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巣ごもりの朝のこと_アルゲリッチとポリーニ(ショパンコンクールが生んだ2人の「怪物」):20200606 [音楽]

久し振りのミル、お気に入りのメジャースプーン。

豆をすくって、コリコリコリコリ ♪

馥郁とした、甘くて、香ばしくて、濃密な香りが部屋中にいっぱいに。

焼きたての、生地がバチバチとはじけている時のバゲットの匂いと共に、じぶんの好きな香りです。

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お湯は90度くらいが良いかな。 ドリップポットから、ペーパーの挽きたてのコーヒーに、

愛情を込めて、優しく愛おしく…お湯を注いで。笑

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巣ごもりの朝。

良いところは、部屋での時間をたっぷりと楽しめることでしょうか。

久し振りの、幸せの香りを楽しみながら、

一冊の本です。

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巣ごもりの時間で、皆さんもでしょうけれど部屋の片付けをすることが多くなりました。

長くいると色々と目に付いてしまう。 ^^;

本も整理したのですが、中には買ったっきりまだ読んでいないものが何冊か。

その中の一冊が、「アルゲリッチとポリーニ ショパンコンクールが生んだ2人の「怪物」 本間ひろむ著」でした。

東京から新幹線で出張に行く際に、駅構内の「HINT INDEX BOOK エキュート東京」さんで買ったもの。

その時は読めなくて、そのままになっていました。

大好きなアルゲリッチ姉さんの本、大切にゆっくりと時間が持てるときにと、思っていたのだと思います。

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本の趣旨は、

日本では他のピアニストではコンサートホールがいっぱいになることはないけれど、アルゲリッチとポリーニは別格。

日本人はアルゲリッチとポリーニが大好き !! さて、その二人とは、改めて語ってみるとどういう人?

そんな感じの内容でした。

アルゲリッチとポリーニ、共にショパンコンクールで第一位を獲得し(ちなみに二位はいるけれど日本人の一位はまだ出ていないとのことです)、

その後もレコードやCD を沢山リリース。コンサートも沢山と大活躍。

似ている所も多い二人ですが、でも、ピアノに向かう姿勢や弾き方なんかは、対照的。

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二人のピアニストのデビューから現在までの足跡を、さらっと知るには良い本でした。


特に大好きなアルゲリッチ姉さん。

大好きな姉さんですが、まだまだ知らないことが沢山ありました。

アルゲリッチの三人の娘の名前(苗字)がみんな違うこと(二人は結婚して生まれたけれど一人は結婚していない)、

本当はとてもシャイで内気で、世間知らずで…。人と言うよりも、その奏でる音楽、オーラに惚れやすくて…。

情熱的でダイナミック等、演奏から感じる人柄とは違うらしいこと etc etc…。

アルゲリッチ姉さんのことを、もっともっと知りたくなる本でした。

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本には、本間さんのアルゲリッチとポリーニのお勧め、20枚ずつのCD も紹介されていました。

多くは持っているCD でしたが、中には聴いていなくて、

でも、解説を読んでいると、ぜひとも聴きたくなったものも。


一枚は、「幻のショパン・レコーディング 1965」

1965年のショパンコンクールの優勝直後、あのビートルズで有名なアビー・ロードスタジオでの録音とのこと。

でも録音はしたけれど、アルゲリッチは当時ドイツ・グラムフォンと専属契約をしていたため、この録音をリリースすることができなかったとのこと。

その後1967年に、ドイツ・グラムフォンからは、ほぼ同じ曲の構成でレコードが発売され、それはじぶんも持っていて聴いたことがあります。

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そんな大人の事情(本間さん曰く)を経て、34年後の1999年にようやくリリースされたCD だとのことでした。

経緯、エピソードももちろん興味深いのですが、なによりもアルゲリッチ姉さんがショパンコンクールで優勝した当時の演奏ということで、二乗や三乗はあっという間の興味津々。

さっそくネットでポチッです。


ほぼ同じ曲(ショパンのピアノソナタ三番・三つのマズルカ・ポロネーズ六番「英雄」等)の録音である
ドイツ・グラムフォン盤と比べると、録音の鮮明さ? 明晰さ? クリアな音ではグラムフォン版の方が勝っていると思います。

聴きやすさと言う点では音作りに勝っているグラムフォン盤だと思いますが、
きっと録音のまま、あまり加工しないでなのだと思います、
収録で緊張していてコーヒーをがぶ飲みして…とプロデューサーは記憶しているとか、そんな状況で弾いた音達を
そのままフリーズドライしたような「幻」盤の方は、姉さんの息遣いまで聞こえてくるようで瑞々しい。

ショパンコンクール、アルゲリッチ姉さんの原点ともいうべきその時の音達がよみがえってくる。
これはこれで、持つべき一枚だなと !!

それに、姉さんの若い頃のキュートなお写真のなんとお美しくて、可愛らしいこと!! 胸キュン!!

このジャケットの写真もお宝です。

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もう一枚は、本間さんが紹介していたのはベト1コンチェルトだったのですが、

どうせなら一番新しいものをとのことで、小澤征爾さんとの水戸室内管弦楽団とのライヴ。

2019年5月のベト2コンチェルトを取り寄せました。

アルゲリッチはベト2番がお気に入りの様です。今までにも、じぶんも持っているシノーポリとの演奏、

それに、アバドとの録音と、自身の弾き振りのものがリリースされていたと思うので、これで4回目の録音かと。

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ベートーベンのコンチェルトと言うと5番「皇帝」が有名ですが、1番や2番と言う初期のものもとてもチャーミング。それに、この2番は実は1番に先駆けて作曲し始めたものの、納得がいかなかったのか、完成したのは1番の完成後で、実に15年を要しているとのことです。

作曲に長く月日を要したということでは、じぶんも好きなブラームスの交響曲第一番が21年ですが、ベートーベンの2番コンチェルトもかなりのものですね。

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シノーポリとの演奏はフルオーケストラのせいでしょうか、迫力を感じるベートーベン、流石です !!姉さん。

一方、この新しい小澤征爾さんと優秀なソリストが集まった水戸室内交響楽団との演奏は…、

とってもとってもチャーミングです。私的で気心の知れあった音楽仲間が、午後のうららかな陽だまりの中、

とても親し気に語り合っている、そんな感じのする演奏。

特に、第2楽章のアダージョは素敵です。

終結部のアルゲリッチ姉さんの…、そよ風に乗っていってしまいそうなソロの音色は、本当に本当に美しい。

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本を片付けていて発掘して? おかげで、アルゲリッチをしばらくぶりにたっぷりと聴くことができました。

音楽に付いて話をする身近な人が、あまりいなくなってしまいましたが、

本は色々なことをこの年になっても教えてくれます。

そう言えば、クラシックで最近知ったこと、新しく聴いたものなどは、みんな本から教えてもらったことばかりだな。

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バルトークの弦楽四重奏は石田衣良さん、

シューベルトのピアノソナタとリヒャルト・シュトラウスの薔薇の騎士等は村上春樹さん、

ラフマニノフのチェロソナタは藤田治さん、

プロコフィエフのピアノコンチェルトは恩田陸さん etc etc…。


これからも、どんな出会いがあるか? 楽しみです。


緊急事態宣言は解除されましたが、まだまだ自分の部屋との親和性は高くないといけないようです。

巣ごもりも、まだしばらくの間は続くのかもしれませんが、

コリコリコリコリ。

コーヒー美味しかったし、好きな曲を聴きながらの良い時間、ましてそれが姉さんならば更に更に、二乗、三乗に。

巣ごもりの時間も、良い時間だなと。


そうそう、6月5日は、アルゲリッチ姉さんの誕生日。今年で79歳とかですが、なんといっても魔女さんです。

まだまだ100年くらいはこのままで @@; 笑

1967年の姉さんです。

そして、

2019年5月の小澤征爾さんと、姉さん。

週末の部屋コンサートに備えて、成城石井で、又、コーヒー豆を仕入れてきました。

さて、何を聴こうかな?

