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北鎌倉_久しぶりの東慶寺_チャイコフスキー ヴァイオリンコンチェルトと音楽散歩再開:20200620 [鎌倉]

オレンジの光たちが元気に跳ね、

ピュアに爽やかな色に染まって、窓は、きらきら、きらきらきら。

淹れたてのコーヒーを頂きながら、ヴァイオリンの音に包まれて、

土曜日の朝の目覚めです。 

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前の日は冷たい雨の中、

竹橋の近代美術館まで「ピーター・ドイグ展」に行ってきました。3か月ぶりの展覧会は、何だかじーーん。

ピーター・ドイグの作品はもちろん素晴らしかったのですが、とにかくとにかく、絵たちと、会いたかった。

とにかく、美術館に行きたかったです。  


そして、ようやく、良い時間を近代美術館で過ごすことができました(ピーター・ドイグ展のことはブログにも落ち着いたらと思っています)。

その余韻で一日大人しくしていようと思っていたのですが…。

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朝の元気で爽やかな光たちに誘われてしまいました。

デバッグには、久しぶりの相棒たち、E-M1に12-40mm 、E-M1 MrⅡに50-200mm。
文春文庫「ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢」、

Walkman には チャイコフスキーヴァイオリンコンチェルト を入れて、久しぶりの音楽散歩へ !!

こちらは、ほぼ4か月ぶり? の北鎌倉東慶寺でした。

東慶寺さんは6月18日まで拝観停止で、19日から再開でした。

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梅雨の晴れ間の青空の下、

北鎌倉駅を降りていつもの道を東慶寺の方へ歩きます。

見慣れた景色ですが、でも、とても新鮮な景色でもありました。

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通い始めて何十年にもなりますが、

こんなに間が空いたのは、もしかすると初めてかもしれません。

駅から降りて信号を渡って左。

やま本そば屋さんの後ろは、こんなに広々としていたっけ? こんなに大きな紫陽花の株があったかな?

などと…、東慶寺に向かう短い道のりの間にも、色々な?? がたくさん。

本当に久しぶりなのだなと、じぶんで納得してしまいました。

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そして、押しボタン式の信号機が緑に替わるのを待って、

久し振りの山門にたどり着きました。

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紫陽花たちはまだ咲いているのかと、家を出るときには心配していました。

北鎌倉では紫陽花だと明月院が有名ですが、東慶寺もこの時期には紫陽花がいっぱい。しかも、色んな種類の紫陽花でいっぱいなのですが、まだ咲いていてくれるのかなと。

終わりに近づいて、白っぽくなった青の紫陽花もありましたが、

でもでも、紫や赤のガク紫陽花たち etc etc …、ほとんどの紫陽花はちゃんと待っていてくれました。

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そうそう、

東慶寺は4か月ぶりだと? 色々と変わっていましたが、特に大きな二つの変化がありました。

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一つは、拝観料を、今までは200円を山門をくぐったところでお納めしていたのですが、

「静かにお参りして頂きたいので、拝観料は頂きません」と掲示があって、拝観料がなくなっていました。


前の記事であることがきっかけで、インスタグラムのアカウントを作ったと書きましたが、

東慶寺さんのインスタに、「お庭のお手入れでも必要と思います。お納めしたい。」とコメントしました。すると、

「手入れは大丈夫です。お志はお賽銭としてお願いします。」とのこと。

今までもお参りした際にはお賽銭を入れてお祈りしていましたが、今後は拝観料だった分もお納めしようと思います。
これからも、花たちに囲まれた素晴らしい庭の寺で静かにお参りしたいです。

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もう一つは、上の3枚の写真を見てお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、

本堂のところの黒塀と門がなくなっていました。景観も随分と変わっていて、びっくりしました。

やはりインスタでお尋ねしたところ、「お参りしやすく、本堂に入りやすくするため。」とのことでした。

あの黒塀と門の感じも好きでしたが、確かになくなってみて、

広々と、余計に「自然の中のお寺感」が強くなったなと思いました。

もしかすると今まで本堂に気付かなかった方達もいたのかもしれませんが、

これなら、お参りもしやすくなるのかなと思いました。

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山門をくぐってしばらくの間は、来れなかった間の、あんなこと、こんなことにびっくりしていましたが、

