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「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道展」に滑り込み ^^; :20190803 [展覧会]

興味津々の展覧会をリストアップした「2019年行きたいものリスト」のおかげで、

順調にリストの展覧会を鑑賞することができています。

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・三菱一号館美術館 ラファエル前派の軌跡展 
・パナソニック汐留ミュージアム ギュスターヴ・モロー展 " サロメと宿命の女たち "
・東京都美術館 クリムト展 " ウィーンと日本 1900 "
今年のじぶんのテーマ、ファム・ファタールを追いかけてきて、 

そして4番目は、
国立新美術館の「ウィーンモダン展 " クリムト シーレ 世紀末への道 "」展。

東京の会期は8月5日までで、訪れたのは3日でしたのでギリギリの滑り込みでしたが、

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チケットを買ってあったこの展覧会、

無事に4つ目をクリア。

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3日は国際展示場で「ドラクエ夏祭り」があったので、ますそちらの様子をさくっと見てから、

いつもよりずっと遅い12時過ぎに美術館に着きました。

いつもより遅い美術館は展示室に入るのにも誰も並んでおらず、割と空いている状態でストレスフリー。

ゆっくり、ウィーン世紀末の芸術を楽しむことができました。

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「クリムトとシーレ」と銘打っているので、それがメインなのかと思いましたが、もちろんクリムトとシーレの作品は多めでしたが、それだけではなく、

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19世紀末のウィーンの家具や食器などの工芸品、

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女性のドレスや装飾品、

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ヨハン・シュトラウスやシューベルト、マーラーなどの音楽等、

世紀末ウイーン独特の芸術文化の総合展覧会とでもいうべき、見所たっぷりの展覧会でした。

≪ フランツ・シューベルトの眼鏡 ≫
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シューベルト、起きてからすぐに作曲できるようにと眼鏡をしたまま寝ることもあったとか?

金属フレームの小ぶりなメガネ。

学校の音楽室に飾ってあったかな? おなじみの肖像画と共に、実際にシューベルトが掛けていたメガネも展示されていて、

シューベルトのピアノソナタ大好きなじぶんです、興味津々で鑑賞させてもらいました。

≪ 作曲家フランツ・シューベルト ヴィルヘルム・アウグスト・リーダー ≫
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もちろん絵画芸術も多くの画家の多くの作品が展示されていて見どころ十分。あまり見たことのない作品も。

ハンス・マカルトの作品は中でもとても気になりました。


ハンス・マカルト(840年~84年)はザルツブルグ生まれでミュンヘンで学び、1869年に皇帝フランツ・ヨーゼフ
Ⅰ世にウイーンへ招聘され、それ以来この時代の大スターになったとのこと。

「画家のプリンス」と呼ばれた19世紀後半のウィーン美術界を代表する画家さんなのだそうです。

展覧会では 64cm×285.3cm の大きな「1879年の祝賀パレードのためのデザイン画」も展示されていましたが、

この「ドーラ・フルニエ=ガビロン」と全部で3点の女性の肖像画は素敵だなと思いました。

単なる肖像画でなく、
作品全体から感じるのは象徴主義の作品の様、こころに直接訴えかけてくるものを感じました。

今まで意識していなかったのか? 初めて見たのか? 分かりませんが、ハンス・マカルト、要注意人物だなぁと…。

帰って来て色々調べて、ミュシャやクリムトにも影響を与えているとか。

やっぱり、なるほど。

≪ ドーラ・フルニエ=ガビロン ハンス・マカルト ≫
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この作品はとっても見たかったのです、クリムトのパラス・アテナ。

1897年、クリムトはウイーン分離派を立ち上げますが、このパラス・アテナはウイーン分離派の代表作として世に示された重要な作品だとのこと。

戦いの女神の姿に、既存の保守的な美術界の巨大な勢力に立ち向かう、自分たちの意思を明確に示したのであるとのこと。

≪ パラス・アテナ グスタフ・クリムト 75×75 ≫
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メルクマールとして貴重な作品であることと共に、

都美術館のクリムト展で見た「ヌーダ・ヴェリタス」が、パラス・アテナの手の上に描かれていることを知り、

是非ともこの絵も見たかったのです。

都美術館のヌーダ・ヴェリタスが右手に鏡を持っているの対して、パラス・アテナの方は左手に鏡を持っていますが、その他は髪型も体つきもほとんど同じでした。

≪ パラス・アテネの右手のひらの ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実) ≫
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エミーリエ・フレーゲの肖像にも会うことができました。

生涯結婚しなかった(但し子供は14人)クリムトですが、たぶん一番親しくて一番愛していた女性エミーリエ・フレゲー。

ヌーダ・ヴェリタスはクリムトのファム・ファタールの一人だということですが、

そう言えば、ヌーダ・ヴェリタスの髪型や顔付きはエミーリエによく似ているなと。

≪ エミーリエ・フレゲーの肖像 グスタフクリムト 170×80 ≫
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そして、シーレ !!

