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マティス展_東京都美術館 & 原田マハ_ジヴェルニーの食卓:20230624 [展覧会]

今年3つ目の展覧会。

佐伯祐三展、エゴン・シーレ展(二人とも大好きな画家さん)と見てきて、3つ目はマティス展でした。

そして、二人の画家の展覧会を超えて、今年一番気に入った、新しい気付きをもらえた素晴らしい展覧会でした、

マティス展。

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3つの気づきがありました。

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一つ目、

マティスって静寂、静謐・・・。ある種、大好きなフェルメールに通じるものがあるんだなと。

永遠の一瞬の閉じ込め。永遠の静謐。永遠の光。

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今迄、フォービズムというネーミングにとらわれ過ぎて、先入観、ステレオタイプ。

そのメガネを通して見ていたのだと思います。

≪ 夢 1935年 ≫
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でも、この日、久しぶりにまとめてマティスの作品を見て、そういう束縛から自由になって、

今までとは全然違った認識になりました。

この雰囲気、キャンバスからの魅力の色彩たち・・・、今、マティスが大好きです。 

≪ 赤の大きな室内 1948年 ≫
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二つ目、

マティスの構成力ってすごい。

この椅子はこの位置、この線はここしかないというくらいに画面のどこ一つ取っても動かせない位。

それはそこしかないんです。縦と横の直線で構成されている作品たちも・・・、いいなぁと。

≪ 黄色と青の室内 1946年 ≫
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三つ目、

デザインとレイアウト、それらから飛び切りの魅力的なフォルムを作り出していること。

デザイナー、ポスター作者の様な、今見てもうっとりするような斬新さ大胆さ。

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展示されている作品、全てが素敵だったのですが、特に気に入ったのは「夢」、「赤の大きな室内」、

「マグノリアのある静物」(マグノリアの花瓶どこかで見たような記憶がありました??)、

デッサン画の「コレット」。

≪ マグノリアのある静物 1941年 ≫
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そうそう、4つ目もありました。

コレットやそのほかの線描画を見て、マティスの線がとても好きになりました。

マティスだけにしか画けない線。時にクールで時にセクシーで、優しい線・・・とても気に入りました。

≪ パイプをくわえた自画像 1919年 ≫
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帰って来て、そう言えば?

確か原田マハさんがマティスのことを書いていたなぁと思い出し、

「ジヴェルニーの食卓」の最初のお話し「うつくしい墓」を読み返しました。

マグノリア、マグノリア・・・、マグノリア。

≪ 眠る女性 1942年 ≫
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そうでした、展覧会で見た花瓶に活けられているマグノリア、このお話しで読んだことがあったのでした。

21歳の家政婦マリアから見た、最晩年のマティスのことが描かれた作品で、この展覧会で見たマグノリアと花瓶が、

マティスとマリアの出会いの大切な役割を果たしています。

≪ コレット 1950年 ≫
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マリア
「翡翠色の花瓶。清々しい薄緑色。上部はふっくらと胸を張る鳩にも似て、下はすっきりと貴婦人の腰のごとく引き締まっている。模様はなく、マグノリアの大きな白い花とつやのある葉を活ければ、均整の取れた華やかな帽子の様に見えるはず。」

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マティス
「君はどうしてその花瓶をえらんだのかね。」

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マリア
「この花をこの花瓶に活ければ、先生が恋をなさるのではないかと。」

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「先生が恋をなさるのではないかと」・・・、なんて素敵な言葉なのでしょう。

そして、展覧会を見て思ったのは、きっとマティスは本当に被写体に恋をしているんだろうなぁと。

展覧会で見た花瓶のマグノリア・・・、そして、原田マハさんのこの作品・・・。

マティスのマグノリア・・・、忘れられない作品になりました。

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4人の画家のことを書いた短編が4つ、「ジヴェルニーの食卓」・・・、とても素敵な本。

何回も読み返しています。

この本を読んでモネのことが好きになりましたし、

マティス展に行って来て、「うつくしい墓」を読んで、ますますマティスのことが好きになりました。

≪ 出口付近にあったガシャポンのピンバッジです w ≫
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やはり、今更ながらですけれど、

先入観葉を捨てて、実際にじぶんで見たり聴いたりして、じぶんの言葉、思いとして持たないといけないのだなと、

マティス展に行って改めて強く思いました。

" 2023/06/24 HENRI MATTISE The Path to Color & Une table de Giverny"
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