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とても読みたかったです_小川糸 椿ノ恋文 : 20240114 [読んだ本]

とてもとても読みたかった本 ^^

きっときっと続編を書いてくれるんだろうなぁと思っていたお話です。[わーい(嬉しい顔)]


小川糸さん、ツバキ文具店、キラキラ共和国の続きを書いてくれました。

鳩子、QPちゃん、守景さん・・・、バーバラ夫人やパンティと男爵 ・・・etc etc 会いたかった。

鎌倉に行けばそこで会えるんじゃないかとも思ったくらい。 笑

守景さんと結婚してその後のお話です。

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小梅ちゃんと蓮太朗君という二人の子供も家族に加わっていました。

子育てが一段落して、少し余裕が戻って来て、代書屋さんも復活。

以前の様な代書を書きながらのツバキ文具店の生活です。?


今回の作品でも、小川さんの文章良いな。


飾らず・・・なんていうのか、人っていう「もの」そのもの ?

いつの間にかやって来て・・・そして去っていく、

生きることと死と言うこと。 「人ってやっぱり生き物だよねっ」ていうのか?? うまく表現できないんですが、

左脳よりも右脳というのか? 

率直に飾らずに(時に率直過ぎてドキッとしたり ^^; 笑 )、当たり前の言葉、表現で書いてくれていて、

そんなところも好きです(共感してしまいます)。?


そして、本作では先代、

鳩子のお祖母ちゃんで既に故人なんですが、このシリーズの第二の主人公? とも思えるほどの方。

その先代の恋が綴られていく。[わーい(嬉しい顔)]

当然ですが、お祖母ちゃんにも若い頃があって、恋愛模様も、あんなこととか、こんなこととはあるんです。ww

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そうなんだ、多分、それで店の前に椿があって、お店もツバキ文具店なんだ・・・など、

新しいことも分かったような気になりました。[わーい(嬉しい顔)]


お話がこういう綴られ方をしていくのであれば、多分? 次の作品も書いてくれるんじゃないかなぁと。

次作はきっと鳩子のお母さんのこと・・・なんじゃないかな? とってもとっても期待してしまいます。


読んだばかりですが、もう期待でいっぱい。

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鎌倉が好きで、良くカメラを持って出かけますが、その好きな鎌倉のこと、

美味しいお店(カレーのオクシモロンとか、お稲荷さんの光泉等)とか景色とか・・・etc etc 、

そんなことも教えてくれるツバキ文具店シリーズ。

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今度は本作で書かれていた「はな」の太巻きを買ってみたいなぁと思っています。[わーい(嬉しい顔)][黒ハート][黒ハート]

鎌倉では、そろそろ、梅も咲き始めるでしょうか?

今年はまだ出かけていないので、そろそろ w 偵察に行ってこようかなと思っています。 ^^


" Tsubaki no Koibumi Ito Ogawa 2024/01/14 "
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杉井光 世界で いちばん 透きとおった物語 & 明月院の紅葉 & 生存報告? 笑 [読んだ本]

本は好きですが、最近は本屋さんにあまり行かなくなりました。

某密林とかで買うことが多くなってます。 ?

本屋さんの独特の雰囲気、

静かな空間と書籍のにおい etc etc ・・・好きなんですが。 それでも、

久しぶりに訪れた本屋さん。

一冊の本のタイトルが気になって、いつの間にか手に取っていました [わーい(嬉しい顔)]

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世界でいちばん透き通った物語??

どんな物語なんだろう??

そうして読み始めて、

なるほど!! そういうことなんだ ?ww

ネタバレになってしまうので・・・

書かない方が良い? ww


脳の手術の後遺症で、目のコントラストが普通より高くなってしまった主人公、燈真。

電書籍は読めるけれど書籍は読めない?

亡くなってしまって、会ったことがない作家の父親(燈真の母とは不倫)の最後の作品を探すことに(透きとおった物語)。

母の仕事でお世話になっていた編集者の霧子さん。

母の死後も何かと面倒を見てくれて、透きとおった物語の謎を解き明かします。

会ったことはなかったけれど、
父親は燈真のことを・・・そうだったんだ。
それで、この物語を、息子に残そうと・・・

胸がじーーーん。


お話も面白かったけれど、

燈真と霧子さんの謎解きも楽しかったです。

このコンビで次の謎解きもしてほしいなぁ ?

そして、そして、読み終わって、
そう言えばと?

文庫本をよくよく見て!!  びっくりです。??? 笑

そういうことなんだと、

びっくり!!

これ以上は書けません 笑笑



**********************************************

11月の最後の日に明月院に行ってきました。

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少しだけ、2023年の北鎌倉の紅葉も、報告しておきます。

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バタバタとさぼりとで?

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ブログを放置してしまっていますが(インスタには少しだけアップしてますが)、

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細々と鎌倉散歩(カメラとWalkman と一緒に)、

コンサートや展覧会 etc etc ・・・

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相変わらず続けています。

そして、

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今年も鎌倉の紅葉達、

とてもとても綺麗に染まっている景色も、何か所か楽しませてもらってます。

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明月院の奥の庭の紅葉。

まだ全部赤くなっていませんでしたが、それでも十分に ・・・

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また、綺麗なものを見つけたら、更新したいと思います(できたら良いな? ^^;;)

" 2023/11/30 Kitakamakura Meigetsuin & Autumn leaves "
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汝、星のごとく」と 北鎌倉浄智寺のシャガ :20230513 [読んだ本]

休みの日に時間がある時、

本と音楽と連れて、カメラを持って鎌倉の散歩に出かけています。

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横須賀線の対面式の座席に座れば、

ちょっとしたプチ旅行気分。車窓の景色も段々と変わっていって、通勤の電車とは違って非日常への誘い。 ?


