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ドナ・タート ゴールドフィンチ & アナログレコード:20190715 [読んだ本]

外はしとしとしと、静かな横浜の朝。


いつもはオレンジ色に輝く曇りガラスも、緑色のカーテンを開けるとライトグレー。

出かけようと思っていましたが、色彩は大切な要素なのかもしれません。

寒色系のライトグレーは高揚ではなくて落ち着きの色。


先週は広島に出張だったし、土曜日は素敵な皆さんとご一緒させて頂いたし、

こころも少しクールダウンでも良いかもしれないな等と。

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奥にしまい込んであったレコードを引っ張り出し、

昨日、成城石井で買ってきたワインをコーヒーカップに注いで、読みかけの本。

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学生の頃はよくレコードを聴きながら本を読みました。

ドストエフスキーやトーマス・マンが好きで、

当時読んだ岩波文庫は本棚のこれも奥の方に大切にしまってあります。

仕事が終わって家にいることが多くなったら、またゆっくりと読み返してみたい本たち。


トーマス・マンだとブッテンデローク家の人々、ドストエフスキーだと白痴が好きでした。

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テオ(シオドア・デッカー)が結婚? ボリスが絡んでくる? ビッパは?

ドナ・タート作「ゴールドフィンチ」。

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フェルメールの師匠、デルフトの悲劇。

1654年の火薬庫の大爆発に巻き込まれて32歳と言う若さで亡くなってしまったファブリティウス。

その時に多くの作品も消失してしまって、

現在残っている作品はフェルメールよりも少ない10数点なのだそうです。


小説「ゴールドフィンチ」はこのファブリティウスが最晩年に描いた傑作と言われている「ゴールドフィンチ(ごしきひわ)」が美術館のテロの際に行方不明になって…。
その時に最愛の母親を亡くしたテオ(作品の主人公です)とのその後の数奇な物語。

ドナ・タートさんの語り口は昔読んだ「ライ麦畑でつかまえて」に似ているなと思いました。


ティーンエイジで母を亡くして、親友アンディと家の人たち。

飲んだくれで母とテオを捨てて出て行ったけれど、一人になったテオを引き取って…父親とのこと。

運命の糸のビッパと、親友ボリスとのこと、家具修復のホビーとの生活 etc etc…。


テオの多感な青春時代の波乱万丈ともいえる物語。


きっかけは福岡伸一先生の「フェルメール 隠された次元」を読んででした。

本の中で「ゴールドフィンチ」のことが書かれていて、とても気になりすぐに某密林でプチっと。

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老眼が進んで通勤の電車で読むのはつらいですが、出張の飛行機や新幹線で読んで来ました。

全4巻のうち3巻を読んで、今日、最終の4巻目です。

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休みの日、

出かけるのもいいけれど、しとしとしと…shitoshitoshito…。

静かな雨の音に囲まれながら、CD よりアナログは優しい。気のせい? 昔の刷り込みかな? でも、

アナログのレコードが回っている部屋は幾分…、

時間もゆっくりと優しく過ぎていくように思えます。


そうそう、並行して読んでいる原田マハさんの「美しき 愚か者たちの タブロー」も感動の一冊。

読んだら、「松方コレクション展」も見に行きたいと思っています。

モネの、あの睡蓮に会いたい。



夢中になっていたら、ワイン最後の一杯 orz、…。


" Donna Tartt The Goldfinch & Analog record "
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印刷博物館「活版印刷三日月堂×印博」_2018年度一番の本:20181208 [読んだ本]

今年も残すところもうわずか。 毎年思うけれど光陰矢の如し。いえ、矢どころかワープの速さかなと ?

最近はつくづく思います。

子供の頃に比べて時間が早く過ぎ去ると思うのは、毎日に変化がないせいとか ?

どこかの5歳児の番組で言っていましたが、それだけではないかもしれません。  ともあれ、

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2018年も、第4コーナーを曲がりゴールまでもう僅かになってしまい、今年の振り返りをするときなのかも?

それもあり ? 2018年に読んだ本の中で気に入ったものを記憶に残しておこうと思います。

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塩野さんがもうこれで長いものは書かない。
ある意味で絶筆宣言をされた最後の一冊「ギリシア人の物語 Ⅲ」。塩野さんはじぶんが学生時代から好きだった作家さん。

「ギリシア人の物語 Ⅲ」は外せないです。


「通い猫アルフィー」、レイチェル・ウェルズさんのシリーズも。

一冊目を読んでアルフィーと飼い主たち(通い猫だから複数の家が飼い主なんです)の心温まるお話にはまってしまいました。


番外編として、3年間かかりましたが(量が極めて多いと言う訳ではなく370ページ。少しずつ読んだせいです。)、マルグリット・ユルスナールさんの「ハドリアヌス帝の回顧録」も面白かったです。

最初は本当にローマのハドリアヌス帝が書いた回顧録だと思って読んでいて、途中で小説だと気が付いてびっくりしました(少々ドジか? ^^;)。


そして、今年一番の本。 今でも思い出すたび心の奥からがジーンとするのは、

「ほしおさなえ」さんの「活版印刷 三日月堂」シリーズの次の4冊。

" 星たちの栞 "

" 海からの手紙 "

" 庭のアルバム "

" 雲の日記帳 "

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本当はもっと早くブログに残しておこうと思ったのですが、

「三日月堂×印刷博物館」、東京飯田橋の印刷博物館で、この活版印刷三日月堂の企画展示があることを知り、

ならばそれを見てからと思っていました。

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12月8日の土曜日、娘を誘って印刷博物館まで。

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" 星たちの栞 "の3番目、「星たちの栞」のお話の中で、小枝や侑加たちが文化祭の企画のために、三日月堂で印刷した栞が実際に作られ展示されていました。活版印刷の言葉は、宮沢賢治の銀河鉄道の夜からです。

「星たちの栞」、
川越市内(三日月堂は川越にあるんです)の私立高校の文芸部。
文章が上手だけれど家に嫌なことがある侑加、その才能に複雑な思いを抱く親友で部長の小枝。
そして、二人を見守る文芸部顧問、遠田先生の学生時代の演劇部での「銀河鉄道の夜」上演の時のことが重なってお話が進んでいきます。