それも次第に慣れて来れば…、

東慶寺さんの花たちです。

ドクダミ、八重のドクダミ、たくさんの種類の紫陽花たち、ホタルブクロ、ねじ花、ツユクサ etc etc…。

たくさんの花たちが咲いていてくれたんだなと…。


部屋に巣ごもりしていた間も会いたいな、今頃は…などと、ずっと思っていました…。 そして、


夢中になって変化を追ってしまっていましたが、

気が付けば、

第2楽章はアンダンテ ♪

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Walkman からは、チャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルト ♪

ニ長調 Op.35。

古い録音ですが、オーマンディ指揮,フィアデルフィア管弦楽団、アイザック・スターンのヴァイオリン。

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ロシアの哀愁と、草原に風が吹き抜けるような疾走感がとても素敵な曲。

スターンのヴァイオリンも天高く駆け登る様に響き渡り、時に力強く素敵です。

スターンのヴァイオリンはグァルネリ・デル・ジェス。

18世紀の半ばに作られたストラディヴァリウスと双璧のヴァイオリンの名器。

ストラディヴァリウスよりも男性的な音かもしれないな、などと心の中で。

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ヴァイオリンは不思議な楽器。

16世紀イタリア、クレモナの、アンドレア・アマティによって今の形が作られ、

以後、今までに500年くらい経ちますが、これ以上の形はないとされています。

500年前に究極のフォルムが突如としてイタリアで出来上がったということなのだと。不思議、不思議です。


そして、有名なストラディヴァリウスなどの名工が短い間に次々と現れ、

とても古い楽器なのに、それから作られたどのヴァイオリンよりも良い音を奏でるのだと。

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ブログにも書いたことがありますが、好きな小説、ヴァイオリン職人であるジャンニが活躍する「ヴァイオリン職人」シリーズがあります。

一番最新の本は、ノルウェーのハルダンゲル・フィドルというヴァイオリンの仲間の楽器が出てきましたが、
このシリーズの面白さは推理小説の謎解きと共に、有名なヴァイオリンが登場することです。

ストラディヴァリウスやグァルネリ・デル・ジェスのこと、
パガニーニやオーレ・ブル等の演奏家のことと共に、このシリーズで多くのことを知りました。

この日にデバッグに入れて行った、文春文庫「ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢」も、
もっとこれら、ヴァイオリンのことを知りたくて買いました。

読んでみると、更に興味津々に。


長くなってしまうので止めておきますが、ストラディヴァリウスやグァルネリ・デル・ジェスを一人の人が弾き比べをしても無駄なのだとか。

ヴァイオリンは、特に良いヴァイオリンは、とてもパーソナルなもの。

長年弾いていると、弾き手の癖とか音を覚え、良く響くように、音色が独特になっていくものなのだと。

逆に言うと、一見さんはお断りなのですね。

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少し暑かったですが、木陰に入れば爽やかな東慶寺さんの風が…頬と首筋の辺りに。 

汗もすーっと引っ込んでしまいます。

スターンの弾くグァルネリ・デル・ジェスのコンチェルトを聴きながら、久しぶりです。


ここでの、素敵な一時。

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それから、書いておかないといけないこと。

流石にもう終わっているだろうと諦めていた、紫色の可愛い宇宙人君たちのことです。



崖のところの群生の場所は、もうほとんど花は落ちていましたが、階段の上の歴代の住持さん墓塔のあるところ、

少しでしたが……、イワタバコ君が…、

残っていてくれました。

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本当に4つ、5つと言う数だけだったけれど、

それでも、今年も…可愛い紫色の宇宙人君たち、東慶寺の宇宙人君たちに会うことができました。


北鎌倉にイワタバコの咲いている場所は何か所かあるけれど、

じぶんは、やはり初めて紫の宇宙人君たちに会った、

ここ、東慶寺の宇宙人君たちが一番好きです。一番大切です。

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そして、気になっていたところ。

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昨年の台風で吹き飛ばされてしまった奥の、

もみじの樹たちのその後のこと。

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庭師の方達が、今も手を尽くして頂いていました…。

その傷を、千切れた跡を見ると心がぎゅっと痛くなりますが、それでも、緑の葉がすくすくとです。

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元通り、

いえ、秋のキラキラの景色を再び見ることができるのには、

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時が必要なのだと思うけれど、

若い葉っぱたちはすくすくと育っています。それは何より。

それが見られたのは、なにより…。

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新ウィルスの影響はとても大きいです。

生活様式は大きく変えなくてはいけないのかもしれない。

東京では55人、48人。50人を超えて、

自粛の時の様な感染者の数です。 通勤時は以前の様な電車の混み様。マスクをしていない人も多いし大きな声で話している方達も。

正直、これで大丈夫なのかなと。

職場でも、ソーシャルディスタンス? と思うことがあり、後輩たちには、ソーシャルディスタンスだよ!! ^^;

