ポール・アダム_ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密:20150426

漆黒の夜の湖の様、透明でどこまでも深く音色が部屋に響きます。

バッハ　ヴァイオリンパルティータ第２番　ニ短調　BWV1004　
加藤知子さんのオモボノ・ストラディヴァリウス

お酒がおいしい。

(加藤さんのストラディヴァリウスは息子の作品だそうてす)

意図した訳ではないのですが、パガニーニのDVD を見て
千住真理子さんのコンサートで、ストラディヴァリウス・デュランティの音色を聴いて、
そしてこの本たちにも出会いました。

弦楽器、不思議な楽器です。

どうして、1700年代に作られた古いものからこんなにも素敵な音が生まれてくるのでしょう。
新しく同じように作った楽器と音色が違うのでしょう。

ポール・アダムの小説「ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密」、

一作目の「ヴァイオリン職人の探求と推理」を横浜の有隣堂でお勧めポップに誘われて購入して読みましたが、とても面白かったので、続編であるこの本もわくわくしながら手に取りました。

主人公は、ジャンニ。

3人の子育てが終わり小学生くらいの可愛らしい孫も時々遊びに来る、最愛の奥さんを何年か前になくし、今はイタリアのクレモナ郊外に一人で暮らす60がらみのヴァイオリン職人です。

一作目では殺人事件、しかもジャンニの幼友達で趣味の弦楽四重奏のメンバーの殺人事件を追ううちに、ストラディヴァリウスの中でも大変な宝物、ストラディヴァリウス・メサイアの姉妹楽器の在り処を探すことになるというものでした。

二作目の「ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密」では、ナポレオンの妹がパガニーニに贈った宝石のヴァイオリンをめぐる連続殺人事件にジャンニも巻き込まれていきます。

前に書きましたが、このヴァイオリンが入っていた金の箱のダイヤルの暗号はパガニーニの楽譜に書かれている音階です( スコルダトゥーラが謎解きのカギでした )。クラシック好きにはたまらないジャンルの本たちだと思います。

主人公がヴァイオリン職人であることからクラシック音楽のこと、特にヴァイオリンの曲のことが本の中にたくさん出てくるのも魅力の一つ。

バッハのパルティータもその中の一曲でした。
本に触発されて久しぶりに一番も二番も聞きましたが、バッハは心の奥の、奥の方まで染み入ってきます。

ジャンニ、図らずも続けてヴァイオリンにまつわる殺人事件に巻き込まれてしまいますが(趣味の弦楽四重奏のメンバーに警察官がいる関係でもあります)、


「何時にミラノに戻る予定?」
「まだ考えていなかったわ」
「考えなくてもいいんだよ」

マルゲリータは顔を振り向け、わたしを見てほほえんだ。
「そうするわ」と、彼女は言った。

一作目の事件の際に出会った大学教授のマルゲリータとのほんのりとしたロマンスもこの本の魅力の一つ。

年をとっても素晴らしい出会いがあるのだなと、
幾つになっても男には美しい女性が必要なんだなと(笑)、そんなことも思いました。

作者ものってきて良い調子、三作目もきっと書かれるのだと思いますが、今度はどんな事件、どんな曲が出てくるのか、

そして、ジャンニとマルゲリータの淡い恋心がどうなるのかもとても楽しみです。


“ 2015/04/26 PAGANINI'S GHOST Paul Adam ”

コメント 36

こんばんは、コメントありがとうございます。

今年、初めて夜の彦根城を見ましたが、
お堀のライトアップはとても綺麗でした(^○^)

by tarou (2015-04-25 21:39) 

素敵な本に出合われて、それに触発されて音を聞き、…自分が好きな時間を過ごすうちに思わず竹鶴の瓶が転がりましたね。本のあらすじ伺ってなんか面白そうと思いましたが、これはクラシックに造詣が深い方がより楽しめる世界なんでしょうね。
by yuzuhane (2015-04-25 22:58) 

そう、歳をとっても求めていれば出逢いはありますね。
千住真理子さんが弾くストラディバリウスの音色聞いてみたいです。

by shino* (2015-04-26 08:55) 

音楽（楽器）が小説をより盛り上げ
読む方の気持ちも高揚しますね
五感を鍛えたいですね
by きよたん (2015-04-26 22:22) 

ピンっ！とくるモノにであえるとうれしいですね☆
なんかいいなあと思い始めてここもいいそこもいい
なんだかサイコー！ってなるモノをみつけると
まだまだ世の中いろいろあるぞーってうれしくなるです(・∀・｀)

by ふゆん (2015-04-27 01:54) 