宮沢賢治は好きだし、このお話も素敵でした。

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あわゆきのファースト名刺
" 海からの手紙 "の「あわゆきのあと」からは、広太くんの、赤ちゃんのまま亡くなったお姉さん、あわゆきちゃんのファースト名刺も展示されていました。

「あわゆきのあと」、
小学生の広太くん、わずか3日で死んでしまった姉がいたことを父から聞いて…。三日月堂で知った「ファースト名刺(赤ちゃんに贈る名前だけの名刺)」をあわゆきと、両親のために作ろうとします。

じぶんも子供の頃、「死」を思うと、深くて闇の中の様で怖くて、眠れなくなった記憶がありますが、そんなことを思い出します。
でも、それだけではなくて広太君の、お父さんの、そしてお母さんの家族や子供を思う心に…ジーン。

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貝殻の豆本とその版
" 海からの手紙 "の「海からの手紙」 からは昌代さんが作った貝殻の豆本が展示されていました。

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銅版画と製本を大学時代に学んでいた昌代さん、貝をモチーフにした銅版画を好んで作っていましたが、一緒に暮らしていた恋人と別れてしまってからは銅版画から離れてしまいました。
でも、ふと知り合った三日月堂の弓子さんと話すうちに、情熱を思い出し取り戻し、

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やがて弓子さんの活版印刷と、自らの銅版画で、貝殻の豆本を作りはじめます。

作品の中で登場した豆本が、本当に小さなサイズで見られるなんて、じーーん。

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" 庭のアルバム " 「庭のアルバム」からは楓さんの ツユクサのカードです。

学校が友達が少し苦手の高校生の 楓さん。じぶんの好きなことやりたいことが良く分からずにいます。
でも、活版印刷のワークショップをきっかけとして三日月堂のこと、描くことに興味を持ちはじめ、弓子さんの提案で、自ら描いたおばあちゃんの家の庭の、万葉集に出てくる花たちのカードを作ることに。

楓さんはこの後、弓子さんの三日月堂を手伝うことになります。

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作者の原稿の校正とかも展示されていました。

なるほど、こうやって校正していくんだなと!! 興味津々でした。

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そして、4巻目。

" 雲の日記帳 " の「星をつなぐ線」からは星空館の星座早見盤です。

プラネタリウム「星空館」のリニューアル記念に、創業時に販売されていた星空早見盤を復刻したいと三日月堂への依頼。

星座早見盤は表の原版しか残っていない状態でしたが、弓子さんが偶然、当時の星座盤をもっていたため(星が大好きなお父さんとの思い出のものです)、復刻できることに。

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活版印刷三日月堂、

川越の街の古い印刷所「三日月堂」。店主である祖父が亡くなり、空き家になっていた三日月堂に、孫娘の弓子さんが帰ってきます。川越の街の人たちと交流していく内にふとした依頼から活版印刷を再開することに。

三日月堂が営むのは昔ながらの活版印刷。活字を一つ一つ拾いインキ(印刷ではインクではなくてインキだそう)で一枚一枚 " ことば " を紡ぐように印刷していきます。

そんな三日月堂には、色々な思いを持つお客さん達が訪れ、弓子さんが紡ぐ活字と " ことば " の温かさによってこころが解き放されていきます。


4冊とも短編が4つ~5つくらいで構成されています。

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それぞれの短編にそれぞれの主人公がいて、心温まるお話がつづられていくのですが、

その中に月野弓子さんが狂言回しのように登場して、それらの主人公たちの縁を紡いでいきます。

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1巻から4巻までの全体の構成がしっかりしていて、

それぞれのお話自体も、どれも涙腺を刺激され背中がジーンとなるほどに感激するお話ばかり。

ほしおさなえさんって、すごい作家さんだなと思いました。

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3巻から4巻にかけては、だんだんと弓子さんのことも綴られて行きます。

最終巻を読み終わって弓子さんのことがとても気になりました。続きがあればその後の三日月堂のことも知りたいなと。

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好きになった本の世界を、こうやって実際に見ることができて、

今回のこの展覧会はとても面白かったです。

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三日月堂そのものも、模型が作られていて尚一層イメージが膨らみました。

年末年始のお休みには、もう一度読み返してみようかなと。

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印刷美術館では常設展とこの活版印刷三日月堂の企画展と共に、

「天文学と印刷」の特別展も開催されています(1月20日まで)。

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こちらも、コペルニクス、ティコ・ブラーエ、ケプラー、ガリレオ等、

天文学の進展に大きな役割を果たした学者と、その著作物、古書等の貴重な書籍が展示されていました。

ガリレオがずっと手元に置いていた本なども展示されていて、この特別展もとても興味を惹かれた素晴らしいものでした。

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約2時間、娘と展示物を楽しんだらお腹が空きました。

飯田橋でランチですが、店がよく分からなかったのでサイゼリアへ !!

二人で飲んで食べて2,000円也。 リーズナブルでびっくりでしたが、飲んだビールにもびっくり ?

飲もうと持ち上げて軽くて、笑 ジョッキーがプラスチック製でした。 
最初だけでなく、2度目に持ち上げてもビックリでした(中身はちゃんとビールでしたが) ^^;;

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展覧会では展示されていたものと同じ、星空の栞と

「桐一葉のコースター」( " 星たちの栞 " の「八月コースター」に出てきます)を買ってきました。

実際に活版印刷で印刷されたものたち。


今の印刷と違って活字そのものが生きている、しっかりと " 言葉 " を主張します。

暖かいし、何となく優しい。 子供の頃、田舎に帰った時の様な感じを思い出します。

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絵画等ではなく、展覧会番外編であったけれど、

見どころ満点で素敵な展覧会でした。

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そろそろ年末年始の色々な準備もしないといけないのですが…年賀状もまだ書いていない状態です。 ^^;;

年末年始に読む本も何か見つけておかないと !! 何かお勧めの本はありますか? 教えて頂けると嬉しいです。 ^^


今日はこれから今年のコンサートの締めくくりです、

NHKホールまで、第9を聴きに行ってきます。 


コンサートも今年は何回か行くことができました。

マイブームのメンデルスゾーン、交響曲を3曲(スコットランド・イタリア・宗教改革)も聴けたし、松田華音さん、田部さんのピアノも聴くことができました。

でも、何といっても引退してしまうピリスが聴けたのは、じぶん自身の宝物です(生まれて初めてスタンディング)。

2018年も色々聴けたけれど、締めの第9 !!