" 2020/06/06 Martha Argerich & Maurizio Pollini "
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アンドルー・マンゼ_ベートーベン交響曲第5番作品67「運命」:20200426 [音楽]

在宅勤務は2週間を超えました。

家で仕事をするのにも慣れてきたけれど、自粛、8割 etc etc 。

買い物とゴミ出しと? そのくらいかな? その他ではほとんど家から出ていません。

カメラとWalkman の相棒たちも…どこにいるの? 状態です ^^;


それでも今朝、コーヒーを頂きながらマンゼのベートーベンを聴いていたら、

机の横の窓がキラキラ。

型板ガラスのデコボコがキラキラと揺らめき、輝き始めたと思ったら、

窓全体がオレンジ色に染まっていきました。窓越しでしたが、久しぶりの朝日。 


誘われて、

家の近所ですが、少しだけ歩いてきました。


せせらぎの公園には紫蘭も咲き始めていたし、朝の空気は清々しい。

青い空と、ぽっかり浮かんだ雲を見ていたら、心の奥の方まで、すっきり晴れ渡っていくのを感じました。

そんな4月最後の日曜日。

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ほとんどの時間を部屋の机の前で過ごしているこの頃。変化のない時間が過ぎていますが、

良かったこと? 今までできていなかったこと? ボックスで買ったCD を全曲聴いたり。

例えば、フランツ・コンビチュニーの11枚組とか、ハイドンの10枚組とか etc etc…。

今まで、その中の気に入りの曲しか聴いていなかったけれど、家にいる時間が長くなり、

在宅勤務の時も曲を流したりしているし、今まで聴いていなかった全集を最初から最後まで聴けています。

それと、気に入りの指揮者が一人増えたこと。

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マーラーの第6交響曲を聴いてとても好きになった、マイケル・ティルソン・トーマス。

シベリウスをコンサートで聴いて一目(一聴? )惚れ。
チケット取ってはコンサートに通っている、ピエタリ・インキネン。

そして、現役の指揮者ではこの二人に続いて三人目です、

アンドルー・マンゼ。

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アンドルー・マンゼは、1965年1月14日生まれのイギリス人。

元々はヴァイオリン奏者で、トレバー・ビノックが作ったイングリッシュ・コンサートのリーダーでしたが、

2003年にビノックが退任し、それを継いで音楽監督、指揮者としてデビュー。

2014年からは、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団(NDR Radiophilharmonie)の首席指揮者に就任しています。

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ぼくは少し前です、メンデルスゾーンにはまっていた時があり、その時にマンゼの演奏に出会いました。

3番スコットランド、4番イタリアも良かったし、5番の「宗教改革」はこの時に初めて聴きましたが、

どの演奏も歯切れがよく、透明感にあふれ颯爽としているなと感じました。メンデルスゾーンの良さも、マンゼに教えてもらったようにも思えます。

そんなマンゼ、

今年はベートーベンの生誕250年で、色々な指揮者の様々なCD がリリースされていますが、

新譜として第5番「運命」と第7番を、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団とリリースしてくれました。

「運命」のCD を買うのも久しぶりですが、マンゼの新譜と聴いてHMV でポチッ。

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聴いてみれば、メンデルスゾーン以上に各楽器の音色、透明度が高く、それら各パートが合わさって奏でるハーモニーも美しく清々しい。

若々しいベートーベン像が目の前に現れました。

苦悩や苦しみの「運命」ではなくて、若者に特有の幾多の試練、挫折、時には失恋 etc etc …、乗り越えるべきもの。

それらへの挑戦、後ろを振り向かずにまっすぐ前を見据えて !! そんなことを背骨から震えと共に感じました。

爽快感と共に、若者ではないけれど、激励までもらってしまいました。

うちのステレオってこんなに良い音で鳴るのかとも。


一人で机に向かっている時間ばかりのこんな時、

手を洗うのが時々面倒に感じてしまったり、我慢我慢でもういい加減にしてほしいとか、

ストレスだらけだとか…等々。

負の思いが下から湧き上がってくるようになっていましたが、

マンゼとNDR Radiophilharmonie のベートーベンに元気をたっぷりともらうことができました。

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ベートーベン第5交響曲作品67「運命」。

今までは、

厳格で荘厳なオットー・クレンペラー、「運命」と言えば定番中の定番、フルトベングラー(厳つい感じですが意外とロマンチック)、

どこかの指揮者が言ったとか「ベートーベンは快速でないといけない」 ? その通りの超快速!! シュトゥルム・ウント・ドラング !!
運命の嵐は吹きすさびのカルロス・クライバー。

この3枚が気に入っていましたが、マンゼの「運命」もその仲間入りです。


この後にモーツアルトの40番と41番のCD もゲットしました。大好きな大好きなモーツアルトをマンゼがどう聴かせてくれるのか?

これも楽しみです。


こんな自分でも、知らず知らずにストレスは溜まっているようです。

我慢とか、注意力とかも細い糸が切れてしまいそうになります。

ブログも触れるのを面倒に思ったり、敬遠したりしていましたが…、

でも、色々と工夫して、不安とかどうなってもとか? そんな負の思いを吹っ切っていかないといけないなと ^^b

" 2020/0426 Beethoven Symphony No.5 NDR Radiophilharmonie Andrew Manze "
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日本フィル第354回横浜定期演奏会_佐渡裕指揮シベリウス2番:20200101 [音楽]

2020年のコンサート初めは1月11日(土)18時から。

昨年は12のコンサートを聴くことができましたが、どれも記憶に残る良い演奏でした。

今年も素敵なライヴに出会えるといいな。

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2020年は3つのチケットを昨年のうちから取っておきました。

1月は日本フィルと佐渡さんでベートーベンとシベリウス。

3月は推しの松田華音さんとN響でチャイコフスキー。

4月は日本フィルとバイロイトも控えているインキネンのベートーベン交響曲第5番。

3月も4月もとても楽しみですが、

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先ずは大好きなシベリウスの2番を佐渡さんで。

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暮れなずむ横浜の港を歩きながら、みなとみらいホールへと向かいました。

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曲目は、

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.77
シベリウス 交響曲第2番 ニ長調 op.43

2曲とも有名で人気のある曲。もちろん、じぶんも好きな曲です。

佐渡さんがどんな風に聴かせてくれるか、みなとみらいホールに向かう途中もわくわくでした。

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ブラームスのソリストは山根一仁さん。

1995年生まれ。2010年中学校3年在学中に第79回日本音楽コンクール第1位。
レウカディア賞、黒柳賞、鷲見賞、岩谷賞(聴衆賞)、増沢賞等、いくつもの賞を受賞。
これまでにバーミンガム市響、NHK交響楽団をはじめ国内外のオーケストラと共演を重ねているのだそうです。

現在24歳、新進気鋭の若手? いえいえ、中学生で日本音楽コンクールで第一位なのだから、それからもう10年余りで、キャリアも十分な名ヴァイオリニストですね。
背が高くてスリム、イケメンで女性にも人気なのでは。


交響曲第一番の作曲に21年を有したブラームスですが、このヴァイオリン協奏曲もやはりベートーベンを意識したのでしょうか。

45歳になって彼の唯一のヴァイオリンコンチェルト、この大曲を書き上げたのだそうです。


山根さんの演奏は若々しさにあふれていました。

演奏する時に長い足をくの字に折って、のけ反るようなポーズはかっこいいなと。


しばらくブラームスのヴァイオリンコンチェルト聴いていませんでしたが、この日から通勤の電車のWalkman はこの曲になりました。

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佐渡さんは言わずと知れた日本の名指揮者。

但し、ライヴで聴くのはじぶんはまだ二度目です。一度目はラ・フォル・ジュルネのサプライズ登場。

小山実稚恵さんのラベルのピアノ協奏曲ト長調演奏が終わった後に突然の登場で、
やはりラベルのボレロをラムルー管弦楽団(佐渡さんが1993年から2010年まで首席指揮者を務めていました)を指揮してくれました。