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じぶんにとって大切な場所、

美術館、 アーティゾン美術館、西洋美術館、近代美術館 etc etc …、

コンサートホール、 NHK交響楽団、日本フィル、インキネンさん、松田華音さん、ブニアティシヴィリ etc etc …、

北鎌倉、  円覚寺、浄智寺、建長寺、明月院、そして、東慶寺の花たち、花暦。

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再び、何か月も会えない、

訪れることができない、

そんなことがない様に、切に願う次第です。 

そのために、みんなで気を付けねばならないことが分かって来ているのかなと。

それを守って。いつでも、花たちにも会いに来れますように。

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4か月ぶりの東慶寺。

茜色の紫陽花、

なごりのイワタバコ達に会えて本当によかったです。


そして、来週も、再来週も、又、再び訪れることができるよう。

皆さんともご一緒できますように !!

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東慶寺さんに行くことができて、こころと気持ちはとてもハイに b^^

帰りに、恒例の成城石井さんのワインです。

赤は「カンピオーネ サンジョベーゼ リゼルヴァ」、24ヶ月熟成なのだそうで、フルーティーだけれどタンニンの様な渋みもあって、美味しいワインでした。

白は「ラピウマ ペコリーノ」、これはもう清涼飲料? 爽やかな飲み心地で、くいくいくい!!

2本で3,000円でおつりが来ましたが、美味しいワインでした。

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最近はピアノばかり聴いていましたが、「ヴァイオリン職人」の影響でここのところはヴァイオリンの曲をよく聴いています。

ストラディヴァリウスやグァルネリ・デル・ジェスなど、あの演奏家は何という楽器を使っている?

今日も、新しく2枚のチャイコが届いたので、ストラディヴァリウスの音を楽しみたいと思います。



" 2020/06/20 Kitakamakura Tokeiji & Tchaikovsky Violin Concerto in D major "
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サントリーホール CMG オンライン_エラールの午后コンサート:20200614 [音楽]

同じ場所で、同じ空気と温度と湿度の中での感動の共有ではなかったけれど、

きっと多くの方達と同じパースペクティブ空間、同じ時間軸の中、

久しぶりの五感フル動員での感動を味わうことができたのだと思います。 初めてのオンラインライブでした。

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「ぴあ」からのメールでサントリーホールのCMG(チェンバー・ミュージック・ガーデン)が、

オンラインで聴けることを知りました。


前売り券を買っておいたコンサートは、インキネンのベートーベンも松田華音さんのチャイコフスキーも、

全てキャンセルとなり、コンサートに行きたいの衝動がMax に達していたので、とてもうれしいお知らせでした。

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早速、幾つかの魅力的なプログラムの中から「エラールの午后」と言うものをチョイス ♪

サントリーホールが所蔵するエラール製ピアノ(1867年)の魅力を紹介してくれるもの。

ショパン国際ピリオド楽器コンクールで第2位を受賞した川口成彦さんの演奏ももちろんですが、

このプログラムを選んだのは、

チェリストとして新倉瞳さんが加わっていたから。

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じぶんはブログを始めて十数年になりますが、その初期の頃に鎌倉の妙本寺の記事を載せたことがありました。

今と同じく当時も音楽を聴きながらの鎌倉散歩ですが、ショパンのチェロソナタと一緒の散歩。

大好きなピリスと、パヴェル・ゴムツィアコフのショパン。

早朝の鎌倉の朝の時間は厳か、それでも、木漏れ日優しく爽やかな時間です…朝は良い良い良いかなです。

そんな妙本寺の森の中のこと。

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この記事に「チェロの新倉です」とコメントを書いて下さって、そんなことから、