楽しんできます。 ^^


" 2018/12/08 Letter Press Printing Crescent "
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ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~&映画:20181118 [読んだ本]

ここのところ、バタバタとしていて、部屋にいると根が生えずっといてしまうのです。でも、

前売り券を買っておいたし、映画館なら静かで休息にも良いのかも?


朝一番の回の席を予約しておいて、18日日曜日、桜木町のブルク13まで「ビブリア古書堂の事件手帖」を見に行ってきました。

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栞子が入院していないこと、「晩年」を燃やすのではなくて海に投げること(ネタばれごめんなさい)、

体格が良くて力持ちの大輔が、犯人と争って負けそうになることと etc etc…(野村周平君弱すぎです^^; )、

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脚色され原作とは色々と違うところがありましたが、

約2時間、休息とか寝てしまうとか、そんなことは一切なく、ずっとスクリーンにくぎ付けになっていました。


三島有紀子監督の「ビブリア」の世界観、

古い本たちに囲まれた小さな店、窓から差し込む優しい斜めの光たち、キラキラ輝く細かなほこりたち。

なによりも長い黒髪と黒縁眼鏡の黒木華さんは、栞子の雰囲気にぴったりでした。

パンフレットを読むと、「書き込みとアンダーラインを沢山してしまい、私のビブリアの本は売れなくなってしまいました」と三島有紀子監督。

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かなり前ですが、この作品はテレビでドラマでも放映されました。

あの時は栞子の妹ではなく弟だったし、栞子もかなりイメージが違っていたので今回も? 、

映像をみるのが少し怖かったけれど、


映画は、三島監督が原作を読み込んだ上できちんとしたビブリアの世界を作ってくれていました。

これならばビブリア古書堂の事件手帖ファンとして、許せるなと(僭越至極な話です ^^; )。

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映画を見に行ったのは、そもそも ?

前売りの「ムビチケカード」に「ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~ 特別版」の小冊子が付いてくるので、それを読みたくて買ったのです。

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9月22日に一年ぶりに出た「ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~」と、

前作の「ビブリア古書堂の事件手帖~とびらこと栞子さんと果てない舞台」とを繋ぐという小冊子がどうしても読んでみたかった。

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小冊子、

シリーズ第一巻の最初に出てくる大輔の思い出の本「グリとグラ」
(大輔はある出来事があって本が読めない体質になってしまうのですが、その前、小さな頃には本も好きでその思いでの本です)、

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それと、最新作の第一話「カラタチの花 北原白秋童謡集」が関係していて(口ずさむメロディー)、

三上 延さんなかなかやるな。

一冊一冊だけでなく、全体の構成もちゃんと考えているんだなと。b^^


最新作では、

結婚して大輔と栞子さんの間には扉子という女の子が生まれていました。

この子、ミニ栞子さん? いやそれよりも、本に関してもっとスーパーかもしれません?  笑

この扉子もお話に加わって、ビブリアファミリーの「その後」のお話が綴られて行きます。


三上さんが7巻の終わりに書いていましたが、7巻で一応の区切りをつけたビブリア、

でもこれからも、書き足りなかったこと等、登場人物達のことを綴っていきたい。

その言葉通り、最新刊を届けてくれました。

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まだまだ、これからもビブリア古書堂の事件手帖の世界を、ぼくたちに楽しませてくれると思うと、

何だか嬉しくなります。

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映画から帰って来て、

梅干しを乗せたカツ丼を頂きました。

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映画に出てきた、大輔のおばあちゃんの思い出の味のカツ丼。

どうして? グリーンピースでなくて梅干しなのか?

これもおばあちゃんの秘密… ^^

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ビブリア古書堂の事件手帖、映画も最新刊も沢山、楽しませてくれました。

原作と映画とどこが違っているか探しながら見てみるのも、面白いかも ?

主題歌も良いな。サザンなんですね。


本好きをいつも楽しませてくれるビブリア古書堂の事件手帖シリーズ。最新刊も期待通りでした。

そうそう、本好きと言えば、活版印刷のシリーズ「活版印刷三日月堂」の最新作もとっても面白かったです。

忘れないうちにブログにも残しておきたいと思っています。


" 2018/11/18 Biburia Old Book Store "
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お盆休みの5連休_通い猫アルフィーの奇跡:20180811 [読んだ本]

今日からお盆休みの5連休 !!

何だかうれしくて、もっと寝ていれば良いのに、何時もと同じ時間に起きてしまいました。

子供じゃないのだからと、自嘲 ^^;

それでも、何だかわくわく。 休み恒例のコリコリコリ ♪ カッパー色のスプーンでスイッチオン。

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チケットがあるモネの展覧会にも行きたいし、そうそう展覧会と言えば、

10月のフェルメール展のチケットも発行してもらわないと。


映画はポケモンは見たけれど、「ハンソロ」はまだだし、

写真も撮りに行きたいな。 Do As Infinity の新しいCD も届くからゆっくり聴きたい。

それから本も !! アルフィーの3冊目の残りも読みたい。  5日の休み、やりたいことが多すぎです 笑。

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レイチェル・ウェルズさんの「通い猫シリーズ」、

以前に本屋さんで見かけて気になっていたのですが、

少し前の名古屋出張の際、高島屋の三省堂さんで「通い猫アルフィーの奇跡」を買いました。 そして、

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完璧にはまってしまいました。 ^^;


うちには残念ながら猫はいないのですが、通い猫シリーズ(現在4冊出ています)を読んでいると、

灰色ハンサム猫のアルフィーと一緒に暮らしているような、

アルフィーが僕の脚に体をこすり付けている様な、喉をゴロゴロと鳴らしている様な、そんな感じになって、

ほんのりの温かさ、小さな幸せを貰うことができます。

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優しかった飼い主のマーガレットおばあちゃんが亡くなって、行き場のなくなった4歳の雄猫アルフィー。