時々本に夢中になっていて乗り過ごしてしまいそうなこととかもあるのですが、

この日は途中で先を読めなくなってしまいました。


櫂君、あんな無茶な飲み方をしていて(ウイスキーをそのままがぶ飲みとか)心配だったのですが、

やっぱり胃がんになってしまって・・・。

先のことが心配で「汝、星のごとく」、途中で本を閉じてしまいました。

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気が付けば北鎌倉駅。

まだ朝の8時前。

一緒に降りたのは高校生たちくらい。駅の周りには誰もいません。

曇りがちの静かな北鎌倉。

日差しが欲しいですが、これはこれでしっとりと落ち着いた感じで良いかも。[わーい(嬉しい顔)]


鎌倉で初めて出会った花が多いのですが(ここで花の名前を覚えたものも)、

初夏に咲くシャガもその一つです。桜が終わるころ咲き始めてくれます。

北鎌倉では東慶寺さんと浄智寺さんがとても綺麗。

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残念ながら東慶寺さんは、最近、写真撮影は禁止になってしまったので、

ここのところシャガに会いに来るのは浄智寺さん。

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この日も訪れてみれば、

山門の両側がぼうっと曇り空の下で、光っているかの様。

シャガの群生がとても綺麗でした。


日差しがあればもっと綺麗なのでしょうけれど・・・、

今年もシャガたちに会うことができたので「良し」とします ww ?

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まわりからは鳥たちの囀りの声が聴こえてきます。

そっとイヤホンを外して北鎌倉の朝の音達を楽しんでいると、

コジュケイのご夫婦が朝食の時間?

邪魔をしないように w

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北鎌倉の散歩、シャガとコジュケイと静かな曇り空 [黒ハート]

素敵な時間を過ごさせてもらえました。[黒ハート]


帰って来て、先を読むのが怖かったけれど、

ビールを頂きながら(力を借りながら?)、

「汝、星のごとく」一気に読んでしまいました。

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生きる中で、分岐点が幾つかあるのだと思います。

ゲームなら、分岐点を左にと? やり直すことができますが、現実の世界の分岐点はできなくて・・・。

道を選ぶのは、じぶん(経験による判断力とも言う)に頼るしかなく、

年を重ね振り返ってみると、それは違っていたと思うのかもしれないけれど(後悔とも言う)、

その時のレベル、HPとMPの状態とかでは、それが最良だったのかもしれないし。

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高校生の時に出会い、

お互いの境遇にも似通っていたこともあり次第に惹かれ愛し合うようになった楷と暁海。

卒業後の遠距離恋愛にもかかわらず愛を育んでいきますが、ても、


東京と四国の島、売れっ子漫画家と旧態然とした女性蔑視の会社に勤め、精神状態の良くはない母親と暮らす境遇は、次第に同じ天秤の上ではなく…。片方に傾いてしまって。

20代に別れ。

そして、30代になって・・・再び。そんな櫂と暁海。

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人の分岐点…について、そんなことを強く思った一冊でした、「汝、星のごとく」。

同じ時期に読んだ春樹さんの文章に、脳内メモリは全て奪われてしまい、

最初はこの本を読んでいてもそれほどの震え(感動する本に出合うと背骨がぶるっと震えます)はなかったのですが。


春樹さんの呪縛が薄れ、靄が取れ始めて、

こころの中に櫂と暁海の物語が少しずつ浸みわたっていきました。


本屋大賞の一冊、櫂と暁海の物語。

この日に会ったシャガの花の記憶と一緒に、心の抽斗に仕舞っておきたいと思います。[わーい(嬉しい顔)]

" Nannji,Hoshino Gotoku & Iris japonica Jyochiji "
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村上春樹さん新刊_街とその不確かな壁:20230422 [読んだ本]

来ましたぁ~!!

Amazon で予約しておいたので発売日に届いて、

すぐに読み始めです。 春樹さんの新作長編小説「街とその不確かな壁」!!

※注 これから読む予定のある方は、ネタバレもあると思うので・・・ ^^;  お気を付けください。

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16歳で究極の恋愛。

こころが自分と言うもの全体が、求める相手と出会った主人公です(入れ込み細工の箱も、中に入るものもまだまだ大きい)。

文通、少ないデートを重ねますが、手紙もある時に途絶えてしまい・・・。

いつか帰って来るのでは会えるのではと・・・待って、待ち続けて・・・中年の年に。


気が付くと、

少年だった頃、いなくなってしまった少女と一緒に想像した、不確かな壁のある「その街」の本のない図書館の「夢読み」になっています。

その図書館で主人公の世話をするのは、そう、あの少女。

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でも、それは、「本当」の彼女であって、じぶんがこちら側の世界で愛した彼女はその「影」。

少女はあの時のまま年も取っておらず、また、主人公のことも知らない。

不確かな壁の街は、「頭に皿をのせている時は、空を見上げない方がいい」街(P76)。

そして、あの心の触れ合いは戻らない・・・。

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春樹さんの3作目で、まだ書籍になっていなかった同名の小説。

それを40年経った今、描き切れなかったものを描き切った本作は、

30代に書いたもう一つの双子の様な作品「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」と

並立し補完しあう作品(春樹さんが後書きで述べています)。


たた、ワンダーランドが “とんがった” エンタメ性のある作品であるのに対して、本作はより精神的な、

ある意味スピリチュアル性が強いなぁと感じた作品。

派手さはなくたんたんと、冬の景色がよく似あう作品だなぁと(壁の街も冬と雪です)。

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ハードボイルド・ワンダーランドの様に、あちら側とこちら側と、行き来をするような形でお話は進んでいきます。

既に亡くなっているけれど、主人公と一部の人には会いに来る元館長の子易さんと、イエローサブマリンの少年の様なトリックスター的な存在。

春樹さんの作品には欠かすことのできない「穴」。

そして、何よりも春樹さんの文章。

リズムがあって、メタファーも散りばめられて、やはり、読んでいて心地よいです。

久しぶりの心地よい文章、久しぶりの春樹さんワールドにとっぷりと浸かってしまいました。

読んでいる時、それは至福の時。


こちら側からは消えてしまった少女。ずっと待ち続けていた主人公。

このままなのかなぁと・・・心配になりました・・・。

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「それにだいたい、わたしはこれまで一体何を待ってきたというのだ?