新倉さん3枚目のCD 「Largo」を聴かせて頂きました。

スイスに留学、コンサートやCD 、又、じぶんも毎年参加させて頂いている「ラ・フォル・ジュルネ」でも演奏。

益々のご活躍だなと陰ながらの応援。


そんな新倉さんのライヴをとても久しぶりに聴けるのだなと思い、

プログラムの中から迷うことなく「エラールの午后」を選びました。

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前日の土曜日、久しぶりにビールではなくスコッチウイスキーを飲み、美味しいので少し飲み過ぎ。

若干? 二日酔い気味でしたが、

日曜日の12時頃からコーヒーの儀式 !! ミルでコリコリコリ。

部屋の中をコーヒーの香りでいっぱいにしてお清めです。一杯、二杯と頂いて酔い覚ましです。 ^^;


12時50分にはPC をライヴ会場にオンラインでつなげると、

こころの底からの、ワクワクワクの音が湧き上がってくるのを喉で感じました。久しぶりのワクワク感。

ライヴを聴く前の~ !! この感じです。

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ピアノ川口成彦さん ヴァイオリン原田陽さん チェロ新倉瞳さん。

ショパン:ピアノ三重奏曲 ト短調 作品8 より 第1楽章
グラナドス:『スペイン舞曲集』より 第5曲「アンダルーサ」
シューマン(リスト 編曲):「献呈」 S. 566
フォーレ(江口 玲 編曲):「夢のあとに」作品7-1
フォーレ:ロマンス 変ロ長調 作品28
サン゠サーンス:『動物の謝肉祭』より 第13曲「白鳥」
ドビュッシー:ピアノ三重奏曲 ト長調

ショパン、ドビュッシー、フォーレの頃の音色、

エラールのピアノはハンマーのフェルトが今のものより小さいのだそう、音も若干ピッチは低めなのだそう。

弦楽器もそれに合わせて調弦。弦もスチールではなくて当時のままのガット弦。

ヴァイオリンは顎充てを外し、チェロはエンドピンを外して脚で挟んで演奏。

作曲者達が聴いたであろう、その音色が7曲がよみがえってきました。 う~ん、何と素敵な音色たち!!

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エラールのピアノは自動オルガンをも思い起こすような可愛らしい姿。

川口さんが奏でる音色も可愛らしく、ロココ時代を思わせる優雅なロマンの香りが漂い、

お清めをしたじぶんの部屋中に、ロマ~ンの音達は左右のスピーカーから。


弦楽器も低くピッチを調整しているせい?  普段と演奏方法が異なるから?

何時も聴く音とは違っていて、何だか親し気な感じがして、

日曜日の午後はたゆたゆたゆたゆ感です。

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新倉さんのサンサーンスの白鳥は弦の柔らかさ、体全体(脚で挟んでいるので)を使っての豊かな響きが素敵でした。

そして、気が付けば最後の曲。

ドビュッシーのピアノ三重奏は最高に楽しむことができました。

三人の方達が伸び伸びと自信もアンサンブルを楽しまれているように感じて、音も伸び伸び、

コンサートホール全体、そしてネットを伝わって、この日参加している我々に、

この日のオンラインの観客たちのこころの中に、

通常のコンサート以上に…。

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きっと演奏する側も聴く側も、ここ数か月の生活、

社会全体の重さと何かに圧迫されている様な暗さ etc etc …。

そんなものが、

こころの中におりの様に…知らず知らず溜っていたのだと思います。

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それらを全て取り払いピュアにしてくれて…。

音楽って、やっぱり良いです!!


新倉さん、そして川口さん、原田さん、サントリーホールの関係者の皆さん、

きっとオンラインコンサート開催にはご苦労がいっぱいあったのだと思いますが、

素晴らしい企画を実現して下さって、ありがとうございました。 m(_ _)m m(_ _)m m(_ _)m

あっという間の1時間20分でした。

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とても素敵な時間…を、久しぶりに過ごさせて頂きました。

お礼を一言いいたくて、インスタグラムのアカウントを作って新倉さんに。

「11年ぶりに聴かせて頂きました。楽しかったです。」と。

次はコンサートホールで素敵な演奏をお聴きしたいです。

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ウイルスのせいで色々な生活の変化があります。

その多くは我慢とか不自由とか etc etc …ですが、

その中でも、14日の日曜日の様に部屋で素敵なその時限りの音達を聴くことができる。

もちろん、その場所で、奏でている音達の風を五感で感じながらのものも良いけれど、

ITの発達した今であるのであれば、例えばお酒を飲みながら、例えば布団の中にいながら?