友情出演だったとのことですが、とてもびっくりして、その分記憶に鮮明に残りました。

それ以来の佐渡さん。

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1980年タングルウッド音楽祭で小澤征爾、レナード・バーンスタインに師事。

ウィーンに渡ってバーンスタインのアシスタントを務め、1989年にブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し
指揮者としてプロデビュー。

バーンスタインの流れを汲む「ヤング・ピープルズ・コンサート」の開催、
毎年12月に開催される「サントリー1万人の第九」の総監督・指揮、
テレビ朝日の『題名のない音楽会』第5代目司会者を務めるなど、多方面で活躍。

2015年9月よりウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の首席指揮者。

国内外で大活躍でマスコミにも多数出演しているし、今、日本で一番知られていて人気のある指揮者なのではないでしょうか。


山根さんの若々しいブラームスをサポート演奏した後、いよいよ待っていました、

シベリウスの得意な日本フィルとのシベリウス交響曲第2番です。佐渡さん、どんなシベリウスなんだろう?

わくわく。………。休憩が終わって…演奏が始まりました。

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北欧の森に分け入っていく…。

葉擦れの様なざわめきを弦楽器が奏でます。日本フィルの弦楽器の音色素晴らしい。

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冒頭を聴いただけで、フィンランドの森の奥の方へ。

ホールの良さも相まって弦楽器の響きはこころの奥まで響きます。金管楽器、ホルンの咆哮も素晴らしい。

年末にアラン・ギルバードの指揮で都響のマーラー第6番を聴きました。その時のホルンも良かったけれど、

日フィルのホルンはもしかすると日本で一番かもしれないなと etc etc…。

3楽章と4楽章は休みなく演奏。わぁ~4楽章いいな。

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日フィルをこんな風に鳴らせる佐渡さんは、やっぱりすごい指揮者。

今までCDも含めてシベリウス交響曲第2番は、ベルグルンド指揮 ヘルシンキ・フィルハーモニー、

それから、推しのインキネンの指揮で2013年にサントリーホールでの演奏を録音したものが鉄壁と思っていました。

でもでも、

2020年1月11日、みなとみらいホールのシベリウスは、その中に加わりました。


演奏が終わってその余韻に浸ります。



鳴りやまない拍手、拍手。ブラボーの声 !!


背筋のぞくぞく感がずっと、ずっと続いていて、なんて心地良いぞくぞくなのでしよう。


至福の時でした。

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一期一会、

その時限り。


絵画の様にそれを後でも鑑賞できる訳ではなく、

その時だけ。

音楽は、儚いものなのかもしれませんが、ライヴ、音楽はかけがえのないもの。


一期一会だからこその、ずっとずっと心に残るものなのだなと。


佐渡さん、日本フィルでまた聴いてみたい指揮者になりました。

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みなとみらいホールを出てみれば、

濱の夜はとっぷりと暮れていました。さてとお腹もすいたし、美味しいビールも飲みたいし。

もちろん、帰りにはビールを3本ほど? ニューデイズで買って帰りました。


シベリウス、インキネンで復習をしながらビールをくいくい。


良い演奏を聴いた後のビールは何物にも代えられません。美味しかった !! ^^v

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日本フィルは次は4月のインキネンのベートーベンです。

これもとても楽しみです。

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2020年は原点回帰?

気が付けば、Mozart 、 Beethoven、Brahms と以前によく聴いていたけれど、最近は?

そんな曲を沢山聴いています。

Beethoven の生誕250周年です。以前に聴いていた正統派? クラシックを今年は沢山CD で、

ライヴのコンサートで聴いてみたいなと。


" 2019/01/11 JAPAN PHILHARMONIC ORCHESTRA NO.354 "
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LA FOLLE JOURNEE TOKYO 2019 & BEER TO GOのコープランド:20190503 [音楽]

行きたいものリストを作り、見そびれることがないように、

展覧会は万全の準備をしています。 ^^

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音楽の方もネットで時々チェックをして、日本フィルとインキネン、

田部京子さんや松田華音さん等演奏家たち。 ピリスが実質引退は寂しいですが、

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それに好きな作曲家、モーツァルト、ブラームス、チャイコフスキー、マーラー、ラフマニノフetc etc …

聴き逃さないようにしています。

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本棚の所定の場所に本と本との間に挟んであるチケットのフォルダー(大人のOFFに付いていたクリムトのクリアファイル)には、前売りで買ったチケットが7枚。

GW 前には9枚でしたが、5月3日に2枚使いました。

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いつものクラシックの祭典をスタートから楽しむための大切なチケット。 b^^

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ラ・フォル・ジュルネ、

今年で15回だそうです。へぇーー!! もうそんなに経つんだと…びっくり。

光陰矢の如し ^^;


2005年4月29日・30日・5月1日 「ベートーヴェンと仲間たち」

2006年5月3日・5月4日・5月5日・5月6日 「モーツァルトと仲間たち」

2007年5月2日 - 6日 「民族のハーモニー」

2008年5月2日 - 6日 「シューベルトと仲間たち」

2009年5月3日 - 5日 「バッハとヨーロッパ」

2010年5月2日 - 4日 「ショパンの宇宙」

2011年5月3日 - 5日 「とどけ! 音楽の力 広がれ! 音楽の輪」

2012年5月3日 - 5日 「サクル・リュス」ロシアの祭典

2013年5月3日 - 5日 「パリ、至福の時」

2014年5月3日 - 5日 「10回記念 祝祭の日」

2015年5月2日 - 4日 「PASSION」ルネサンス期から現代まで、恋と祈りといのちの音楽

2016年5月3日 - 5日 「ナチュール」自然と音楽

2017年5月4日 - 6日 「ラ・ダンス」舞曲の祭典

2018年5月3日 - 5日 「モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」

2019年5月3日 - 5日 「ボヤージュ 旅から生まれた音楽」

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じぶんは第2回から参加ですが、

2011年はチケットを買っておいたけれど東日本大震災の影響で払い戻しになっていけなかったので、2回は欠席。

それでも13回目のラ・フォル・ジュルネ ♪

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朝一番のコンサートを聴いた後、次のコンサートまでまだ時間が3時間くらいあるので、とりあえず腹ごしらえ。

昼ご飯は、有楽町の万世麺店さんで定番の排骨麺を頂きました。

厚切り豚のあばら肉を衣につけからっと揚げたのが乗っかっています。

秋葉の定番を有楽町でも頂けるのは嬉しい。

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お昼ご飯を頂いてもまだまだ時間はたっぷり。

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有楽町フォーラムに戻って無料のコンサートも楽しみます。

すると、おーーーっ!! ルネ・マルタンさんがいた。

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ラ・フォル・ジュルネの仕掛人?

音楽プロデューサーのルネさん?