このままだと保護施設行きになってしまいそう。噂話によると保護施設に行ったら終わりだと…。

そんなことにはなりたくないアルフィー。


今まで優しいおばあちゃんと暮らしていて外の世界なんて全然知らないのに、

新しく飼ってもらえる家と家族を探しての旅に出ます。 危険な目、ひもじさetc etc …、

色々なつらいことがあったけれど、ようやくロンドンのエドガー・ロードにある一軒の家にたどり着きます。

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そこで、旦那さんに裏切られて離婚して、まだ心の傷が癒えない女性クレアに出会います。

こころの痛んだものどうし、クレアは優しい新しい飼い主になってくれますが、

二度とあのつらい旅をしたくないアルフィーは、エドガー・ロードの他の家、ジョナサンやポリーとマット、フランチェスカとトーマスの家にも…。

新しい家族たちとの暖かいふれあい、家族の寂しさや鬱や etc etc…。そしてクレアの危機 etc etc…。

優しくて頭の良いアルフィーは皆のために一肌も二肌も脱いで解決していきます。

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有川浩さんの「旅猫リポート」も重松清さんの「ブランケット・キャッツ」もはまってしまったけれど、

通い猫アルフィーにもどっぷりです。

1週間の間に出張もあったのでその移動中の時間にもで、

「通い猫アルフィーの奇跡」

「通い猫アルフィーの初恋」を読み、

3冊目の「通い猫アルフィーとジョージ」を途中まで。

お休みは先ずアルフィーの残りを楽しむことから始めようと思います。 

ビールもウイスキーも仕入れてあります。 ^^v

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話はあちらこちらになってしまいますが、

5連休に入る今週、

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あちらこちらへ移動が多かった週でもありました。

出張も大阪と博多へ行ってきました。

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博多ではあまり時間がなかったけれど、博多ラーメンは頂いてきました。

時間がない時は博多駅の「博多めん街道」によく行かせてもらいますが、この日は「shinshin」さん。

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以前にも訪れたことがあって「博多ちゃんぽん」を頂きました。

長崎が本場だと思うのですが、ここのちゃんぽんも美味しかった。


この日は一番人気だという煮玉子入りらーめんと、餃子と生ビールのセット。1,200円という値段もリーズナブル。

でも、値段以上にとっても美味しいラーメンです。

博多だと天神の一風堂、一蘭、一幸舎に良く行きます。それぞれ美味しい博多ラーメンだけれど、

最近は shinshin がお気に入り。

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細麺は固めで小麦の香り。チャーシューは口に入れるとほろりと溶けていく感じ。

何と言っても雑味のない豚骨と鶏ガラのスープは絶品です。

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ごちそうさまでした。

らーめんパワーを頂き無事に仕事を終えて帰ってくることができました。


お土産も定番の明太子と shinshin のらーめんにしました。

明太子は一口も食べない間に、気が付いたらなくなっていました。 ^^; 笑。

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今週のことを少しだけ振り返って、今日から5連休です !!

先ずはアルフィーとゆっくり、お休み初日を過ごそうと思います。お昼は shinshin のらーめん ^^v

3冊目が終わったら、最新刊の「通い猫アルフィーと海辺の町」を買いに行かなくっちゃ。

" ALFIE THE DOORSTEP CAT 2018/08/11 "
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ロボット・イン・ザ・ハウス_ベンとタングが帰って来ました:20171123 [読んだ本]

良かったね、ジャスミン、ボニー、エイミー、

そして、ベンとタング ♪

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ドタバタコンビのベンとタングを本屋で見つけて速攻買い。

盛岡出張のはやぶさの行きと帰りで一気に読んでしまいました。

小川糸さんのキラキラ共和国もそうですが、面白かったお話の続編にいくつか合うことができている最近です。

以前に読んだ「ロボット・イン・ザ・ガーデン」がとても面白くて、タングとベンがその後どうなったのか知りたいと思っていました。

この本を見つけて、本当にびっくり、そしてうれしかったのです。東京から盛岡、2時間とちょっとの往復はあっという間でした。


ベンとタング、そしてよりが戻った? エイミーに、今作では、娘のボニーと、

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新しいロボットのジャスミン(このロボットも可愛いです)が加わって、それだけでなく、

ペットとなったネコ(タングが名付けたペットの名前)も加わって、

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ますます、タングとベンはドタバタと? 笑

あいかわらず茶目っ気たっぷりに楽しませてくれました。


前作では、ベンの家の庭で見つけた旧式の形のロボット、タングの命を救うために、

ベンとタングと弥次喜多道中? アメリカへ日本へ、南太平洋の島へと世界を飛び回った二人でしたが、今作では、

イギリスのベンの家の中。チェンバーズ家が舞台になります。

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ボリンジャーがタングを取り戻そうと送り込んだ新しいロボットのジャスミン、

旧式な形のロボットと赤ちゃんと、
離婚した訳ではないですが、一度は事実上分かれて暮らし、もう結婚は解消するものだと半ば同然になっていた
エイミーとベン。

一風変わった家族が本当の家族になっていくドタバタだけれど、心温まるお話でした。

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ベンとエイミーとボニー、ジャスミン、

そして、タング。

みんなみんな、最高に幸せ ♫

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ボリンジャーのことも取り合えず片付いたようだし、

お話は一つの区切りになったのだと思いますが、チェンバーズ家のお話し、また続きがあると良いな。

タングロスに再びならないうちに。


タングはこれからもますます学習して成長して、きっとまたドタバタと楽しいお話を教えてくれると思います。

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助産師になりたいと言っていたタング。

そして、ベンは獣医になれるのかな? おてんば娘のボニーはどんな女の子に成長するのかな?

新しく加わった読書好きなジャスミンは? etc etc…、気になることはいっぱいあります。

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ジャスミン、

ネタバレになるのであまり書きませんが、

排除、排斥するより、北風より太陽の暖かさが勝った様に、こころは暖かさ優しさ、それが一番なんだなと改めて思いました。

ベンとエイミーを中心として優しさが溢れる素敵な家族。

素敵なお話を、作者のデボラ・インストールさん、翻訳の松原葉子さんありがとう。

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盛岡からのお土産は、栗しぼり。

中松屋さんの栗しぼりは、この季節に盛岡に訪れたら必ず連れて帰る味です。


原材料名は栗、砂糖、以上 !!