素敵な音達を部屋で聴くのも良いのかなと b^^

そんなことを思った6月のある日の日曜日の午後のことなのでした。


" 2020/06/14 Suntory Hall CMG Niikurasan "
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巣ごもりの朝のこと_アルゲリッチとポリーニ(ショパンコンクールが生んだ2人の「怪物」):20200606 [音楽]

久し振りのミル、お気に入りのメジャースプーン。

豆をすくって、コリコリコリコリ ♪

馥郁とした、甘くて、香ばしくて、濃密な香りが部屋中にいっぱいに。

焼きたての、生地がバチバチとはじけている時のバゲットの匂いと共に、じぶんの好きな香りです。

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お湯は90度くらいが良いかな。 ドリップポットから、ペーパーの挽きたてのコーヒーに、

愛情を込めて、優しく愛おしく…お湯を注いで。笑

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巣ごもりの朝。

良いところは、部屋での時間をたっぷりと楽しめることでしょうか。

久し振りの、幸せの香りを楽しみながら、

一冊の本です。

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巣ごもりの時間で、皆さんもでしょうけれど部屋の片付けをすることが多くなりました。

長くいると色々と目に付いてしまう。 ^^;

本も整理したのですが、中には買ったっきりまだ読んでいないものが何冊か。

その中の一冊が、「アルゲリッチとポリーニ ショパンコンクールが生んだ2人の「怪物」 本間ひろむ著」でした。

東京から新幹線で出張に行く際に、駅構内の「HINT INDEX BOOK エキュート東京」さんで買ったもの。

その時は読めなくて、そのままになっていました。

大好きなアルゲリッチ姉さんの本、大切にゆっくりと時間が持てるときにと、思っていたのだと思います。

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本の趣旨は、

日本では他のピアニストではコンサートホールがいっぱいになることはないけれど、アルゲリッチとポリーニは別格。

日本人はアルゲリッチとポリーニが大好き !! さて、その二人とは、改めて語ってみるとどういう人?

そんな感じの内容でした。

アルゲリッチとポリーニ、共にショパンコンクールで第一位を獲得し(ちなみに二位はいるけれど日本人の一位はまだ出ていないとのことです)、

その後もレコードやCD を沢山リリース。コンサートも沢山と大活躍。

似ている所も多い二人ですが、でも、ピアノに向かう姿勢や弾き方なんかは、対照的。

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二人のピアニストのデビューから現在までの足跡を、さらっと知るには良い本でした。


特に大好きなアルゲリッチ姉さん。

大好きな姉さんですが、まだまだ知らないことが沢山ありました。

アルゲリッチの三人の娘の名前(苗字)がみんな違うこと(二人は結婚して生まれたけれど一人は結婚していない)、

本当はとてもシャイで内気で、世間知らずで…。人と言うよりも、その奏でる音楽、オーラに惚れやすくて…。

情熱的でダイナミック等、演奏から感じる人柄とは違うらしいこと etc etc…。

アルゲリッチ姉さんのことを、もっともっと知りたくなる本でした。

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本には、本間さんのアルゲリッチとポリーニのお勧め、20枚ずつのCD も紹介されていました。

多くは持っているCD でしたが、中には聴いていなくて、

でも、解説を読んでいると、ぜひとも聴きたくなったものも。


一枚は、「幻のショパン・レコーディング 1965」

1965年のショパンコンクールの優勝直後、あのビートルズで有名なアビー・ロードスタジオでの録音とのこと。

でも録音はしたけれど、アルゲリッチは当時ドイツ・グラムフォンと専属契約をしていたため、この録音をリリースすることができなかったとのこと。

その後1967年に、ドイツ・グラムフォンからは、ほぼ同じ曲の構成でレコードが発売され、それはじぶんも持っていて聴いたことがあります。

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そんな大人の事情(本間さん曰く)を経て、34年後の1999年にようやくリリースされたCD だとのことでした。

経緯、エピソードももちろん興味深いのですが、なによりもアルゲリッチ姉さんがショパンコンクールで優勝した当時の演奏ということで、二乗や三乗はあっという間の興味津々。