たぶん。

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ラ・フォル・ジュルネでは、

ルネさんだけでなく、素晴らしいアーティストたちに当たり前の様にすれ違ったりも出来て、

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それも魅力の一つだと思います。

クラシックのお祭りを、する側も楽しむ側も一緒にその時間を共有できます。

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今年のじぶんのラ・フォル・ジュルネは、3日のチケット2枚でした。

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一枚は、9時30分から、

お祭りの口火を切るスタートのコンサート、No.121。

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アレクセイ・ヴォロディンさんのピアノで、

ラフマニノフ ♪

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プレリュード Op.3-2

プレリュード Op.32-12

プレリュード Op.23-4

プレリュード Op.23-5

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そして、ライヴではじぶんは初めて聴きました、

ピアノソナタ 第1番 ニ短調 Op.28

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アレクセイ・ヴォロディン、プログラムのプロフィールによると次の経歴とのこと。

1977年レニングラード生まれ。モスクワ音楽院で学び2003年のゲザ・アンダ国際コンクールで優勝。
繊細かつ力強いタッチと華麗な技巧が持ち味のピアニスト。
ゲルギエフやアシュケナージらの指揮の元、ロンドン響、BBC響、スウェーデン放送響、マリインスキー劇場響、NHK響などと共演。

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ラフマニノフのピアノソナタは2番はじぶんもCD を何枚か持っていますが、

1番はアシュケナージとイディル・ビレットの2枚だけ。

アシュケナージの演奏も聴くと他のラフマニノフの作品とは少し違うなぁ~。

何だか落ち着きない感じがする…、等と思っていました。

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でも、この日のアレクセイ・ヴォロディンさんの演奏を聴いて、なるほど !!

先入観なしに聴くと、良い曲何だなぁ~と b^^

第2楽章の甘美なメロディ ♪  ラフマのロマンチックで華麗な音達が包みこんでくれるかのよう。

3楽章の Allegro molto もラフマ節がぎっしり。もっとコンサートでもCD でも取り上げられて良い曲なんじゃないかなと。

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きっとこんな時間からコンサートなんてしたことないのでしょうけれど、

アレクセイ・ヴォロディンさんのピアノの音、とても素敵でした。

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もっとたくさん聞いてみたいなと b^^

また一人、目の離せないピアニストが増えてしまいました。

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そう言えば、ラ・フォル・ジュルネで知ったアーティストもたくさんいます。

チェロのエドガー・モロー君、

ピアノのアンヌ・ケフェレックさん、広瀬悦子さん、

etc etc …。

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エドガー・モロー君のラフマのチェロソナタ、最高でした。

またラ・フォル・ジュルネに来てくれないかな。

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排骨麺を頂いて、

こんなことを考えながら、大好きな丸の内仲通りを散歩。

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この前、ラファエル前派の展覧会に来たばかりだけれど、

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新緑の青さはより深くなって、

赤ちゃんだった木漏れ日たちも一人前になっていました。

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2枚目のチケットはNo.113、

今年のラ・フォル・ジュルネの3日間のプログラムを見て、迷うことなくこれ!! と決めました。

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アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
二コラ・バルディルー(バセット・クラリネット)
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ミハイル・ゲルツ(指揮)

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" モーツァルトとプラハ "

モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503

モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

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アンヌさん御年71歳でとってもチャーミング。

女性って本当に年をとっても素敵なんだなぁ~。アンヌさんの演奏を聴く都度、しみじみと思います。

持っているCD ではラヴェルのが一番好きですが、モーツアルトも良いな。新しいアルバムが出ているので、帰って来て速攻でポチッ !!

ニコラ・バルデイルーさんは長身で長いクラリネット、バセット・クラリネットを持って登場です。

サビネ・マイヤーさんの演奏をよく聴いていますが、バセット・クラリネットの演奏も良かったです。

音域に幅があって、迫力あります。演奏するのは難しそうですが、それを感じさせないとても素敵なモーツァルトでした。

もちろん、モーツアルト最後のコンチェルト、

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曲自体もモーツァルトの中で5本の指に入るくらいじぶんの好きな曲です。

アンヌさんの、交響曲第41番ジュピターと同じハ長調の25番コンチェルトも良かったし、

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2枚目のチケットも使って、満足満足でした。

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そうそう、コンサートが終わって地下のロアール・アムンゼンを歩いていたら、

またまた、ルネ・マルタンさんに会ってしまいました。

今度は二人の長身イケメンさんとなにやら打ち合わせ。 初日からご活躍の様子でした。

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2019年のラ・フォル・ジュルネをたっぷり楽しんで、有楽町から銀座へ。

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この前見つけたソニービルの跡地の地下4階のお店が気になっていました。

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代官山にあるクラフトビールのお店「SPRING VALLEY BREWERY」が手掛ける「“BEER TO GO” by SPRING VALLEY BREWERY」。

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横浜のみなとみらいにあった時からスプリングバレーは大好きでした。

お店がなくなり、代官山まで飲みに行ったけれど、その血筋を引くクラフトビールが飲めるなんて、

しかもこころにはラ・フォル・ジュルネ、ラフマやモーツァルトに栄養をたっぷりともらったばかりです。

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ならば、体も美味しいビールを !!

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ソーセージと一緒にコープランドを頂きました。

うーん、やっぱりスプリングバレーのクラフトビールは美味しいです。

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銀座の地下のこの不思議な空間で、美味しいビールが頂けるのはとっても贅沢だなぁ。

近くに来た時はまた寄らせてもらおう。

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10連休のスタートはギュスターヴ・モロー展、

5月3日はラ・フォル・ジュルネと美味しいビールで楽しみました。

遠出はしないで、横浜と東京、

あとは娘と一緒に母の家に行ったり、天野喜孝さんの展覧会へも。

ゆっくりのんびりと久しぶりのたくさんのお休みを楽しむことができました。

でも、もっと休めるなら休みたいなと 笑

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ラ・フォル・ジュルネ、

はじまりの頃の様な溢れる活気の様なものは感じられなくなったけれど、恒例のお祭りになって、GW の丸の内辺りには欠かすことのできないものになりました。

参加する人たちも、ワインを持ってきて広場のテーブルで無料のコンサートを楽しみながら一杯 ♪ とか、それぞれの楽しみ方。

混雑はしていたけれど、それでも余裕? が全体に感じられて良い感じ。

15年経ち、楽しみ方も大人の楽しみ方が定着してきたみたいです。


この感じもとても素敵だなぁ。

ここ数年は一人での参加でしたが、来年はまた友達や家族も誘ってきてみようかと ^^v


" 2019/05/03 La Folle Journee Tokyo 2019 & BEER TO GO "
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武道館コンサート TOTO 40 TRIPS AROUND THE SUN :20190220 [音楽]

チケット取れたよ~ !!

それから2か月。2月20日(水曜日)。

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定時のチャイムが鳴ると同時にオフィスから飛び出しましたぁ~。

前回は2016年3月4日の横浜バシフィコだったから、約3年ぶりのコンサート !! 

それに今回は音楽の殿堂「日本武道館」。ものすごーーく!! 楽しみにしていました。

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わくわく、

わくわく、わくわくわくわく~  ^^;

席は2階であまり近くはなかったけれど、席に座って待っている間もドキドキ心臓は高鳴っぱなし。

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そして、待ちに待った " TOTO " サウンド ♪

メンバーにスポットライトがびしっと当たって、1曲目の" DEVIL'S TOWER " !!

お腹の底まで、体中にペースとドラムとキーボードと ♪

ギターとジョセフの歌声が響きわたってコンサートのスタート。

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デヴッィト・ペイチは残念ながら体調不良? で来日できなかったけれど、

キーボードのスティーヴ・ポーカロ、

大好きなボーカル、ジョセフ・ウィリアムス、

そして、そして、クールでセクシーなギータの音色、超絶技巧、めちゃくちゃ大好きなスティーヴ・ルカサー !!

TOTO のおなじみのメンバーがちゃんと来てくれました。

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ペイチが来れなかったけれど、代わりに来てくれた? キーボードのドミニク・タブリンはすごかったです!!

クールでテクニカル、クレバーな圧巻のピアノ演奏を聴かせてくれたし、

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シェム・ヴォン・シュロックのベースはセクシー。

ドラムは3年の絵にも来てくれたシャノン・フォレストで、オリジナルメンバーで今は亡きジェフ・ポーカロを彷彿とさせるドラム !!