素朴な味、とっても美味しいです。

" 2017/11/22 A ROBOT IN THE HOUSE "

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有川浩_旅猫リポート:20170222 [読んだ本]

「おい、moz、だらしないなぁ~。」 「どうしたんだい、そんなことで涙を流すのかい? 」

「違うよナナ。花粉症で目がかゆいだけだよ。」

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2月22日、猫の日にJR博多シティのMARUZEN で見つけて買った本、

有川浩さんの「旅猫リポート」を通勤の電車で読んでいました。

旅猫リポートの語り手、猫のナナ。
名前からすると雌猫のようですが、れっきとした根性のあるオス猫。首のところを持つとちゃんと後ろ足は曲がっています(ちなみにナナ曰く、だらーんとしているのはネズミが獲れない猫とか)。

飼い主、いえ、悟とナナは飼い主と飼われている猫とかの関係ではなくて、そう!! 相棒なんです。

ナナと言う名前は、以前小学生の頃飼っていた猫がハチと言う名前で、ナナに瓜二つであったことと、ナナのしっぽがカギの様に曲がっていて、その曲がり具合が「7」であることから、相棒の悟が付けた名前です。

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ナナが悟のところで暮らすようになったこと、

でも、しばらく5年くらいだったかな? ナナが6歳になった頃、

悟が急にナナと一緒に暮らせないと、小学校の、中学校の、そして高校の友達のところにナナを預けようと銀色ワゴンで出かけるいくつかの旅のことなどが、ナナのリポートで語られて行きます。

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悟の両親が小学生の時亡くなったことや前の猫「ハチ」との事、友達たちとの思い出の事、それに悟自身の生まれの事 etc etc ・・・が詳しく語られて行って、

どうして、こんなに素敵な相棒であるナナと分かれなくてはならないのかも、明らかになっていきます。

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そうだったんだ、悟・・・、ナナ寂しいね。

悟に会うために、もう一度、野良猫に戻るナナ、

最後の病室にナナを呼ぶノリコ・・・。

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書いてしまったようなものですが、ネタバレになるので、これ以上は書きません。


「ナナ、やっぱりちょっと悲しかったから、それと、」 

「・・・悟とナナがとっても素敵な相棒だから・・・。」

「でも、」

「電車の中だし・・・やっぱり花粉ということにしておいて。」 

「それと・・・、ナナ、ぼくからもありがとう。本当にありがとう。」 

心の中で、読み終わった本の中のナナに。

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とても余韻の残る素敵な本でした。
有川浩さんの本は好きで何冊も読んでいますが、「レインツリーの国」と同じくらいに好きになりました。


猫ってナナの様なのかもしれないな。

飼われているとか、そんな関係でなくて、一緒に暮らしている人たちとのすごく親密な相棒なんだろうな、そんな風にも思いました。

猫と一緒に暮らしている方に是非、読んでほしいなぁ~とも。

そして、じぶんも猫の相棒が、また欲しくなってしまいました。


「ナナ、素敵なリポートをありがとう」(=^・^=)

" 2017/02/22 Tabineko Report "

ロボット・イン・ザ・ガーデン:20160911 [読んだ本]

学生の頃ドストエフスキーとトーマス・マンに嵌まって、岩波文庫を何度も読み返しましたが、それ以降あまり翻訳物は読んでいません。

最近ではミステリーやSF、『ダ・ヴィンチ・コード』や『天使と悪魔』のダン・ブラウンやジェームス・ロリンズのシグマフォースシリーズのものくらいでしょうか。

それがここのところ2冊続けて良い翻訳物に巡り合うことができました。

1冊は前にも書きましたが、
2016年本屋大賞の翻訳小説部門に選ばれたガブリエル・ゼヴィンの「書店主フィックリーの物語」、

そしてもう一冊は最近読んだデボラ・インストールの「ロボット・イン・ザ・ガーデン」です。

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最近は本もネットで買うことが多いですが、これだとネットで頼むときに知っている本だけとなるので、たまに、それに出張などで地方に行って電車や飛行機を待つ間に本屋さんをのぞくようにしています。

そうでないとその時まで知らない本たちにはなかなか会うことができません。

「ロボット・イン・ザ・ガーデン」もそんな一冊。書店のポップを見て興味を惹かれて買った一冊です。

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主人公ベンは、飛行機事故で両親を亡くしましたが、結婚した法廷弁護士のエミリーと二人で暮らしている30代半ばの無職の青年。

獣医を目指していましたが両親の死後、なんとなく途中でやめてしまって、特に何をしたいでもなく、エミリーから庭の木戸の修理を頼まれてもそのままに・・・、時ばかりが過ぎていくそんな毎日。

両親が亡くなって姉のブライオニーは泣き崩れてひどく悲しんだ状態がかなり続いたものの、ベンはそうでもなく、何にも成し遂げない何にもしないとエイミーからも言われ続けています。

そんなベンとエミリーが暮らす家の木戸の壊れた庭にある日、
洗濯・家事アンドロイドが普通に使われている状況の中で、とても古風? ロボットの形そのものの(四角い頭に四角い体)ロボットが座って隣に見える馬を眺めています。

これがベンとタング(古風な形のロボットの名前です)の出会い。


どうしてここに来たのか、どこから何の目的で来たのか等はベンが聴いても、タングは短い単語を繰り返すだけ。

それでも良くは分かりませんが、ベンはタングのことが気になって仕方ありません。

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気になって仕方なくベンはタングの世話をしますが、それが直接の原因ではないけれど前からぎくしゃくしていたエミリーとの関係は離婚にまで・・・。

ぽっかり心に穴の開いたような状態のベンでしたが、
タングの胸の中のシリンダーにひびが入っていて中の液体がだんだん減っていることに気が付き、このままではタングが死んでしまうと、タングを治せる者を探しに出かけます。

何も成し遂げず、何も責任をもってやりたくなかったベンですが、タングを治すために結局イギリスからアメリカ、日本、ミクロネシアにまで、世界中を探し回ることに。

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はじめは片言しかしゃべれず理解度も幼児くらいなのかと思っていたタングも少しずつ学習し成長し、まるでベンが育てている子供の様な・・・ベンとは離れられない存在になっていきます。

タングが可愛くて、可愛くて、タングを思うベンの気持ちもとても優しくて。

出張から帰る時に新幹線の中で読みましたが、心が温かく少し鼻の奥がツンとしてうるうるしてしまいました。

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タングの生い立ち、ベンの庭にたどり着くまでのこと(かなりひどいです)、