幾つになっても男には美しい女性が必要・・・・確かにそうですよね
ウチでキーキー顔を見ていると余計にそう思い・・（以下自粛ーー；）
素晴らしい出会いかぁ・・・・・＝＝）

by さる１号 (2015-04-27 08:15) 

mozさん こんにちは。
無心になれるひと時ですね。
素敵な時間を過ごされていますね。
次はどんな出会いが待っているのかな
素敵な出会い。
ますます 楽しみが増えますね(*^_^*)

by Kiki (2015-04-27 10:52) 

幾つになっても男には美しい女性が必要なんだなと(笑)、そんなことも思いました。」同感です。
by soujirou-3 (2015-04-27 13:10) 

こんにちは。
素敵な本と出会った日は、ずっと幸せな気分に浸れますね。
素敵な曲にも浸れて、さらに至福。
by ピンキィモモ (2015-04-27 16:29) 

ストラウディヴァリウス　もの凄く素晴らしい名器だそうですね。
一度でいいから聞いてみたいです。
妙なる音色を・・・♫
by lamer (2015-04-27 18:18) 

mozさんがお好みの音楽を聴きながら「お酒がおいしい」は
私がカメラを磨いたり撮った画像を眺めながら飲む酒と
同じなんでしょうね～
・・とは言ってもmozさんのご趣味の方が
高尚な事には間違いないですけどね～(^^
by makkun (2015-04-27 21:15) 

深いけど、突っ込めない・・・（＾＾；
お酒呑んで音楽聴く部屋がほしいなー（＾＾；
その前に今の部屋を整理しろとカミナリ落ちそうですが・・・。
by けん (2015-04-27 22:08) 

面白そうな小説ですね。＾＾
昔、私の弟がバイオリンを習っていて、自宅での練習でのギィ～という音が
耳に焼きついていて、バイオリン曲を私からずっと遠ざけてました。＾＾；
でも最近バイオリンの曲も聴いていて、さすがに名手・名器の奏でる音
はいいなと思ってます。これからも、いろいろ聴いてみたいです。＾＾

by rappi (2015-04-27 22:20) 

私は弦楽器ではチェロが好きです。バイオリンの華やかな音もいいですが、チェロの落ち着いた低音が落ち着きます。
by takenoko (2015-04-28 05:30) 

こちらだったのですね。失礼しました。^^;
mozさんの世界観が懐かしくもとても新鮮で素敵だなって思います。
音楽とアートそして素敵なストーリーの融合 静かな語りに吸い込まれます。^^
今後ともよろしくです。
by ナビパ (2015-04-28 06:38) 

開いた本を写真に撮ると、知的な感じがするんですね。
私もこういう写真を載せたら、少しは知的なブログになるかな。
by さとし (2015-04-28 07:02) 

おはようございます、コメントありがとうございました。
　花の命は短いですね・・・
　花の木公園のツツジは
　連休まで持ちませんでした(>_<)

太田和つつじの丘が連休中に
見頃を迎えると思います(^○^)


by tarou (2015-04-28 07:36) 

tarouさん、こんばんは。こちらこそ、いつもありがとうございます。　^^
お城のライトアップきれいでしょうね。桜の時期だと尚更だと思います。
by moz (2015-04-28 20:23) 

yuzuhaneさん、^^;
良い音色を聴きながら、本を読んでいたら、いつの間にか竹鶴が転がっていました　笑
この本たち、お勧めです。音楽、特にヴァイオリンの曲が好きな人にはたまらない本たちだと思います。3冊目がとても楽しみです。
それだけでなくて、ジャンニの淡い恋もとても気になります。機会があればぜひ　^^
by moz (2015-04-28 20:23) 

shino*さん、この本を読んでほんとうにそう思いました。幾つになっても恋心ってあるのだな、素敵な出会いってあるのだなと。　^^
ジャンニの恋、どうなるのか楽しみです。
たぶん、ネットで探すと千住真理子さんのストラディヴァリウスあると思います。迫力あって透き通った音色ぜひ、聴いてみてください。　^^
by moz (2015-04-28 20:23) 

きよたんさん、ながら聴きは良くないのかもしれませんが、小説に出てくる曲を聴きながらだと、より本の理解が深まるような気がします。村上春樹さんの作品もそうですよね。
そうですね、五感を鍛えたいですね。もっとちゃんと聴けるようになりたいです。　^^
by moz (2015-04-28 20:23) 