もう満足、満足。

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1.  DEVIL'S TOWER 
2.  HOLD THE LINE  
3.  LOVERS IN THE NIGHT
4.  ALONE
5.  I WILL REMEMBER
6.  ENGLISH EYES
7.  JAKE TO THE BONE
8.  ROSANNA from
9.  GEORGY PORGY 
10. HUMAN NATURE 
11. I'LL BE OVER YOU
12  NO LOVE 
13. STOP LOVING YOU 
14. GIRL GOODBYE
15. LION 
16. DUNE
17. WHILE MY GUITAR GENTRY WEEPS
18. MAKE BELIEVE 
19. AFRICA

アンコール HOME OF THE BRAVE

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オーディエンスもみんなTOTOのメンバーと同じくらいの年齢? 50代、60代中心かな?

時々、親子連れのような若い方もいたけれど、デビュー40周年を記念するコンサート。

熱狂的と言うよりは、とても暖かくていい雰囲気。なんか、TOTO のメンバーを含めて同窓会みたいな?

そんな感じも 笑。

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ジョセフに促されて、みんなで一緒に歌ったり、

スマホのライトを振ったりしたら、

スティーヴ・ルカサーが「アミューズメント」って言ってくれたり。

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気が付くと既に2時間が過ぎていました。

最後の曲はやっぱり、やっぱりこの曲、" AFRICA " ♪

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アンコールは " HOME OF THE BRAVE "

曲が終わると余韻もなくて武道館が明るくなって、「本日の公演は終了です」とのアナウンスでしたが、

これもTOTO らしい? あっさりしていて良かった。と思うのも、大好きすぎるせい? 笑

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帰りはもちろんとっても混雑していて、気か付くと左の二の腕をガシッと掴まれていました。

うん十年ぶりのガシッ。

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5歳離れた妹ですが、二人で過ごすことが多く、じぶんが友達と出かける時も一緒に付いてきたし、

知らないうちにじぶんの後輩に誘われて(女性です 笑)出かけていたり etc etc …。

そんな感じだったのですが、その時分以来の妹のガシッ。

お互い年をかなり取りましたが、やっぱり兄妹もいくつになっても同じなんだなと?


そうそう、TOTO を刷り込んだのもじぶんです。おかげて、今回もチケットを取ってくれました。

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妹よ、次回もよろしく~ !! ^^v

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TOTO はずっと追いかけ続けているバンドです。

洋楽では BEATLES の次にレコードやCD を多く持っているバンド。

そして、そして、ただの懐かしバンドではなくて、今でも新曲を発信している現役のグループです。

40周年を記念した新譜の " 40 TRIPS AROUND THE SUN " ももちろん買っていますが、" ALONE " " SPANISH SEA " " STRUCK BY LIGHTNING " の3曲は新曲です。

コンサートで余韻を楽しむことができなかった分、その後もずっとこのアルバムで浸りっぱなしになってます。

クラシックのコンサートも良いけれど、ロックのコンサートは一緒に汗をかいてリズムを取って、気分爽快 !!

これはこれでいいな ^^v




" 2019/02/20 TOTO 40 TRIPS AROUND THE SUN TOUR IN BUDOKAN "
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マリク・ヤノフスキ指揮_N響第9コンサート2018:20181222 [音楽]

コンサート、
毎年、気に入りの演奏家やオケのものをプログラムを楽しみつつ選んで、いくつかですが聴きに行くことができています。

最近だと、ピリスさん、田部京子さん、松田華音さん、ピエタリ・インキネンと日本フィルetcetc…中心ですが、

じぶんの中ではイベント化しているものもあって、毎年欠かさずにいるのはゴールデンウィークの丸の内
「ラ・フォル・ジュルネ」と年末のN響の第9。

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行かないと、新緑のきらきらの光たちの輝きもいまいちに感じてしまうし、

大好きな餅を頂く食欲、新しい年を迎える心構えも全然できはしません。

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今年も無事に年を越すために、12月22日の土曜日、渋谷NHKホール迄N響の第9を聴きに行って来ました。

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指揮 : マレク・ヤノフスキ
ソプラノ : 藤谷佳奈枝
メゾソプラノ : 加納悦子
テノール : ロバート・ディーン・スミス
バリトン : アルベルト・ドーメン
合唱 : 東京オペラシンガーズ
管弦楽 : NHK交響楽団

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マレク・ヤノフスキはポーランドの指揮者。

1939年生まれというので79歳。父親はポーランド人で母親はドイツ人。ケルン音楽大学であのヴォルフガング・サヴァリッシュに指揮法を習ったそうです。

じぶんは今回初めてマレク・ヤノフスキの演奏を聴きましたが、日本にもここ数年のうちに何回か来ていて、N響を指揮しているとのことです。

何回も来ているっていうことはN響との相性も良いのでしょうね。

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演奏、

第1楽章はテンポ少し早めだったでしょうか。

これぞ!! ベートーベン!!  終盤はシュトルム・ウント・ドランクでした~~!!

良いな第9、良いな正統派ドイツクラシック !!  この1楽章だけで結構満足してしまいました。

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勿論、煌めくリズムのスケルツォは、隣の人に悪いので我慢しましたが、体全体でリズムに合わせたくなるのを必死でこらえるほどキラキラの輝きでしたし、

指揮者が「第9の中で一番大切な楽章である」とパンフレットに書いていた、第3楽章のアダージョでは、

静謐で深遠な旋律が厳かに奏でられ、じぶんの様な煤けて十分に汚れちまった心にも、奥の奥の方まで浸みいり、音楽による浄化です。

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第4楽章、

ソロの歌手たちも勿論ですが、さすが東京オペラシンガーズです !!

そんなに良い席ではなかったものの、聴覚だけでなく体全体で音達を感じることができました。


第9の合唱

'' 抱き合おう 数百万の人々よ !

この接吻を 全世界に

兄弟たちよ 星空の上には

愛する父が 住んでいるに違いない ''


やっぱりこれを聴かないと~です。

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70分くらいのコンサートでしたが、マリク・ヤノフスキとN響のベートーベン第9交響曲、

今年一年の間にたくさん溜まってしまった、ちりやほこりや心の煤を綺麗に吹き飛ばしてくれました。

すっきり、くっきり、こころは軽く、これで新しい年を迎えられます。

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NHKホールを出るとこれも恒例の「青の洞窟」。

今年のイベントとして、Google との協賛でスノードームが登場しています。

来た時にちらっと横目で見たあのドーム、確かに「OK Google」という文字が浮かんでいました。

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青の洞窟の写真を撮っていたら、あっ…?

雪 ?

わぁ~、すごーーい。綺麗~ !!

見ていたみんなから歓声です。

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ドームから青の泡のようなものが夜空に昇って行って、

見ていると、

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海のものすごく深いところに居るかのような、そんな錯覚も感じたり…。

渋谷という都会の一角、たくさんの人たちと一緒にいることを忘れてしまうかのようでした。

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こんな光景を見ることも出来て、今年も第9を聴きに来て良かったな。

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駅までの表通りは毎年のように混雑しているので、

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いつものように裏道を歩きました。

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この渋谷の裏道も好きな通りです。

さて、お腹が減りました。

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家を通り越して桜木町まで。

たまには和食もいいなということで、

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ランドマークタワーの中の「美濃吉」さんで、先ずは冷たいビールです。

心の煤がなくなったせい ? とても美味しかった。

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食前酒に前菜は「冬の彩り盛り合わせ」。

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椀は「カニの真蒸」。

真蒸はカニの実がたくさん巻いてあって、うまうま !!