シーレも大好きな画家の一人です。でも、日本ではまとまって見る機会が少ない画家。

じぶんが見た中では今回の展覧会が作品数では一番多かったでしょうか。まとまってシーレの作品を見ることができました。


自画像…、向かって右側の髪の毛の後ろには人の顔の様なものがあって、一見長髪に見えたりしました。

その他にも、

じっと見ていると色んなものが見えてきて不思議になってきて、宿題を沢山もらった作品でした。

買ってきた図録の解説では、ゴーギャンの「黄色いキリストのある自画像」との関係性が指摘されているんだそうです。ゴーギャンの作品からインスピレーションを受けているんだとのこと。


宿題の一つで一番気になっているのは、左手の指の開き方。

中指と薬指を開いてのポーズですが、何だか開き方としては不自然に思え、シーレの何かのメッセージかなと?

全然関係ないですが、映画スタートレックのバルカン人、スポックの挨拶でこういうポーズがあったのを思い出しました。

バルカン人のサインでは「長寿と繁栄を」という意味ですけれど…。

≪ 自画像 エゴン・シーレ 27.5×34 ≫
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一目見て、ゴッホだ !!

ゴッホの「アルルの寝室」にインスパイアされて描いたのだろうとのこと。

この展覧会の後に松方コレクションにも行ったので、ゴッホの絵も直接見てきた今では、その思いはもっと強くなっていますが、

ゴッホの絵と比べると窓もないし色彩からもだと思いますが、孤独とか静けさとか神経質さとか…そんなものを強く感じます。

≪ ノイレングバッハの画家の家 エゴン・シーレ 40×31.5 ≫
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そして「ひまわり」です。

これもきっとゴッホのヒマワリを見て触発されてなんだろうなと。でも、ゴッホやその他の画家たちが描くヒマワリとは全然違っているな。

普通ヒマワリを描くなら黄色いあの花を描くのでしょう…。

解説によると、
「乾ききった花はわずかに傾き、疲れてうなだれた様子を思い起こさせるだろう。人間の動きを花のそれへと変容させることで、この植物の絵は植物の肖像画へと変わるのだ。」

シーレの絵でじぶんの好きなものの一枚に「4本の木」がありますが、シーレの植物、風景画もとても好きです。

ちなみに、この展覧会で見た絵の中では、この絵に一番惹かれました。

うなだれて肩を落とし、枯れいくのを待つようなひまわりですが、その下には花が咲き誇っていて、枯れるだけでなく再生とか次の世代への継承とか、そんなものも感じる作品でした。

繊細な線、独特の色彩とモチーフ etc etc…、やっぱりいいです、シーレ !!

もっともっと見てみたい画家です。

≪ ひまわり エゴン・シーレ 149.5×30 ≫
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作品数が多く見どころ満点の展覧会は約2時間くらいの鑑賞でした。

展示室から出てみると、あれれ、入るのを待つ人の列ができていました。

いつもより遅めの美術館でしたが、良い時に入ることができたのかもしれません。

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喉が渇いたし長く立っていたので、

新美術館の2F、サロン・ド・テ・ロンドさんで休憩です。

先ずはビール。

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それから、

「マクシミリアン・クルツヴァイル 《黄色いドレスの女性(画家の妻)》 のモチーフをイメージ。

 鮮やかな黄色と女性が醸し出す優雅でフェミニンな雰囲気を表現した一皿。 」と言うことで、

≪ 黄色いドレスの女性 マクシミリアン・クルツヴァイル 171.5×171.5 ≫
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ウィーン・モダン展 特別ケーキセット、
 
「パッションフルーツとチョコレートのムースケーキ ヴァニラのマカロンを添えて」を頂きました。

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前売り券を買う時にどうせならと、グッズの付いているものを買っていますが、

今回の前売券のグッズは「デメル ショコラーデントルテ」でした。

オーストリア・ウィーンを代表する老舗洋菓子ブランド「DEMEL(デメル)」の人気焼き菓子「ショコラーデントルテ」と言うことで、

ケーキも甘すぎず美味しく頂きましたが、

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箱も《エミーリエ・フレーゲの肖像》のモチーフからデザインされた限定パッケージでした。

普段は知らず知らずの内にたまってしまうので、

パッケージ類は捨ててしまうのですが、これは綺麗で捨てられずとってあります。何を入れようかな ?

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今年の展覧会のじぶんのテーマは、ファム・ファタール。

展覧会も良い流れで鑑賞できていて、色々な画家の色々な思いのこもっているファム・ファタールを見ることができ、色々と思うことがあるし面白かったのですが、

最後に、もう一枚見たい絵があります。

それを見て今年のテーマのファム・ファタールは締めくくりにしようかなと、思っています。


長かったお盆休みも今日でおしまいです。遠出はしなかったものの友達と会ったり、展覧会に行ったり、映画館にドラクエを見に行ったり、その他、割と普段できないことをしましたが、

締めくくりに夏風邪をひいてしまいました。

長めの休みだと気がゆるんだり、リズムが崩れたり etc etc…。貧乏性 ?


" 2019/08/03 Vienna on the Path to Modernism "
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