自分が何かを待っているのか? それを正確に把握できていただろうか?

自分が何を待っているのか、それが明らかになるのをただ辛抱強く待っていた。というだけのことではなかったか? ・・・・・・(略)、

その箱の中に入ったもっと小さな箱。際限なく精妙に連なっていく入れ子細工。

箱はどんどん小さくなっていく・・・そして、またその中心に収められているはずのものも。

それが、まさに私がこれまでの40数年、送ってきた人生の実相ではないのだろうか。」


そんな主人公、

長年勤めた出版関係の仕事を辞めて、福島のとある山間の町営図書館長となった主人公。

コーヒーショップの女性。性的なことは苦手としますが、でも、その姿と心に惹かれる女性と出会います。

「それが明らかになるのをただ辛抱強く待っていた」。

コーヒーショップの女性との出会い、それは辛抱強く待っていたものなのでは・・・。

入れ込み細工の箱も、中に入るものも、16歳の時とはずいぶんと小さくはなっているのでしょうけれど。

たぶんです。

そう思うと、じーーん。

良かったな。本作には救いがあります。

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「でも急がないでね。わたしの心と身体はいくらか離れているの。少しだけ違うところにある。

だからあとしばらく待ってほしいの。準備が整うまで。わかる? いろんなことに時間がかかるの」

辛抱強く待っていたものに出会った主人公です。きっと・・・。

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人は、何を待っているのか分からないままま、辛抱強くずっとずっと待っているものかもしれない。でも、いつか待っているものに出会えて・・・。

年を取ればとるほど入れ込み細工の箱は小さくなるけれど、待っている中身も小さくはなっていくけれど・・・、

その中身は変わらず貴重なもの。


久しぶりの春樹さん、全661頁、最近には珍しく4日で読み終えました。

騎士団長殺しから6年。次の作品はもっと早く出してほしいです。

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老眼もだいぶ進み ^^; 本を読むのもつらくなってきていましたが、

春樹さんの文章は別格です。

ビールを頂きながら、

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ビルスマのバッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながら ♪

久しぶりに充実した読書時間でした。 


「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」とボンジョビ、

「美丘」とレミオロメン、etc etc ・・・の様に。

これからは、無伴奏を聴くときっと、この本のことを思い出すと思います。

" 2023/04/22 The City and Its Uncertain Wall "
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部屋籠りの時のこと_村上春樹「古くて素敵なクラシック・レコードたち」とDRINXの日々:20210829 [読んだ本]

部屋籠り生活がずっと続いている中で、順調? なのは読書です。

Amazon でポチリ、HMV やヨドバシでもポチリ、ポチリ。

時間を持て余して、暇つぶし。そんな時は音楽と読書が最良の友。そうそう、もちろんお酒もですが 笑。

KIRIN さんの DRINX のサイトと仲が良くなりました(瓶のスプリングバレー美味しいです)。

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先週は新潮文庫の「ブラームス」で改めてブラームスの人となりを知り、途端に!! 影響を受けました。

家にあるCD と LPと、ブラームスを作品番号の若い順から次々に聴いたりしました(ブラームスって意外と

室内楽が多いことに改めて気が付いたり)。

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また、今週はロマン・ローランのジャン・クリストフなども、何十年ぶりかに読みたくなってポチリ。

ジャン・クリストフ第一巻、ベートーベンを聴きながら読書中。

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こんな感じで、本はずっと・・・なのですが、気が付けば、そういえば・・・、

「一人称単数」、「猫を棄てる 父親について語るとき」以来、春樹さんの新刊をしばらく読んでいないな~ぁ。

ネットで本を漁っていると「古くて素敵なクラシック・レコードたち」を見つけました。

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春樹さんの新刊は、本と言うより? 本は本なのですが、

「うちの棚から、好きなレコード、面白いレコードを486枚ほど選んでみました。」というもので、

レコードのジャケットが載せられ、演奏の感想を短めに紹介してくれるカタログ的なものでした。

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春樹さんのお宅にはおよそ一万五千枚のアナログレコードがあるそうですが、その中から特にジャケットの気に入った

ものを集めてまとめてくれたようです。

じぶんも、300枚くらいはクラシックのレコードを持っているので、かぶっているものはないかなと・・・

そんなことも気になりながら読ませてもらいました。

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あいにく、春樹さんのこの本に載せられているものは輸入盤がほとんどで、じぶんのものは国内版がメインなので、

ジャケットにかぶっているものはなかったのですが、こうやってジャケットに注目してレコードを見てみるのも面白い

ものですね。

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春樹さんもこの本の中で書かれていますが、当時の(たぶん40年~50年前のものが多いかと)輸入版のレコードは

ジャケットのデザインにもお金をかけていたのだなと思いました。

部屋のインテリアにもなりそうなアート作品がいっぱいです。

そう言えば、若い人の間でもアナログレコードがちょっとしたブームになっていて、その理由の一つはジャケットが

かっこいい、部屋に飾りたいと言うものだそうです。

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影響を受けやすいじぶんは、この本を読んでから、300枚のクラシックのレコードたちの風干し。

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買い集めた頃は……小遣いも少なくて月に一枚買えたか買えなかったかの頃。

一枚一枚を手にすると、誰と一緒に聴いたとか、あの店員さんのいるレコードショップで買ったものだっけとか、

○○さんがとても気に入っていた曲だったなぁ~とか、etc etc ・・・。


そのレコードにまつわる思い出がよみがえって来たりして、針を落とせば、懐かしいセピア色の時間がゆっくりと

流れだします。


久しぶりにあの頃の友達に会いたくなったり・・・。

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春樹さんもこの本の中で書いていますが、レコードの良い所。