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向付の刺身ももちろん、

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選んだ「旬菜の黒毛和牛の炙り焼き」は、ほうば味噌で頂きましたが、贅沢なお味。

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鉢ものの揚海老芋はかなり久しぶりの味。

昔、京都丸山公園の平野家本家さんで頂いた「いもぼう」を思い出しました。

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ご飯は穴子ご飯。

穴子の天ぷらと白いご飯にかけられた「つゆ」はちょうど良いお味。

丼ぶりで頂きたいほどです、もっと食べたかった。

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葛切りも京都の味です。

黒蜜との相性抜群で…美味い!! の一言也です。

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最後にお薄でご馳走様。

この日の締めくくり !!

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今年もピリスをはじめ、10幾つかのコンサートに行くことができました。

来年も2月にカティア・ブニアティシヴィリ、クラシックでないけれどTOTO。

フィンランド帰りで楽しみなインキネンと日本フィルのシベリウスは4月と6月。

8月には松田華音さんの前売チケットをゲットしています。


でも、やっぱり来年も最後はN響の第9なのだろうな。


今年も家に帰ってから余韻で、フルトヴェングラー、スイトナー、ハンス・シュミットイッセルシュタット、
プロムシュタット等が指揮をするCD をずっと聴いていました。

気が付くとベートーベンを聴くのって一年ぶり ?

昨年も、もしかすると第9を聴いてきた後だけだったかもしれません。 ^^;

来年は原点回帰 ? ベートーベンやブラームス、そしてモーツアルトを少し多めに聴いてみようかなと思う、
じぶんなのでした。

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今年2018年、色々とあった年も本当にわずかです。

もう一度くらいは? 休みになったからブログも更新したいと思うのですが、大掃除もしていないし、年賀状もまだ少し…。

たぶんこれで今年最後になるかな。

とりあえず、


今年も拙いブログにお越し頂きありがとうございました。

ほぼ、同じように拙さを引っ張り続けると思いますが、来年もよろしくお願いします。

みなさん、良い年末で良いお年をお迎えください m(_ _)m

" 2018/12/22 Beethoven 9th Symphony Concert NHK SO "
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ENCORE!! Kazumasa Oda Tour 2018 横浜アリーナ:20180704 [音楽]

好きなのはバゲットとチーズと赤ワイン、秋柴に音楽と本と etc etc …と娘にもですが、

妹にもそういえば刷り込んでおいたなと?

もう何十年も前になるけれど、音楽が好きなこと、オフコース、小田さんが好きなことを一緒に暮らしているときに、無意識のうちに(?)刷り込んでいたようです。

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今年も小田さんのツアーのチケットを取ってくれたので、横浜アリーナで一緒にコンサートに参加してきました。

小田さん、御年71歳。

お年だし、何時ものようにまたあんなに走ったらと…、花道がステージからぐるっと丸く長くつながっている様子を見て、何だか心配にもなりましたが、

18時半、コンサートが開始されると、

そんな心配はどこへやら!!

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こっちの方が年甲斐もなく、

隣の妹とスタンディングで手拍子、周りの人たちと一緒に懐かしい「YES NO」を歌っている自分に気が付きました ^^;

当時の曲を聴くと昔のあの頃に戻ってしまい、あいつとあんなことがあったとか、

そう言えば彼女どうしているのかな? とか、色々なことを思い出します。

歌って、タイムカプセルのキーコードの様なものなんですね。


あれがあなたの好きな場所

港が見下ろせる 小高い公園 ♪

「秋の気配」は、1977年の曲。今から41年前なんだ!!


タイムカプセルは開きっぱなしに。

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6時半開演でアンコールまで含めて21時過ぎまで。

やっぱり少しお年は召しましたが、歌声は全然変わらないし、ステージの端から端まで走り回って、

アリーナの観客席まで歌いながら来てくれて、じぶんの前2m 位まで接近も ^^

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トークは、最近よく足の小指をぶつけると思って気を付けていたら、違うアクシデントが起こったが、

今日はまた小指をぶつけたとか? 笑

リニアモーターカーは2027年開通で、開通したらコンサートも日帰りできるようになって何だか味気ないけれど、

でも、その頃にはコンサートやってないだろうな?? とか

たわいのない内容なんですが、何だか落語? 噺家さんの話し方にも似ていて趣があるなぁ、小田さんのトーク。

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約3時間くらい、

元気いっぱいで、変わらない小田さんの歌声に満足しました。

健康でお互いいて、またきっと会いましょうと小田さん言ってくれたので、次回も妹に頼んでチケットを取ってもらおうと思います。

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アリーナからは帰りの皆さんでぞろぞろぞろ。

駅が混雑していると思い、この前と同じ、

恒例の久しぶりの兄妹水入らずの打ち上げです。新横浜の居酒屋さんで冷たいビールを2杯ずついただきました。

妹と二人で話す機会も、小田さんのコンサートの時くらい。小田さんありがとう。

刷り込んでおいて? 、本当に良かったなと  ^^v 笑

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父を早くに無くし、

そういえば妹のバージンロードはじぶんがエスコートでしたが、

そんなことのタイムカプセルも開けてしまいました。

小田さんの歌声のキーコードはかなりのオールマイティなのでした。 ^^



コンサートで小田さんが来ていた白のTシャツ、欲しかったのですがグッズ売り場はとても混雑していて買えませんでした。

でも、最近はネットでも買えるんですね。

家に帰ってきてから、ポチっとオーダーしました。 2週間くらいで来る様なので、この夏は小田さんとおそろいです。 笑

楽しみ。



" 追記です "

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2週間くらいと言われていましたが、なんと金曜日に届いてしまいました ^^v

小田さんの新曲「会いに行く」。自筆です。

今日はこれを着て、シモーネ・ヤングのブルックナー聴いてきます。

" 2018/07/04 ENCORE!! Kazumasa Oda Tour 2018 "
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ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018:20180505 [音楽]

吉祥寺の中道通りと、横浜の元町仲通り。

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そして、東京丸の内仲通り。

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カメラとWalkman の相棒たちを連れて散歩をしていると、

いつの間にか、自分なりの気に入りの通りができていました。

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GW の頃であれば、毎年訪れるけれど、丸の内仲通りはキラキラの木漏れ日。

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こんなに素敵な木漏れ日が、東京駅から少し歩いたところにあるなんて、初めて来た時は信じられませんでした。

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新緑の透過光の木漏れ日の下では、じぶんとは違って大人のゆとりを持っている方たちが、

首都東京、休みの目覚めの頃の朝の時間、

それぞれのやり方でのんびりと過ごしています。 ここだけ違う時間が流れているようで、

何時もの通勤電車の混雑や、ターミナル駅の大きな河の流れの様な人込みって何なんだろう。


忙しい毎日だけれど、時間を自分の思うままに使う、そんな時も必要なんだなと。


流石、GW の後半戦5月5日。のんびりと4日間の連休の子どもの日。

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今年は5月5日のチケットを2枚買っておきました。

M312  ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番ト短調 Op.40
ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・リス(指揮)

M313 メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調Op.64
前橋汀子(ヴァイオリン)
クルージュ・トランシルヴァニア・フィルハーモニー管弦楽団
カスバル・ゼンダー(指揮)

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ラフマニノフは昼過ぎからの演奏でしたが、少し早め、10時半頃に有楽町に着いたので、気に入りの丸の内仲通りを木漏れ日の中散歩して、

今年のラ・フォル・ジュルネは一人で来たので、昼ごはんは簡単に簡単すぎる? でも結構好きな天玉蕎麦を、有楽町の駅前の立ち食い蕎麦屋さんで頂きました。

かき揚げはその場で揚げていて熱々、玉子とお出汁がじゅわっと滲みていて美味しかった。

天玉蕎麦、

もちろん蕎麦ですが、立ち食いの天玉蕎麦はこれはこれで一つのジャンルかもしれないなと。 笑 

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丸の内仲通りはこの後、歩行者天国、 車をストップしてテーブルや椅子が並べられます。

GW 、

木漏れ日とゆっくりと流れるたゆたゆの時たち。

素敵な雰囲気もまた大切です。

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そして、じぶんはいよいよ今年のコンサート !!