さっそくネットでポチッです。


ほぼ同じ曲(ショパンのピアノソナタ三番・三つのマズルカ・ポロネーズ六番「英雄」等)の録音である
ドイツ・グラムフォン盤と比べると、録音の鮮明さ? 明晰さ? クリアな音ではグラムフォン版の方が勝っていると思います。

聴きやすさと言う点では音作りに勝っているグラムフォン盤だと思いますが、
きっと録音のまま、あまり加工しないでなのだと思います、
収録で緊張していてコーヒーをがぶ飲みして…とプロデューサーは記憶しているとか、そんな状況で弾いた音達を
そのままフリーズドライしたような「幻」盤の方は、姉さんの息遣いまで聞こえてくるようで瑞々しい。

ショパンコンクール、アルゲリッチ姉さんの原点ともいうべきその時の音達がよみがえってくる。
これはこれで、持つべき一枚だなと !!

それに、姉さんの若い頃のキュートなお写真のなんとお美しくて、可愛らしいこと!! 胸キュン!!

このジャケットの写真もお宝です。

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もう一枚は、本間さんが紹介していたのはベト1コンチェルトだったのですが、

どうせなら一番新しいものをとのことで、小澤征爾さんとの水戸室内管弦楽団とのライヴ。

2019年5月のベト2コンチェルトを取り寄せました。

アルゲリッチはベト2番がお気に入りの様です。今までにも、じぶんも持っているシノーポリとの演奏、

それに、アバドとの録音と、自身の弾き振りのものがリリースされていたと思うので、これで4回目の録音かと。

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ベートーベンのコンチェルトと言うと5番「皇帝」が有名ですが、1番や2番と言う初期のものもとてもチャーミング。それに、この2番は実は1番に先駆けて作曲し始めたものの、納得がいかなかったのか、完成したのは1番の完成後で、実に15年を要しているとのことです。

作曲に長く月日を要したということでは、じぶんも好きなブラームスの交響曲第一番が21年ですが、ベートーベンの2番コンチェルトもかなりのものですね。

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シノーポリとの演奏はフルオーケストラのせいでしょうか、迫力を感じるベートーベン、流石です !!姉さん。

一方、この新しい小澤征爾さんと優秀なソリストが集まった水戸室内交響楽団との演奏は…、

とってもとってもチャーミングです。私的で気心の知れあった音楽仲間が、午後のうららかな陽だまりの中、

とても親し気に語り合っている、そんな感じのする演奏。

特に、第2楽章のアダージョは素敵です。

終結部のアルゲリッチ姉さんの…、そよ風に乗っていってしまいそうなソロの音色は、本当に本当に美しい。

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本を片付けていて発掘して? おかげで、アルゲリッチをしばらくぶりにたっぷりと聴くことができました。

音楽に付いて話をする身近な人が、あまりいなくなってしまいましたが、

本は色々なことをこの年になっても教えてくれます。

そう言えば、クラシックで最近知ったこと、新しく聴いたものなどは、みんな本から教えてもらったことばかりだな。

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バルトークの弦楽四重奏は石田衣良さん、

シューベルトのピアノソナタとリヒャルト・シュトラウスの薔薇の騎士等は村上春樹さん、

ラフマニノフのチェロソナタは藤田治さん、

プロコフィエフのピアノコンチェルトは恩田陸さん etc etc…。


これからも、どんな出会いがあるか? 楽しみです。


緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ自分の部屋との親和性は高くないといけないようです。

巣ごもりも、まだしばらくの間は続くのかもしれませんが、

コリコリコリコリ。

コーヒー美味しかったし、好きな曲を聴きながらの良い時間、ましてそれが姉さんならば更に更に、二乗、三乗に。

巣ごもりの時間も、良い時間だなと。


そうそう、6月5日は、アルゲリッチ姉さんの誕生日。今年で79歳とかですが、なんといっても魔女さんです。

まだまだ100年くらいはこのままで @@; 笑

1967年の姉さんです。

そして、

2019年5月の小澤征爾さんと、姉さん。

週末の部屋コンサートに備えて、成城石井で、又、コーヒー豆を仕入れてきました。

さて、何を聴こうかな?

" 2020/06/06 Martha Argerich & Maurizio Pollini "
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