①レコード盤の手入れをしてあげればその分、音が良くなること。

②オーディオ周りを整備すれば、音質が向上するというメリットがあること。

「つまり、LPレコードは気を遣って扱ってやれば、それなりに反応を見せてくれる。と言うことになる。そういう、

ヒューマンなリレーションシップが僕としては堪えられないのだ。」と。

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じぶんも、「ヒューマンなリレーションシップ」と言うところに共感です。


LPジャケットから取り出して、プレーヤーの円盤の上に載せる。

帯電防止のスプレーをかけてベルベットのクリーナーで優しく埃を取って、針を落とせば・・・、


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CDとは違った柔らかな馥郁たる音がスピーカーからあふれてきます。

この一手間が何だかとても愛おしい。そうそう、挽いていない珈琲豆を買ってきて、じぶんでミルを回して頂く

コーヒーの様な。

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加工されたものではなく、当時のままの生まれたての音達がここに宿ったまま、ここにいる、そんな感じがします。

アナログレコード、柔らかで優しい音達、懐かしい音達・・・です。

良いものです。

そんな出会いを再び与えてくれた村上春樹さんの新しい本なのでした。


まだまだコロナ禍は収まるまでには時間がかかるのだと思います。

じぶんの部屋籠り生活ももう少し続くのかなと・・・。

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少し長くなってしまいましたが、最後にKIRIN さんの DRINX のこと。

お酒の老舗のメーカーのKIRIN さんですが、とても素敵なことを始めたなと思います。

お店で買うのとはちょっと違った素敵なお酒たちとの出会いが、ここにはあります。

このサイトも最近、「沼」状態。


「富士御殿場蒸溜所 ピュアモルトウイスキー(限定)」、「スプリングバレーoriginal 496」、

「シャトー・メルシャン玉諸甲州きいろ香 2019(限定)」その他、もちろんスプリングバレー豊潤496も頂きました。

今しか飲めない限定のものもあったり、どれもとても美味しく、音楽と本と一緒に、

部屋籠りの時の、豊かな時間を過ごさせてもらっています。


" 2021/08/29 Old and Wonderful classic records Haruki Murakami & KIRIN DRINX"
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部屋籠りの時のこと_原田マハさん「リボルバー」とか色々:20210731 [読んだ本]

ゴールドブレンドの酸味と苦みが心地よい。

夜の酔いが少し残った日曜日の朝、けだるさ はフランソワのプレリュード、ドビッシーのさざ波は、

まだ……きっと、

まどろみの中。


スプリングバレーを飲みながら、一気に読み果てた昨夜の本を横に、その余韻にふける静かな時と時のはざま。


巣ごもりの週末はいつもの通りの飲んだくれです   ^^;

そして、

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【原田マハさん リボルバー】

錆び付いた銃にどんな事実が隠されているのか。


ゴーギャンとヴァエホの娘タウッアヌイ。タウッアヌイの娘はエレナ。

エレナの娘のサラと…、


その銃にまつわるゴッホとゴーギャンの話に引き込まれ、

久しぶりの原田マハさんの美術ミステリーの世界にどっぷりと浸かりこんでしまいました。

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アーティストゆえの葛藤、

妬みや嫉妬、克己・・・。近くにいればいるほどそういう物はとても大きなものなのだと思います。


この本を読んでアマデウスのモーツアルトとサリエリのことも思い出してしまいました。

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ゴッホは1890年7月29日にオーヴェル=シュル=オワーズの麦畑で、拳銃で自殺したと言われています。

でも、以前から、目撃した者はいなくて、

また、

自殺にしては撃った箇所に疑問がある(苦しまずになら…心臓等を狙うのでは?)、弾の入射角も不自然だし等々、

自殺ではないのではと言う説もあるそうです。

例えば、2011年にファン・ゴッホの伝記を刊行したスティーヴン・ネイフとグレゴリー・ホワイト・スミスは、

地元の少年達との小競り合いの末に、彼らが持っていた銃が暴発して、とする説を唱えているのだとか。

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前作の「たゆたえども沈まず」では、弟テオと義理の妹ヨー、生まれたばかりのフィンセントを思い、

自身が重荷になっては…、

そして…、だったはずです。

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「リボルバー」、

私は君の前からいなくなる。テオもやがて君のもとを去るだろう。それでも君は君の胸にただただ住んでいる
タブローと生きていけ、フィンセント。君は最後まで孤高の画家だ。


死によって、もっと高みに行こうとしているのか。
私がどう足掻いたって到達できないはずの高みへ…。止めてやる絶対に。

そして・・・。

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原田マハさん、「たゆたえども沈まず」、「リボルバー」。

マハさん、自殺は…、きっと…なのですね。

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サラから渡されたリボルバーによって、謎を解くことになった主人公の冴。作品の中では「ウォーショースキー」に
準えられますが、ウォーショースキーって??

サラ・パレツキ―の「ウォーショースキー」シリーズ、これも「リボルバー」を読んで新しく知りました。

古本で捜して、何冊かのウォーショースキーのシリーズを読んではまっています、現在進行形。
今読んでいる「ブラック・リスト」もとても面白い。


本を読んで、それつながりで違う本を知って、です。これってとても嬉しい。一度で二度美味しいみたいな? 笑


春樹さんや衣良さんの作品で知らなかった音楽を教えてもらうことも多く、

本を読む魅力の一つに、副次的に新しいものと出会うこと、そんなものもあるのでしょうか。

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パリ八区にあるオークション会社「キャビネ・ド・キュリオジテ」、通称CDCに勤務している高遠冴、

ゴッホとゴーギャンの研究。「リボルバー」の中で謎を解いていきます。


原田マハさんの作品でアートの謎を解いていく、シリーズ物のヒロインになって欲しいなと思いましたが、

ウォーショースキーに準えて登場してきているのですから、きっと??