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最初の頃からずっと通っているラ・フォル・ジュルネも今回で14回目。
 
2018年のテーマは" 新しい世界へ "

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" LFJ2018では、新しい世界へと開かれた精神が刺激に満ちた異文化と出会って生まれた、さまざまな傑作に光を当てます。 "  LFJ2018 ホームより

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毎年、作曲家や国や色々なテーマで僕らを楽しませてくれるラ・フォル・ジュルネですが、

今年のテーマは作曲家たちの新しい世界との出会いがテーマでした。

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全体主義体制や内戦から逃れ、

新しい世界へ亡命・移住した作曲家たち、ショパン、ラフマニノフ、シェーンベルクやバルトーク、プロコフィエフ et etc…、

自らの意志で母国を離れ、新しい世界へ移住した作曲家たち、ヘンデル、スカルラッティ、ドボルザーク etc etc…。

そんな作曲家たちの作品を聴くことができるたくさんのプログラムが提供されました。

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自分が選んだのは先ず、

ラフマニノフ ピアノコンチェルトNo.4 。

でも、その前にドボルザークの交響曲第9番「新世界」の4楽章の演奏がありました。時間的に全曲は無理だけれど、新世界の4楽章もとても盛り上がる曲です。

ほとんど毎年聴かせてもらっています、
ドミトリー・リスさんとウラル・フィルハーモニーの演奏は迫力があって情緒深く、今年の演奏も素敵でした。

そして、ベレゾフスキーさんのラフマ4番。

ラフマだと2番と3番が有名ですが、4番は1917年、ラフマニノフがロシアを去った後、アメリカを演奏中旅行中に書きはじめられ、1926年にフランスで完成した曲です。

アメリカの影響? ジャズみたいな感じ? リズムも和音も複雑になっているように感じます。

まさにラフマニノフの" 新しい世界へ " の曲なのですね。

ベレゾフスキーさん、白熊のように大きな体。ピアノにその指が触れるたびにラフマニノフの優雅なロマンチックな感情が迸ってきました。

ダンプカーの馬力の持ち主が優雅に繊細な音を奏でていく…余裕も感じられて、素晴らしい演奏でした。 ^^


ちゃんとアンコールも !!

ラフマニノフのプレリュードから Op.23 No.5。

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次のメンデルスゾーンまでには1時間くらいあるので再び、

東京丸の内の散歩です。

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お昼過ぎの丸の内界隈は、

朝より人出も多くなったけれど、それでも、GW ののんびりムード。

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三菱一号館美術館の後ろ、

ブリックスクエアでは、ラ・フォル・ジュルネ恒例の無料コンサートも開かれていました。

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丸の内仲通りは、

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テーブルと椅子が並べられて、朝よりももっともっとたゆたゆモード。

家から持っていらしたのでしょうか?  ワインのボトルとバゲットでランチかな?

いいな、東京のど真ん中でピクニックですね。

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そして、今年のラ・フォル・ジュルネの〆は、

昨年から引き続きのマイブームのメンデルスゾーン。

コンチェルトの前の「夏の夜の夢」から 序曲 Op.21

いいなぁ~!! メンデルスゾーン 広い広い 東京フォーラムのコンサート会場に鳴り響きます。

〆にこの曲を選んで正解です。

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満を持して、前橋さん。

若い頃、お互いに? 笑

前橋さんのコンサートにも良く足を運びました。


メンデルスゾーン ヴァイオリンコンチェルト、深紅の目に鮮やかなドレス。 小柄な前橋汀子さんですが、あの有名な…甘美なメロディが、ヴァイオリンから奏でられると、

すごい迫力。 若かった頃よりもずっとすごいかもしれない。

背骨のあばら骨の少し下あたりが、ぞくぞくして、気が付けばうっすらと汗汗でした。


いいな、いいな、

メンデルスゾーン、前橋さん。

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今年のラ・フォル・ジュルネ、

チケットが発売された時、本当は少し逡巡しました。

プログラムを見てもどうしても聴きたいというプログラムが見つからなかったのです。

きっと、以前の作曲家や国別のように、クラシック好きが単純に聞きたいという曲たちより、もっと一歩踏み込んだプログラムの作り方だったからなのでしょう。


買わないでおこうかなと? 一瞬思いましたが、

それでも、

この10年くらいずっと続いているし、継続は力だし?

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それで選んだ M312 とM313 、

ドボルザーク、ラフマニノフ、メンデルスゾーン でしたが、

やはり、行ってみて良かったです。 ドボルザーク、リスさん例年通り良い演奏でしたし、

マイブームのメンデルスゾーン、序曲も、前橋さんのコンチェルトも素晴らしかった。


池袋にまで地域を拡張した、ラ・フォル・ジュルネ。

東京フォーラムの会場は、例年になく落ち着いた感じでしたが、これって、

活気が薄れたというよりも、ラ・フォル・ジュルネに訪れる方たちの、

それぞれの時間の過ごし方が、

きっと上手になってきたということなのでしょう。


来年も、ラ・フォル・ジュルネ、 きっと行くんだろうなと ^^

" 2018/05/05 La Folle Journee Tokyo 2018 Un Monde Nouveau "
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Maria Joao Pires 4月17日サントリーホール:20180417 [音楽]

生涯忘れられない曲に…。

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4つの即興曲D935。

アレグロ・モデラート ヘ短調
アレグレット 変イ長調
アンダンテ 変ロ短調
アレグロ・スケルツァンド ヘ短調 

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シューベルトが死の前年、1827年12月に作曲した曲。

4曲それぞれ特徴があって、喜びも、苦しさも、諦念の感情も、

飛び跳ねるような楽しさ etc etc …。まるで、人の一生がそこに詰まっているかのような。


シューベルト、
じぶんも、たまにピアノソナタ、後期のものとかチャーミングな13番とかが好きで聴くけれど、

こんなに素敵な曲があるのは知りませんでした。

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2018年でコンサート活動をすべて終了すると発表し、4月の日本ツアー。

大好きなピリスのコンサートがもうこれっきりと聴き、4月12日と4月17日のサントリーホールでのチケットを
速攻でゲットしておきました。

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でも、なんと言うことだぁ~ ^^;

4月12日は仕事で行けなかったのです。会社、休んでやろうかと思いましたが…、それもならずで。

とにかく、17日は背水の陣。

会議がありましたが、出ていると間に合わなくなるので、かわいい後輩にそっと出席は譲って、
溜池山王まで銀座線で。 ^^;

とにかく、とにかく、
万難を排したおかげで無事サントリーホールにたどり着くことができました。

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17日の席は1階3列目のステージに向かって左側。

ピリスさんの表情も演奏の指もばっちりで、なんと言っても本当にピリスさんにものすごく近い席。

一音も逃さず、演奏の様子も全部記憶しておこうと思ってきている自分にとっては、まさに神の席でした。

演奏が始まる前の30分はドキドキの待ち時間。

これまでのどんなコンサートにもなかった、早く始まらないかな? でも、これで終わってしまうかと思うと、

まだいいけど…、 複雑でした。

期待と寂しさと、ないまぜの時間。

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でも演奏が始まれば、ピリスさんの音に引き寄せられてしまいました。

この日が最後とか、悲しいとか、そんな感情が吹っ飛んでしまい、ピリスさんの奏でる音の中にピュアに、
蜜に吸い寄せられる蜜蜂かプーさんみたいに、その中にとっぷりと。

ピリスさんなら、やはりMozart 、これだと思った曲。Mozart のピアノソナタから、12番と13番。

それにじぶんにとって初めて聴いて、忘れられない曲になった4つの即興曲 D935の3曲。

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Mozart と言えばピリスさん。
このMozart もコンサートではお別れなんだと思うと、やっぱり胸がいっぱいに。