ベンと一緒に少しずつ成長( AIが学習していくのだと思います )していく過程で本当にどんどん可愛くなっていく。

結末は書きませんが、タングは成長しベンもタングと暮らす間に知らず知らず成長していったのだと思います。

何より、亡くなった時には流れなかった涙、

それが両親の死による痛手を素直に感じ、気づくとたくさんあふれてくる涙・・・。

とても素敵な一冊でした。

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風邪は治ったものの外出続きの毎日か続いています。

楽しみにしていたオフ会も急な出張で出席できませんでした。 ^^;

その分、本を読んで美味しいカツカレーを食べて、

エバ新幹線にも出会ってきましたけれど、なんだか疲れました (笑)。 今日はたまったCD を聴きながらビールでも飲んで過ごしたいと思います。
外はしとしと雨、静かでいいかも?


クルト・マズアのメンデルスゾーン交響曲全集いいです。ここのところずっとメンデルスゾーンを聴いています。弦楽八重奏、ピアノコンチェルト etc etc ・・・も、初めて聴きました。


ブログなかなか行くことが出来なくてすいません。もうちょっと ^^;

" 2016/09/11 A ROBOT IN THE GARDEN "

原田マハ_黒幕のゲルニカ&イヴァン・モラヴェッツの Mozart Piano Concerto No.20 k.488 :20160604 [読んだ本]

勤務する場所が変わって、

郊外に向かっていたのが、行き先が都心となり、
電車が混むのはもちろんですが、一番つらいのは、電車の中で本が読めなくなったことです。

今まで、読書の時間の大部分は電車の中でしたが、
その時間が無くなり、相対的に出会う本の数が減ってしまいました。

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それでも、休みの日には、

冷たいビール、またはワインのコルクを抜いて、大好きな田部さんのピアノをCD で聴きながら、
ほろ酔い気分で何冊かの本は読んでいます。

少し前に書きましたが、
今年の本屋大賞の「羊と鋼鉄の森」、「書店主フィックリーの物語」はとても良い本でしたし、

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有川浩さんの「ストーリー・セラー」も、
ビブリア古書堂の事件手帳の作者三上延さんの「 江ノ島西浦写真館」も、川口俊和さんの「コーヒーが冷めないうちに」も良かった。


でも、
これら最近読んだ本の中で最も心に残っていて、今もずっと余韻が残っている本があります。

余韻の中で、Mozart Piano Concerto No.20 K.466 が鳴り続けている一冊があります。

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原田マハさんの絵画本の最新作「黒幕のゲルニカ」。

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キュレーターであった原田マハさんの創り出す画や画家を主人公とする作品は、今まで何冊か読みましたがどれも外れはありません。

どれも作品に出てくる画や画家がより身近に、そして、愛しいものになっています。

ルソーと「夢」(楽園のカンヴァス)、モネと「水連」(ジヴェルニーの食卓) etc etc ・・・。


原田マハさんの作品を読み、映像化して欲しいと以前から思っていたのですが、「黒幕のゲルニカ」はミステリーも、サスペンスとアクションの要素も持っていて、まさにエンターテイメントの一冊だと思います。

スケールという点では、今までの作品の中では最大ではないでしょうか。

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お話は、2つの物語、
過去と現在の2つの物語がパラレルに語られ、

それがピカソの傑作「ゲルニカ」により有機的に結び付けられています。


スペインの内戦1937年4月26日、共和国の一つの都市であったバスク地方のゲルニカを、フランコ将軍を支援するナチスドイツのユンカース爆撃機等が無差別爆撃を行いました。

焼夷弾を初めて使用した爆撃ともいわれていますが、多くの一般市民が殺戮されました。


つい最近、
アメリカのオバマ大統領が広島を訪問しましたが、規模は違うものの、一般市民を爆撃で殺戮するということでは、広島や長崎の原子爆弾の投下と同じことが、スペインのゲルニカでも行われたのです。

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無防備、

何の防御の手段をも持たない一般市民を、ユンカース爆撃機からの焼夷弾で焼き尽くすのは殺人以外の何物でもありません。
こんなことは、人のすることではない・・・。

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パリでフランスの新聞を読んでこの事実を知ったピカソは、アトリエに閉じこもり、モノトーンのこの大作を仕上げます。
独裁者、大量殺戮に対するピカソの強いメッセージ、抗議として無二の大作「ゲルニカ」を。


ゲルニカは万博のスペイン共和国館に展示され、ファシズムへの対抗、殺戮への絶対の反対を唱えます。

パリの陥落の時には、アメリカニューヨーク近代美術館(MoMA). へ、
スペインが本当に民主主義の国になるまでは返さない、ピカソの言葉通りに預けられます。

アメリカに行かなかったら、ナチスによりファシズム反対の絵画として焼却されていたのでしょう。

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一方、9.11の同時多発テロにより最愛の夫を亡くした、MoMAのキュレーター八神瑤子、

その後のアメリカを中心とする多国籍軍のイラク侵攻の背景の下、ピカソの展覧会を企画します。


繰り返しの報復は何も解決するものではない・・・、

夫を亡くしながらそのメッセージを展覧会から発信しようと、フランコ総統の死後、スペインに返却されてから門外不出となっていたゲルニカを借り出そうと、MOMA理事長ルース・ロックフェラーと奇想天外の戦略を。

そこにバスク独立を目指すテロリストも加わって・・・。

果たして、ピカソの戦争との闘い、
ゲルニカは再びニューヨーク近代美術館(MoMA). に展示されるのか。

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絵画とは、書斎や応接間を飾るためのアクセサリーだけではなく、個人の感情の発露等だけでなくて、

もっと大きなイデオロギー、主義主張、世界を人類を動かしうる大きな力を持っているのだと、
時には命がけで発信するものなのだと・・・強く強くこの作品で教えられました。