そんなことも思った原田マハさんの新刊でした。

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そうそう、巣ごもりは新しい本を知ることだけでなく、

お酒やお取り寄せも、なのですが、紅茶も美味しいものを見つけました。

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【高橋紅茶店さん】

今はブログと同じように休んでいる「Instagram」ですが、休む前に教えてもらった高橋紅茶店さん。

猫の会長さんと店長さんがいる紅茶屋さんです。

色々な種類の紅茶を扱っていてパッケージもとても可愛いのですが、じぶんも何種類か紅茶を頂いてみました。

どれも美味しかったのですが、気に入ったのはティーパックの「おしゃまなロイヤルブレンド」と、

茶葉の「Nepal Tee WILD SUNSET」。


そうそう、これも巣ごもりで気が付いたらカップやコップを知らず知らずに集めていました… ^^;

その一つの ARABIA の PASTORAALI 、デザイン気に入っています。


紅茶だとどうかな? 合うかな? と思いましたが、結構、良いかも? ^^v

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【花屋さん】

巣ごもりで、花の写真を撮りに行けなくなりましたが、、

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時々買い物に出かけるスーパーの花屋さんと、仲良くなったりしてしまいました。

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ビールを買うついでに花束も連れて帰ってきて部屋に飾ったりも。 ♪

撮りに行けないなら連れてくればいいのかなと?

キリンDRINX から取り寄せたウイスキーの空き瓶とか、やはり取り寄せの料理が入っていた小さな瓶とか

とっておいたもので悪いかもしれませんが ?

それらの中で寛いでもらっています。

部屋の中に花があるって、心を癒してくれるし・・・とてもいいものですね。

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【お取り寄せ】

お取り寄せは引き続いています。

伊藤久右エ門さんの茶蕎麦のセットはリピート。にしん蕎麦で頂きました。

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一人のお昼に頂いたのですが……、

欲張って少し大盛り過ぎたかも?? 笑

美味しかったので、二人の母にも送りましたが、とても喜んでくれました。 ^^v


ワクチンも2回済んだので、来月には久しぶりに会うことができるかもしれません。


テレビのニュース等でもワクチン接種も進んでいて、コロナ禍も先が見え始めているとのことです。

神奈川も感染爆発で8月2日からは又、緊急事態宣言ですが、もう少しの辛抱かもしれません。

部屋籠りももう少し?  だといいな。

" 2021/07/31 Maha Harada LE REVOLVER "
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松井亜紀 著 「マダム・モネの肖像」:20210430 [読んだ本]

松井亜紀 著 
「マダム・モネの肖像」

母にすり込まれたのかもしれません。

子供の頃、美術館だけでなく、デパートの催しでも絵画の展覧会が行われていましたが、小学生だったじぶんは、

食堂のランチの旗につられ、ハンバーグにつられ、誘われ?? 連れられ… ?? 。

そんなことをきっかけとして、それからずっと、

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色々な画家たちの素晴らしい作品に出会ってきました。 その中でも、

フェルメールとルオー、佐伯祐三、etc etc …、そして、そして、モネが大好きです。


モネは母にすり込まれたこともありますが、

原田マハさんの「ジヴェルニーの食卓」を読み、義理の娘のブランシュが語るモネの晩年のことを知ってから、

もっともっとたくさんの絵を見たくなりました。

ジヴェルニーの食卓を読んでから、モネの展覧会は欠かさずです。


そしてこの本、

「マダム・モネの肖像」では、若い頃のモネと、最初の? モネ婦人、カミーユ・モネのことを知りました。

ジヴェルニーの食卓の前のことを知ることができて、もっとモネの絵に興味津々に。

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「マダム・モネの肖像」 カミーユのこと。


お針子の仕事をしていてモネに見初められ、モデルに。

一緒に住むようになり、長男のジャンが誕生して貧しいながらも幸せな日々。

この頃のモネの絵の女性はほとんどカミーユです。 

でも、一緒に暮らし始めてもモネの父親の反対で結婚はなかなかできず、

また、少し絵が売れ始めるとお洒落で贅沢な食事が大好きなモネです、すぐにお金を使い果たしてしまい、

生活の切り盛りで苦労の絶えないカミーユ。そんな暮らしの中でもモネとジャンとの慎ましやかで楽しい生活。


ただ、元々体が弱かったこと・・・。その後の複雑な家庭環境(後の奥さんのアリスとその子供達との共同生活)の中での生活。 そして、

とても残念だったと思うのです。そして、つらかったとも思うのです・・・。

次男のミシェルの出産後、まだ32歳という若さで病気で去ってしまうことに。

読んでいて、カミーユのこと…、去る間際の心情に…涙。

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「マダム・モネの肖像」

カミーユとモネの生活が綴られていきます。

二人の暮らしの中で生まれた絵画たち、有名なモネの絵たちが、どんな背景の中で描かれたのかを知ることが出来て、

よい本に巡り合ったんだなと思いました。

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モネの好きな方にはお勧めです。ぜひ読んで頂きたいです。

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2021年分も無事に「 日経おとなのOFF 2021」が発行されました。 

「おとなのOFF」に基づいて2021年度の「見たいものリスト」を今年も作りました。

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リストの最初は、2021年5月29日からアーティゾン美術館で開催予定の「クロード・モネ 風景への問いかけ」展でしたが、

コロナ禍のせいでしょうか? 7月11日からに変更。そして、再度2021年10月2日からの開催に変更です。

先に延びてしまったのは残念ですが、

10月なら何とかワクチンの接種も進んで世の中は少し落ち着いているでしょうか。

ともかく、この展覧会は、なんとしても行くぞ !! と、今から気合入れています。


それと、来年は心置きなく、展覧会に行けるといいなと。

" 2021/04/30 LE PORTRAIT DE MADAME MONET "
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村上春樹 一人称単数&シューマン 謝肉祭:20200830 [読んだ本]