明るい青空に、そっと薄い雲が流れていくような単調のさりげない寂しさ等、ピリスさんならでは…、
その他も全部もちろん良かったけれど、

特に13番の3楽章はまるでコンチェルトを聴いているような、そんな感じになりました。

ピリスさんのピアノの音たちの後ろから、オーケストラの音が聞こえてくるような感じに。

ピアノの音たちが一音一音キラキラと輝いて、そしてそれがコンサートホールの空中で混じり合って。

こんなMozart は今まで聴いたことがありませんでした。

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ただ、この日のメインの感動は20分の休憩をはさんで、後半のシューベルトでした。

D935、シューベルト晩年の作品「4つの即興曲」。

シューベルトのピアノ曲は村上春樹さんの小説を読んで教えてもらってから割と良く聴くけれど、D935は初めて。

チケットを買ってからかなり時間があったけれど、あえて聴かなかった。


そして、

素晴らしい演奏。じーーん、じーーーん、じじじーーーーん。


高音部と低音部の囁きあいがロマンチックなアレグロ・モデラート、

とても美しいけれど諦念のアレグレット…究極のピアニシモ、

詩情豊かなロザムンデの旋律バリエーション、もっともっと、終わらないでほしいアンダンテ

そして、最後の、

舞曲の様なパッセージ、躍動感あふれるアレグロ・スケルツァンド。


ほんとうにほんとうに、一音も逃さずに、そしてピリスさんの音たちにとっぷりと全身を浸してしまいました。

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アレグロ・スケルツァンドの最後の音が、コンサートホールに静かに静かに消え行ったあと、

この日、ここに集まったぼくらは、もうただただ感動。感激あるのみ。

いつまでも鳴りやまない万雷の拍手。

そして、一人、二人、三人・・・そして気が付けば自分も、ほとんど全員、立ち上がっての拍手です。

じぶんも生まれて初めてスタンディング・オーベーション。 素晴らしい演奏でした。これで最後かと思うと余計そう思えるけれど、それ抜きに、最後のシューベルトは、ものすごい演奏。

じぶんが聴いた中では、生涯No.1のコンサートです。

ピリスさん、ありがとう。本当に日本に来てくれて、サントリーホールで演奏してくれて、Mozart も素晴らしかったです。13番、改めて凄い曲なんだと分かったし、

何よりもD935 は素晴らしかった。 自分の大切な宝物になりました。


次の日も仕事でしたが、こんな日は飲まずにはいられません。帰りに買ってきたビールを1本、2本 etc etc…。

翌日は二日酔い気味でしたが、これはこれでよかったです?  ^^;


人は永遠ではないから、円熟してきて演奏は素晴らしくなるけれど、体調や心の状態やコンディションは若い頃とは決して同じではないから、

いつまでも「ing」ではいられないのですね。

いつかは、幕を引く時が誰にでも来るのですね。それは分かっているのだけれど、

でもでも、こんなに感動する音楽を聞かせてもらえたのは、ピリスさんだけです。

もっともっと、ずっと、せめてじぶんがなくなるまで、聴かせてくれたら良かったのにな。


ただ、後進の指導はこれからも続けられるのかな?  今回のツアーでも、教え子のリリット・グリゴリアンさんを別のコンサートですが4手のソナタの演奏のために連れてきていました。

リリット・グレゴリアンさん、

じぶんはこの前のCD、 戸川ひよりさんのヴィオラソナタ集のピアノで聴きました。 
リリットさんもピリスさんのお弟子さんなんですね。

ピリスさんの教えられたピアニスト、じぶんもこれから聴いていきたいと思います。


2018年4月17日の感動は永遠です。

そして、

シューベルト D935 も忘れられない曲になりました。 ありがとうピリスさん。絶対に忘れない。



" 2018/04/17 Maria Joao Pires Japan April,2018 Suntry Hall "
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松田華音 ピアノリサイタル:20171030 [音楽]

去年から気になっているピアニストがいます。
クラシックレーベルの老舗、ドイツグラムフォンからデビューアルバムが発売され、しかも、当時まだ18歳。

しかも、しかも、とても美人さんなピアニスト。 

近頃、天は二物をたくさんのピアニストに与えすぎているんだと思いますが、松田華音さんも、その一人。

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2枚目のアルバムの発売を記念し、

10月30日、東京オペラシティコンサートホールで「松田華音 ピアノ・リサイタル <第2弾 アルバム リリース記念>」が開催されました。


仕事が終わって急いでオフィスを飛び出して初台駅まで。

地上に出てみると、東京オペラシティコンサートホールも紅葉の季節。

夜空に黄色くなり始めた丸い葉っぱたちが舞い踊っているようで、とても可愛かった。

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「ぴあ」や「e+」のサイトを良く覗いているのですが、たまたま見つけたコンサートの情報。

残り僅かでしたが、なんとか前から3番目の席を一つ確保しておいたもの。

それと、このホールにははじめて来ました。

後で気が付きましたが、「題名のない音楽会」のホールなんですね。内部がまるでミラミッドのようで特色のあるホールでした。

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プログラムは、

チャイコフスキー(リスト編):ポロネーズ~「エフゲニー・オネーギン」
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」より10の小品Op.75
ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」

2曲目と3曲目が今回発売されたセカンドアルバムと同じ曲目。何度も鎌倉や横浜を散歩しながら聴いていた曲を、ライヴで聴くことができたのでした。

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一曲目のチャイコフスキーはウォーミングアップ? 。緊張しているのかな? 少し硬い感じがしましたが、

アルバムの曲プロコフィエフが始まると、何度も繰り返して聴いている、松田華音さんの音の世界。


リヒテル、ギレリス、ベルマン、etc etc …、偉大なロシアのピアニスト達を彷彿とさせる、
素晴らしいピアノの音がコンサートホール中に響き渡りました。

じぶんは、とっぷりとその中に浸かって身を任せるだけ。


ムソルグスキーでは、華奢な小さい体からこんなに巨大な音達がと、信じられないほどの骨太の音達が出現。

こんなフォルテ・フォルティッシモは聴いたことがありません。
ピアノの正式名称がピアノフォルテであることを、久しぶりに思い出すほどでした。

フォルテ・フォルテシモだけではもちろんなく、優しく奏でられた音達も、よく歌いとても素敵でした。

すごいピアニストがまた一人出現したんだなと実感しました。

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アンコールは、

ムソルグスキー 古典様式による間奏曲
パッヘルベル/藤満健 カノン

最後の曲は、じぶんも好きな曲ですか、華音さんの名前と同じ曲。

彼女のテーマ曲なのかなと?

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昔のことですが、今は日本人ピアニストのトップの一人である、仲道郁代さんがデビューした頃、

最初はビジュアルに誘われてコンサートに出かけていったのですが、演奏を聴いてその素晴らしさにびっくりしました。

松田華音さんのコンサート、仲道さんの演奏を初めて聴いた時のそんな感じを思い出しました。


これからの活躍がとても楽しみです。

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今度は他の曲たちも、ロシアだとラフマニノフやスクリャービンなど、

それからやはりショパンなども聴いてみたいな。

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ひさしぶりに、気に入りのパンを買って来てエビスビールと一緒に頂きました。

クロワッサンならエシレ、そしてバゲットならVIRON のレトロドール。

これが一番のお気に入りのパンたちですが、

この日はレトロドール。

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クラストはパリパリで香ばしく、クラムには気泡があってふわっとしています。

一口食べると小麦のにおいが口中に広がって、本当に美味しい。

ビールもですがやはり赤ワインとチーズがあると最高です。

また、VIRON のレトロドール買って来て、松田華音さんを聴きながら頂きたいなと思います。

" 2017/10/30 Kanon Matsuda Piano Recital "
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