「ピカソの戦争。それはすなわち、私たちの戦争。

 ピカソが、私たちが戦っている敵は---「戦争」そのものなんだ。

 私たちの戦いは、この世界から戦争という名の暴力が、悪の連鎖がなくなる日まで続くんだよ---」 P222



「どんな困難があろうともあきらめずに挑戦を続けてきた君を、ぼくは誇りに思う」P350


ワインを飲んでいたせいもありますが、読みながら思わず目頭が熱くなっていました。

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最後のシーンを読んでいるとき、イヴァン・モラヴェッツのMozart Piano Concerto No.20がかかっていました。


「黒幕のゲルニカ」、
主人公のピカソの、八神瑤子の思いとぼくのこころと思いとないまぜになって、

こころの奥のずっとずっと奥の方まで、イヴァンの音色が・・・揺らめきの音色がしみこんでいきました。


イヴァン・モラヴェッツの20番気良いな。

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イヴァン・モラヴェッツ(1930年11月9日 ~ 2015年7月27日)はチェコのピアニスト。

このCD で初めて聞いたピアニスト、

タッチの響きが柔らかくて美しい。

それに、
わずかな響きの揺らめきのようなものがあって、それがモーツアルトのニ短調協奏曲にはとても魅力的です。

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本を読むときに CD を聞きながらが多いのですが、

今までも、本と曲を一緒に記憶しているものがいくつかあります。

石田衣良の「美丘」とレミオロメンの「夢の蕾」、村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」とボンジョビの「HAVE A NICE DAY」、
藤谷治の「船に乗れ」とラフマニノフの「チェロソナタ」etc etc ・・・。

「黒幕のゲルニカ」とイヴァン・モラヴェッツの Mozart Piano Concerto No.20 k.488 も、
こころの引き出しに、ちゃんとしまいました。


良い本に出合えるのは本当に幸せです。

そして、一本のワインと、休みの日のゆっくりとした時間に感謝です。

静かな25時間目・・・、イヴァンのピアノ。

" 2016/06/04 Maha Harada Guernica of mastermind "

羊と鋼の森 & 書店主フィクリーの物語 :20160430 [読んだ本]

2日休むと10連休とか?

今年のゴールデンウイークは気が利いてます、なかなかやります。 ^^


ぼくは2日が出勤であとは休む予定。

今日は「鎌倉へ行こう」でご一緒される方たちと初夏の北鎌倉、鎌倉をぶらぶらしてこようかと。

4日と5日はラ・フォル・ジュルネのチケットを買ってあるので、4日は娘と、5日は友達と、
一年に一度のクラシックのお祭りを楽しんで来ようと思っています。

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その他予定はないので、好きなお酒でも飲んで、

HMV から届いたCD を聴きながら、ゆっくりと読書でもしようかな。


この前、初めてメンデルスゾーンの弦楽四重奏を聴いたらとても良かったので、あと2種類の演奏を(イザーイ四重奏団とアルテミス四重奏団、ちなみに持っていたのはアルバン・ベルク)頼みました。

普段は聴かないメンデルスゾーンですが、弦楽四重奏の2番、とても気に入りました。

何だか、若さ、若さの真っすぐな気持ちみたいなものが、何にも飾らず包まず隠さずに、直接心に響いてきて、
それがとても新鮮でした。

ユダヤ人であったメンデルスゾーンはともっと聴かれて良い作曲家なのかもしれません。
ユダヤということで歴史の中で不当に低い評価を受け入てるのかもしれません。

そんな風に思いながらアルバン・ベルクの演奏を聴きました。

イザーイとアルテミスの演奏も聴き比べてみたいと思っています。

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本も原田マハさんの「黒幕のゲルニカ」を札幌出張の時にステラプレイスの三省堂で見つけて買ってきました。
急な出張でしたが、それはそれ? ラーメンも食べて寿司も食べて(笑)、本もちゃんと買ってきました。

楽園のカンヴァス、ジヴェルニーの食卓等に続いて、原田マハさんの絵画物の作品です。

ピカソのゲルニカにまつわるもので楽しみ。

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本と言えば、意図はしなかったのですが、今年の本屋大賞に関係する本を2冊読んでいました。

一冊は宮下奈都さんの「羊と鋼の森」、本屋大賞の作品です。

もう一冊は、本屋大賞の翻訳部門の大賞になった本で、ガブリエル・ゼヴィンさんの
「書店主フィクリーの物語」。

どちらもさすが本屋大賞の作品です。読み応えがあって面白かった。

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羊と鋼の森は、

ピアノの調律師になった若者外村くんを主人公とする物語です。

ピアノのハンマーを覆っているハンマーフェルトは羊毛でできていて、弦は鋼製、羊と鋼の森とはピアノのことを指しているのですね。

高校生の時、体育館のピアノの調律の立ち合いをたまたま学校に残っていたことで先生から頼まれた主人公は、そこで調律という仕事との運命的な出会いをします。
調律の音色からは森の香りを感じて、外村くんの将来はその出会いで決まります。

調律師学校に通い北海道のとある街の楽器屋に就職。憧れの先輩の仕事ぶりと教え、
ピアノを習う双子の女子高校生との出会い、片方が突然ピアノが弾くことができなくなって・・・。

" ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。 "

派手さはないけれど、
読んでいて雨が大地にしみわたるように、穏やかな感動は心の中にしみわたっていきました。

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「書店主フィクリーの物語」もぜひぜひ読んでほしい一冊です。とても気に入りました。

島の一軒だけの本屋、「アイランドブックス」の店主フィクリー。

自動車事故で最愛の妻に先立たれ悲しみに暮れる毎日でしたが、ある日希少本が書店から盗まれ、代わりに?2歳の女の子マヤが残されています。

柄にもない、じぶんでもそう思うフィクリーでしたが、
一緒に暮らすうちにマヤの愛らしさにひかれて養女にします。

また、初対面は最悪だった出版会社の営業の女性アメリアともマヤを介して、どんどんひかれて愛するようになり再婚。

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本と書店を仲立ちとした血はつながっていないけれど、幸せな家族に。

でも、幸せな時は長くは続かなくて、フィクリーは病気になってしまって・・・。
結末は事実的には悲しいけれど、ちょっとおしゃまなマヤが可愛らしく、フィクリーのアメリアへの思いのぷきっちょな表し方もおかしくて、読んでいて心が温かくなるそんな本でした。