『騎士団長殺し』から3年ぶりの小説。短編集では『女のいない男たち』から6年ぶりになります。


ある種の麻薬のような? 「くせ」がある村上春樹さんの文章が作り出す世界。
しばらくぶりに味わうことができました。

本当は、読み応えのある長編小説が読みたいですが、春樹さんの短編集には、短編集の良さがあります。

春樹さん自身が、短編集のことを次のように語っていました。
「僕は長編小説にはうまく収まりきらない題材を、短編小説に使うことがよくあります。ある情景のスケッチ、断片的なエピソード、消え残っている記憶、ふとした会話、ある種の仮説のようなもの(たとえば激しい雨が二十日間も降り続けたら、僕らの生活はどんなことになるだろう?)、言葉遊び、そういうものを思いつくままに短い物語のかたちにしてみます。」

長編を書くための準備だったり、そのクールダウンであったり、

又、長編にはなりえない断片的なもので、でも、捨ててしまうには勿体のないもの等を救い上げて、作品の形にしてくれたもの…

春樹ストの人たちには、たまらないエキスがたくさん含まれているんだろうなと。

そして、久しぶりの短編集である「一人称単数」もそんな本の一つでした。

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「石のまくらに」
「クリーム」
「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」
「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」
「『ヤクルト・スワローズ詩集』」
「謝肉祭(Carnaval)」
「品川猿の告白」
「一人称単数」

どの作品も、読み始めると村上春樹さんの独特な匂いが、ページ全体から立ちのぼって来て、

待ち遠しかった春樹ワールドへあっという間に。


春樹さんらしいなと思った作品は「石の枕に」でしたが、

一番に印象に残ったのは「謝肉祭」でした。

タイトルにもなっている「謝肉祭」、春樹さんの作品には、ストーリーとしっかりと結び付いた音楽たちが登場してくるのですが…。


例えば前作の「騎士団長殺し」では、リヒャルトシュトラウスの「バラの騎士」、モーツアルトの「ドン・ジョヴァンニ」、

「1Q84」ではヤナーチェックの「シンフォニエッタ」、シベリウスの「ヴァイオリンコンチェルトニ短調」、

「海辺のカフカ」では、シューベルトピアノソナタ第17番ニ長調、etc etc …。


「謝肉祭」はタイトル通りの曲、シューマンの「謝肉祭」が登場しますが、登場するだけではなくテーマであり、モチーフそのものでした。

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作品の中で主人公とかかわることとなる「醜い女性」が語ります。

『~~「謝肉祭」はかなり初期の作品だから、ここにはまだ、彼の悪霊たちははっきりとは顔を出していない。カルナヴァルのお祭りが舞台だから、至るところに陽気な仮面をかぶったものたちも溢れている。でもそれはただの単純に陽気なカルナヴァルじゃない。この音楽には、やがて彼の中で魑魅魍魎となっていくはずのものが、次々に顔を見せているの。ちょっとした顔見せみたいに、みんなカルナヴァルの楽しげな仮面をかぶってね。あたりには不吉な春先の風が吹いている。そしてそこでは血のしたたるような肉が全員に振る舞われる。謝肉祭。これはまさにそういう種類の音楽なの』P170

『この作品は、ある意味では遊びの極致にある音楽だけど、言わせてもらえれば、遊びの中にこそ、精神の底に生息する邪気あるものたちが顔を覗かせるのよ。彼らは暗闇の中から、遊びの音色に誘い出されてくる』p171

正直、シューマンのピアノ曲はそれほど聴いていなくて、CD も2種類(イエルク・デムスとギルトブルク)のみ。しかも、きちんとは聴いていません。

でも、こんな風に言われると、絶対に聴きたくなってしまう。

「遊びの中にこそ、精神の底に生息する邪気あるものたちが顔を覗かせるのよ。彼らは暗闇の中から、遊びの音色に誘い出されてくる。」この魑魅魍魎とは、春樹さんの作品によく出てくる小人たち、リトルピープルですよね。

もう、絶対に。

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シューマンの二面性、梅毒が進行して晩年のシューマンは幻覚を見たり、悪夢に悩まされたり、

現実の世界と幻覚等の世界の見分けがつかなくなっていたそうです。

謝肉祭の中で、楽しむ人たちの仮面と仮面の下の素顔、


お話の中で、主人公(春樹さんでしょう)とシューマンの「謝肉祭」の曲でかかわり合いを持つ女性「F*」(お話の中での名前)、

お話の冒頭から主人公が会った中で一番の「醜い女性」と描写される女性は、その醜さと洗練された趣味や所作の持ち主。

サントリーホールのコンサートで出会い、意気投合してよく会う様になり、音楽についてのおしゃべり。
その中で、島に持っていく曲を一曲選ぶとしたらと言う問いに、

2人とも、シューマンの「謝肉祭」を選びます。

融資詐欺をその夫(女性とは違ってモデル並みに端正なルックス)と共に行い逮捕されますが、「醜い仮面と美しい素顔—美しい仮面と醜い素顔」…。


作品の中で、「謝肉祭」がぐるぐると、ずっと鳴り響いていました。

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「謝肉祭」の演奏、

お話の中で、主人公のベストワンはルビンシュタイン、彼女のベストはミケランジェリ。

HMV や AMAZON etc etc…、探してミケランジェリのものはゲット出来ましたが、ルビンシュタインのものは絶版になっていて手に入りませんでした。

手に入らないとなると、どうしても聴きたくなっています。


確かに、この曲は演奏するアーティストによって、かなり違った曲になります。

じぶんのもっているもので言えば、若いボリス・ギルトブルクのものは、二面性と言うものはあまり感じなくて、シューマンの音楽を純粋に表現しようとしているように思います。