ふゆんさん、受ける側がちゃんと受ける体制になっていないと見逃したりしてしまいますが、一つ見つけると関連して続いて行ってってことありますよね。そういう出会いってとても大切だし、貴重だと思います。自分の世界が広がります。そうそう、まだまだ世界も捨てたものではないなって　笑
ふゆんさんは見つけるのが上手です。見習いたいです。　^^
by moz (2015-04-28 20:24) 

さる1号さん、だと思うのです。
この本読んでいると、男性は女性に支えられているなと、そう思います。
笑　どこも同じかもしれません。以下自粛　笑　^^;
by moz (2015-04-28 20:24) 

Kikiさん、昔ほど(一晩で一冊読んでしまう等)集中して読書はできなくなっていますが、良い本に出会うとそれでも、色んなことを忘れて読んでしまいます。アルコールがあればなおさらです　笑
良い時間かどうかはわからないですが、良い音色、良い本でした。　^^
良い本や演奏にいつも会える訳ではないので、会えた時は本当にうれしいです。
by moz (2015-04-28 20:24) 

soujirou-3さん、同感して頂いてありがとうございます　m(__)m 笑
本を読んでいてそう思いました。
by moz (2015-04-28 20:24) 

ピンキィモモさん、こんばんは。 ^^
なかなか最近は良い本に巡り合いません。もしかすると大量に出過ぎなのかもしれないです。そんな中、素敵な一冊に出会えるととてもうれしいですよね。
今回は作品に出てくる曲も一緒に聴きましたが、より作品の中に入っていけたように思いました。バッハもいいですね　^^v
by moz (2015-04-28 20:25) 

lamerさん、ストラディヴァリウスも幾つかあってそれぞれで音色が違うそうです。千住さんのストラディヴァリウス・デュランティは迫力があって心の奥まで響いてくるような音色でした。加藤知子さんのものは、もっと透明で繊細な音がしています。聴き比べも楽しいかもしれませんね。ぜひ、お聞きになってください。　^^
by moz (2015-04-28 20:25) 

makkunさん、そうですね、きっと同じだと思います。ぼくもカメラを手入れしながらアルコールを頂くこともあります ^^
好きなものと頂くお酒はいつもとは違って、一層美味しくいただけますね。
いえいえ、高尚なんてことはないです。好きなものはそれぞれ大切ですよね。　^^v
by moz (2015-04-28 20:25) 

けんさん、いえいえ、書き方を替えると本を読みながら部屋に籠って飲んだくれていた～ってことですから　^^;
部屋は、ぼくも同じです。音楽聴くときは掃除をすることにはしていますが、あまり変わりません。 ^^;
GW には、掃除、しなくては　^^;
by moz (2015-04-28 20:25) 

rappiさん、おもしろい作品でした。2冊目は特に!! 機会があればぜひ ^^v
そうなんですね。弟さんが習われていたんですね。素敵なお内ですね。
ヴァイオリンやチェロは不思議な楽器だと思います。なぜ古い楽器が良い音なのか?
ストラディヴァリウスをはじめ色々ともっとたくさんの楽器を聴いてみたいです。
by moz (2015-04-28 20:26) 

takenokoさん、ぼくもチェロも好きです。ヴァイオリンに比べてとても柔らかい優しい音色がしますね。バッハとかエルガーとか、この前聴いたコダーイもいいですね。　^^
by moz (2015-04-28 20:26) 

先日機会があって千住真理子さんのコンサートに行ってきました。
クラッシックにはあまり詳しくないので、ただただうっとりと聴いてきました。一緒に行った友人はグッグッグッと入り込んでいましたが＾＾
この本、その友人にも紹介したいと思います。
by タックン (2015-04-29 14:03) 

ナビバさん、すいません・・・、ご訪問いただきありがとうございます。
いえいえ、とんでもないです・・・　^^; ただの日記とぐだぐだの記録ですので ^^;
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。 m(__)m
by moz (2015-04-30 05:53) 

さとしさん、いえいえ、知的かどうかは???? ですが、記事で触れたことが書いてあるところを写して載せました。　^^;
知的なブログにはなっていないと思います。
ぐだぐだの記録です　^^;
by moz (2015-04-30 05:55) 

tarouさん、おはようございます。　^^
こちらこそ、いつも本当にありがとうございます。
そうなんですね、ツツジも見頃の時期は短いのですね。ちょっと残念ですね。
でも、次の場所がまた　^^v
by moz (2015-04-30 05:56) 

タックンさん、そうなんですね、千住真理子さんのストラディヴァリウスをライヴで聴かれたんですね。　^^
やっぱり、ライヴは良いですよね。体全体で聴くことができますよね。
面白い本でしたので、お友達にも是非 ^^v
by moz (2015-04-30 05:58)