスを初めとするヨーロッパの国の画家の間で、100年くらいのスパンで、オリジナリティのキャッチボールをしていけたら、

それはなんて素晴らしいことなんだろうと思いました。

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湯河原美術館には「平松礼二館」があって、そこには平松さんの作品がたくさん収蔵され、

その時々に、特別展としてテーマを決めて素晴らしい作品が多く展示されるとのこと。

じぶんと母が訪れた時には「花の旅~フランス編~」(6月25日まで)、

そのあとは10月1日まで「画業をたどるシリーズ①」、

そして、11月26日まで「月と花の饗宴」展が催されるとのことです。

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絵画鑑賞の後、

そもそもの目的だった? Museum Cafe 「and garden」さんで、美味しいコーヒーを頂きました。

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サンドイッチなど軽食も美味しそうだったけれど、宿でお腹いっぱいに美味しい朝食を頂いてきたので、

それらは次回のお楽しみとしました。

平松さんの展覧会を見て、今度はテラス席でいただこうと思います。

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母からの誕生日プレゼントの温泉一泊旅。

独り占めの青空と雲の露天風呂、

美味しい夕ご飯と、それと甲乙付け難いアジの干物と味噌汁の朝食、

それに何といっても、町立湯河原美術館の平松礼二の作品たち etc etc …。

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とても素敵で忘れられない誕生日のプレゼントになりました。

お返しに今度は、何かプレゼントを秋にしようかな?

平松さんの作品に会いたいから、また、同じところもいいなと !!

" 2018/05/19 Yugawara & Reiji Hiramatsu "
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