魑魅魍魎と言うよりは、謝肉祭の楽しさ、若々しいシューマン、エルネスティーネ・フォン・フリッケンへの恋心…、そんなものを感じます(ちなみに、エルネスティーネと婚約をしたけれど解消してます。そして、クララに恋心をその後に。)。

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新しく手に入れたミケランジェリのものは…、確かに…楽しさの光、ごちゃごちゃとした混雑や猥雑感の影の中から、リトルピープルが一人、二人、三人…。

ルビンシュタインのものを探さなくては。



相変わらず、部屋で過ごすことが多い毎日です。

確かに出かけることによる刺激は少なくなっていますが、春樹さんの本で久しぶりに音楽の刺激をもらうことができました。

「謝肉祭」、ルビンシュタイン、そして、シューマンも。


シューマンのピアノ曲は、バッハやモーツアルト、ベートーベン、シューベルトなどに比べると、統一感や厳格さは曖昧かな?

でも、その分、自由なんだろうと思います。

お部屋時間の課題、一つ心の抽斗を作ってみようかと。

" 2020/08/30 Haryki Murakami Ichininsyo Tansuu & Schumann Carnaval op.9"
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活版印刷三日月堂_空色の冊子:20200322 [読んだ本]

老眼が徐々に進んできて、


少し前までは、

通勤時につり革に掴まりながらでも、文庫本をしっかりと読めていたのですが、もはや… ^^;

生命維持装置も経年劣化はいとえません。


仕方がないので通勤時の読書はあきらめ、もっぱら Walkman からのお気に入りを聴きながら、

車窓から、

季節によって形の変わる、車両の影の伸び縮みを楽しんだり。 

そうそう、

今の季節の朝は影が長くなって、河川敷に映るJRの車両の影は、まるで猫バスみたいです。

それでも、

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休みの日にビールを頂きながらとか、出張の時に新幹線の中でとか、読みたい本があるので、

細々ながら時間があれば読んでいます。


年末からこれまでにも「ロボット・イン・ザ・〇〇」、「喫茶店タレーランの事件簿」、

「通い猫アルフィー」等の続き物、

推しの原田マハさんの「風神・雷神」、小川糸さんの「ライオンのおやつ」。

読みたいものが一遍に出版されたので、結構、まとまって読んでいました。 


本と音楽との関係は、いくら小遣いがなくても昔から別腹です。  たとえ、たとえ?

ビールが発泡酒に、発泡酒が2本から1本に替わっても ? ^^;

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読んだ中で、小川糸さんの「ライオンのおやつ」、レイチェル・ウェルズさんの「通い猫アルフィの約束」、

そして、ほしおさなえさんの「活版印刷三日月堂 空色の冊子」が良かった。

奇しくも、3冊とも生と死にまつわるお話なのでした。


ライオンのおやつはホスピスのお話。アルフィは、最愛のタイガーが…。空色の冊子でも…。


でも、読んでいて、一番じーーんとして、まじか? あるまじき…なのです。

目頭熱くうるうると来てしまって、読んだ後もずっとその余韻が背骨にじーーんと残っている…。

今でも、残っている…。

「活版印刷三日月堂 空色の冊子」、その中の「星と暗闇」でした。

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活版印刷三日月堂。今までに4冊出ています。両親も祖父母も亡くして一人になった弓子。

会社を辞め、祖父と祖母の残した活版印刷所に住むことになり、予期していなかったはずなのですが、

時代遅れとも思われた活版印刷所を再開することに。 弓子の周り、活版印刷三日月堂の周りの人々。

4冊の短編はどれもみんな、とても個性的。ほしおさなえさんの登場人物のディテールの描き方もすごいし、短編の一つ一つが素晴らしいです。

一つ一つの短編なのだけれど、それが有機的に繋がって一つの大きな円環、三日月堂のお話を描いています。

一冊目から読んで大好きになり、その後出版されるたびに読んでうるうるでした。


4冊目、「雲の日記帳」で終ってしまった…と思ったのですが、

この本、

「空色の冊子」を書いてくれました。ほしおさなえさん、ありがとう。

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「活版印刷三日月堂 空色の冊子」は、今まで綴られてきた三日月堂の以前のお話。

弓子の生まれてのこと、カナコお母さんのこと…、天文学を学んだ父のこと、

祖父のこと、お祖母ちゃんのこと etc etc …。

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4冊読んで主人公の弓子のことを知っているぼくらは、なるほど…、そうなんだ。

おじいちゃんもおばあちゃんも、そういう人で、おばあちゃんから教わった卵焼きのことも、
大切なチューリップの折り紙のことも。

4冊の物語ではお父さんとしか分からなかった弓子の父親も、もちろん、弓子の父親だけれど、

ひとりの男性、青春、学生時代や弓子のお母さんのカナコとの恋も生活も。


それらを知ることにより、「星たちの栞」「海からの手紙」「庭のアルバム」「雲の日記帳」、

4冊のお話がより深くなりました。


弓子のお母さん、カナコは3歳の弓子を残してなくなってしまうのです…。

最愛の娘を残していく母親、

その、最愛の、

まだまだあどけない娘、カナコ。

妻の命が燃え尽きるのを見送らねばならない弓子の父。 いえ、カナコを最高に愛する修平。

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「そうだ、やはり光は命なのだ。命は光なのだ。燃える、爆発する、消える。生まれることも死ぬことも爆発で、ぼくらはこの瞬間も、そうやって燃え続けている。死に向かっているから光るのだ。死に向かっているから生きているのだ。」


「カナコが死んだとき、まちがいなく、僕も少し、死んだ。僕の中の世界の一部が死んだ。だけど、弓子はどうなんだ。幼い弓子にとって母の存在はもっと大きかったはずだ。世界の大部分を失ってしまったようなものじゃないか。
----- いっしょに探しにいくことがほんとうのさいわいなんじゃないか、って
あのときカナコはそう言った。」