アメリカらしい? 所々にそんな感じもしますが、読んでいて映像がイメージで来て、このお話が映画化されたら見てみたいです。


2冊とも独特の雰囲気を持っていて、その物語特有の香りのようなものが読み進めていると感じます。
素敵な世界。
もっとも、お話の世界が、じぶんの大好きな音楽と本です。面白くない訳がないですけれど(笑)。


本には某なんとか賞というものがあるけれど、それより本屋さんたちが読んでもらいたいと思って投票して決める「本屋大賞」は外れはないなと思います。

もし黒幕のゲルニカを早く読み終えたら、休みの間に読み返してみるのもいいかな。



窓からは金色の朝日が差し込んできています。 良い天気になりそうですね。

コーヒーをコリコリで淹れて、
相棒たちをデバックに押し込んで・・・。 では、いってきます ^^

“ The Storied Life of A.J.Fikry & Forest Sheep and Steel ”

リリー、モーツアルトを弾いて下さい:20150829 [読んだ本]

バタバタしていてブログの更新もしないまま、気が付けば頬に涼しい風を感じるようになってしまいました。

ただ忙しく、暇があれば冷たいビールを飲んでいただけ・・・、MIRACOSTA DEBUT の後の記憶です。

皆さんへの訪問も滞ってしまい、コメントってどう入れるんだっけ? 等と思うほど、SO-NET ブログから遠ざかっていましたが、ようやく以前のペースに戻りつつあるので、拙い記事のアップを再開しようと思います。

再び、よろしくお願いします。 m(__)m

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冷たくて美味しくて、冷蔵庫から何本も取り出し飲んだせいもあるのかもしれません。
それとも年のせい?

活字を追っていたら、目頭と胸が熱くなっていました。

みんながいるのにここで涙を流す訳にはいかないと、急いで本を閉じました。

バタバタでブログの更新もしないまま過ごしてしまいましたが、
「Walkman で音楽を聴き、本を読み」は、細々と続けていました。

何冊か読んでいた中で、「リリー、モーツアルトを弾いてください」を読んでいた時のことです。

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モーツアルトのピアノソナタを聴き比べしたとき、リリー・クラウスのものを、HMVで4枚組みを2,000円以下で買ったものをですが、

聴いたとき、

疾走するような心地よい演奏に改めて気付き、

それからずっとリリー・クラウスのモーツアルトのピアノソナタを聴いていました。

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聴き始めて、リリー・クラウスに付いてはモーツアルト弾きのおばあちゃんと言うことくらいしか知らないことに気が付きました。

ネットでCD や情報を調べて、「リリー、モーツアルトを弾いてください」、この本にたどり着きました。
絶版で中古の本しかないとのこと。Amazon で程度の良いのを選んで注文。

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リリー・クラウス 1903年4月3日ハンガリー生まれ(1986年に亡くなっています)。

22歳でウィーン音楽院ピアノ科の教授に就任等、若い頃からその才能を認められ、モーツアルト弾きとして世界的に有名なピアニストであったこと。そして、何よりも日本ともかなりの係わり合いのあったことを知りました。

日本はこの世界的なピアニストを第二次世界大戦の時、インドネシアにおいて抑留と言う名の監禁生活を強いていたのだと。はじめこそご主人と二人の子供との家族での生活を特別に許していたものの、戦局の悪化に伴い、家族をばらばらの抑留所での暮らしを強い、強制労働その他のかなりの酷い扱いをしたようです。

そんな中でも音楽好きな関係者の配慮でピアノに触れることができたり、抑留所でクリスマスのコンサートを開いたりすることができたのは、リリー・クラウスが世界的に有名なピアニストであったこと、
それに何と言っても、彼女のピアノへの熱情(抑留中に何が欲しいかと聞かれたとき、一番はピアノ、次に家族と一緒に暮らしたいと)、モーツアルトへの愛・・・、そのものだったのだと知りました。

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戦争は自由や人権、優しさや思いやり等、人間の尊厳、人間らしさと言うものを、被害者、加害者、両方から、全てを・・・奪い取ってしまうものなのだということを、
音楽の視点からも改めて知らされました。

そして、

その究極の状態の中から生還したピアニストの演奏が、こころを打たない訳がないことも。


リリー・クラウスは音楽という根源に近いものを奪われた経験で、音楽は生きていく上でかけがえのないもの、ピアニストである自分だけでなく人類にとって大切な宝物であることを、
思考ではなく、こころの深いところで、体の一部として知ったのだと思います。


タナティンギ抑留所でのコンサート、最後の曲、「イ長調ソナタ K.331」、長調の和音で閉じられた後、

「一時間の演奏が終わった後、リリーはピアノから立ち上がることができなかった。

聴いていた抑留者たちも、拍手を送ることなどできなかった。魂に響くあまりに強い感激に満たされると、人は喝采を送るどころではなくなるのだ。」

「抑留者たちが泣いていた。悉く皆が、滂沱たる涙を、誰憚ることなく流していた。」 リリー、モーツアルトを弾いて下さい P136

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この本を読んで、リリー・クラウスの演奏するCD を大切に聴くようになりました。

K.331 K.333 素敵な曲、素敵な演奏です。


「乗馬靴を履いて颯爽と駆け巡るモーツアルトのイメージ」、リリーから教えてもらえました。

「モーツアルトは愛です、赦しです。そう信じてきました」も・・・。
(実際、酷いことを日本からされたにもかかわらず、リリー・クラウスは日本を好きでいてくれて、戦後に何回もコンサートを我国で開いてくれました。)

リリーの奏でるピアノの一音一音がとても大切なものに思われるようになりました。 

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もっともっとリリー・クラウスが聴きたくなり、HMV で31枚組も頼みました。

昨日届いたものを一枚一枚聴いています。本の中に出てきた、シモン・ゴールドベルクとのヴァイオリンソナタも入っています。

乗馬靴を履いて颯爽と駆け巡っているモーツアルトに、また出会いました。
古い録音ですが、ピアノとヴァイオリンの音色が心地よい。


こんなに書かないでいると(写真も撮りに行ってません)、色々なことを忘れていて、かえって新鮮? (笑)

今日はこれから法事で出かけますが、天気が良い日には、カメラも久しぶりに連れ出して、リリー・クラウスを聴きながらの散歩もまた、はじめたいと思っています。

" 2015/08/29 LiLi, plqy Mozart, please. "
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