「星も怖い、暗闇も怖い。生きるのも、死ぬのも怖いのと同じように、逃げ場所なんかない。僕らはみんな宇宙にただよって、輝いている。燃え尽きれば死ぬとわかって、輝いている。それが生きることなんだ、と思った。」


4冊のお話がここに帰結しているんじゃないか、生まれるとは、生きるとは…。

生きて、そして、

死んでいくとは、燃えて爆発して消える。 

だからこそ、一緒にさいわいを探しに行くこと、燃え続け輝くこと…。

かけがえのない輝き。本当に大切なんだなと。


良い本に巡り合えました。

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小川糸さんの「ライオンのおやつ」も生と死を扱った本。


身近な方の生死を見て、この本を書こうと思ったとのことですが、

小川さんは「死ぬのは特に怖くないです。あちらからのドアを開けて、向こうのドアを開けて出ていくんですよね。」などと。

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重くなってしまうので、あまり書かないでおこうと思います。


でも、生と死は、

生まれたからには避けることができない、きっと考えてしまうこと。

宗教もそのことを考えてきたこと、

きっと人が存在してからずっと考えていることなんだろうなと。


2019から2020の間、

推しの本を読みながら、こんなこと達を考えていました。


燃えたら消えるもの、スイッチは何時か切れるもの。 扉は開けば閉まるもの。


読んで、思ったこと。 だから、


この一日、この時は、本当に大切なんだと。


この一瞬は貴重なんだと。


そして、生きているって、やっぱり素晴らしいことなんだなと。



ディズニーリゾートの続きを書こうと思っていましたが、この3連休も近場だけ出かけ、部屋でゆっくりと過ごしています。

ならば? 、しばらくぶりに本のことも残しておこうかなと? 三日月堂のことにしました。


3連休で、ほしおさなえさんの新刊「紙屋藤崎記念館」、トルーマン・カポーティの「誕生日の子供たち」、
そして、続きの「ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器」を少しずつ読んだり、

ビールをワインを頂きながら、アンドルー・マンゼのベートーベン第5番、第7番を聴いたり。

1月に届いていたけれどインストールもしていなかった「三国志14」、シミュレーションゲームをやったり etc etc …。

のんびりと過ごす時間も良いものですね。

" Mikazuki_Do Sky blue booklet 2020/03/22 "
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ドナ・タート ゴールドフィンチ & アナログレコード:20190715 [読んだ本]

外はしとしとしと、静かな横浜の朝。


いつもはオレンジ色に輝く曇りガラスも、緑色のカーテンを開けるとライトグレー。

出かけようと思っていましたが、色彩は大切な要素なのかもしれません。

寒色系のライトグレーは高揚ではなくて落ち着きの色。


先週は広島に出張だったし、土曜日は素敵な皆さんとご一緒させて頂いたし、

こころも少しクールダウンでも良いかもしれないな等と。

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奥にしまい込んであったレコードを引っ張り出し、

昨日、成城石井で買ってきたワインをコーヒーカップに注いで、読みかけの本。

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学生の頃はよくレコードを聴きながら本を読みました。

ドストエフスキーやトーマス・マンが好きで、

当時読んだ岩波文庫は本棚のこれも奥の方に大切にしまってあります。

仕事が終わって家にいることが多くなったら、またゆっくりと読み返してみたい本たち。


トーマス・マンだとブッテンデローク家の人々、ドストエフスキーだと白痴が好きでした。

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テオ(シオドア・デッカー)が結婚? ボリスが絡んでくる? ビッパは?

ドナ・タート作「ゴールドフィンチ」。

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フェルメールの師匠、デルフトの悲劇。

1654年の火薬庫の大爆発に巻き込まれて32歳と言う若さで亡くなってしまったファブリティウス。

その時に多くの作品も消失してしまって、

現在残っている作品はフェルメールよりも少ない10数点なのだそうです。


小説「ゴールドフィンチ」はこのファブリティウスが最晩年に描いた傑作と言われている「ゴールドフィンチ(ごしきひわ)」が美術館のテロの際に行方不明になって…。
その時に最愛の母親を亡くしたテオ(作品の主人公です)とのその後の数奇な物語。

ドナ・タートさんの語り口は昔読んだ「ライ麦畑でつかまえて」に似ているなと思いました。


ティーンエイジで母を亡くして、親友アンディと家の人たち。

飲んだくれで母とテオを捨てて出て行ったけれど、一人になったテオを引き取って…父親とのこと。

運命の糸のビッパと、親友ボリスとのこと、家具修復のホビーとの生活 etc etc…。


テオの多感な青春時代の波乱万丈ともいえる物語。


きっかけは福岡伸一先生の「フェルメール 隠された次元」を読んででした。

本の中で「ゴールドフィンチ」のことが書かれていて、とても気になりすぐに某密林でプチっと。

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老眼が進んで通勤の電車で読むのはつらいですが、出張の飛行機や新幹線で読んで来ました。

全4巻のうち3巻を読んで、今日、最終の4巻目です。

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休みの日、

出かけるのもいいけれど、しとしとしと…shitoshitoshito…。

静かな雨の音に囲まれながら、CD よりアナログは優しい。気のせい? 昔の刷り込みかな? でも、

アナログのレコードが回っている部屋は幾分…、

時間もゆっくりと優しく過ぎていくように思えます。


そうそう、並行して読んでいる原田マハさんの「美しき 愚か者たちの タブロー」も感動の一冊。

読んだら、「松方コレクション展」も見に行きたいと思っています。

モネの、あの睡蓮に会いたい。



夢中になっていたら、ワイン最後の一杯 orz、…。


" Donna Tartt The Goldfinch & Analog record "
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