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横浜の港_黎明&Ebene Quartet_Debussy:20200822 [横浜のみなと]

何度もトライしてようやく。

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前の日の夜、iphone が何時にアラームと聴いてきたので、いつもの時間?

でも、

何回もやめてしまったけれど「今回は」と、

siri に3時50分に起こすように頼みました。

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2度、3度と休みになるたびに出かけてみようと、アラームの時間に目は覚ましましたが、

「前の日に飲み過ぎた」とか、「今週は忙しくて疲れたから」とか etc etc …。

結局、ステイホームが癖になっていて、又は、出かけるのは何となく不安でもあって、

色々な理由を付けてそのままに。


でも、ようやく、8月22日の土曜日に意を決して? 出かけてみようと。


顔を洗って、ゴールドブレンドを飲んで、

デバッグには、E-M1Mr2 に50-200、E-M1 に12-40。

Walkman にはドビッシーの弦楽四重奏。ドビッシーって時々聴きたくなります。ベートーベンやブラームスなどを聴いていた後は特に。


純粋に音達の響きあい、煌めきを聴きたくなる時はドビッシー。

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桜木町の駅に降り立つと、

水平線からオレンジ色の光たちがにじみ始めている、ちょうどそんな時間でした。

真夏ですが、朝の風はなんて心地よいのでしょう。


ドビッシー唯一の弦楽四重奏ト短調Op.10

第一楽章 Animé et très décidé(活き活きと、きわめて決然として)

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どことなく、エスニックのような東洋風なような…、トリルがくるくる、くるくる…。

風が舞っているかの様。

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黎明の横浜の港、

透き通ったガラスの様に輝く空と海。

しかも一瞬、その一瞬で、万華鏡の様に色彩は変化していきます。

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カモメや鵜たちが、

夜明けを待つパステルの光たちの中を、気持ち良さそうに飛んでいきます。

風きり音が伝わってくるよう…、清々しい朝の音達は元気で、心地よい。

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第二楽章 Assez vif et bien rythmé(かなり急速に、とてもリズミカルに)

軽妙な弦のピッチカートの中で、民族衣装を着けた踊り子が舞っているかの様。ヴァイオリンがスカートのすそを翻すかのように ♪

思わず体がリズムに合わせて…、すると、一層、水平線が煌めいたかと思うと、

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まん丸の太陽が、

まわりの大気を揺らめかせて、赤く燃え立たせて…、


8月22日の横浜の日の出です。

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第三楽章 Andantino, doucement expressif(アンダンティーノ、甘く表情豊かに)

なんて、

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甘くて、切ないメロディーなんだろう…、美しい弦の響き。

キラキラと響きあって揺らめいて、滲みあって、

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日の出のこの刹那、

この一瞬がとてもとても愛おしく感じられました。

ヴァイオリンの高音に心まで揺さぶられて、音達に風たちに身を任せて…。

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ヴァイオリンとビオラとチェロのピアニシシモ、美しい最弱音の重なり、

第三楽章の最後の音達が、

煌めく波のグラデーションの間へと…溶け込んでいきました。

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しばらくぶりの美しい日の出の光景。

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やっぱり、もっと早くに来ていればよかった。

色々な心配。

こころの活力の減退…、そんなものたちに負けていたのかなと思いました。

輝きと煌めきはやはり美しいのだなと。

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第四楽章 Très modéré - Très mouvementé - En animant peu à peu - Très mouvementé et avec passion(きわめて穏やかに - きわめて躍動して - 少しずつ動きを付けて - きわめて躍動して、かつ情熱的に)

チェロが静かに歌いだして、四楽章が始まります。

生まれたばかりの太陽の光たちが、海面を穏やかに伝わって輝きだします。

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4つの弦が交わって、弾けて、遠ざかって、また一つになって、

光は影とシルエットを作って、その中でまた輝いていく。

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ホモフォニックにフィナーレの旋律を奏で、曲を締めくくっていきます。

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金色の輝く空と海。

ドビッシーの色彩溢れる弦楽四重奏を聴きながら、穏やかな横浜の海を眺めてくることができました。


どの季節、どの時間に来ても、ここでは素敵な景色を見させてもらうことができますが、

パステルの色彩を見るのなら夏の朝です。

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この煌めき、ピュアな光と心地よい風たち、

それに、それらと戯れる鳥たちに会うことができるのですから。

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夏の海の輝きは、モネ「印象 日の出」のようでもあり、

ドビッシーの音達は、印象派の絵画に良く似合うなと思いました。


次はドビッシーのオーケストラの曲を連れてこようかなと。

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家に帰って、シャワーを浴びてから、成城石井さんで買ってきて冷やしておいた白ワインを頂きました。

ラブリュンヌ・エ・フィス シャルドネ 1,500円位の値段でした。

軽くてフルーティ、シャープな感じの白ワイン。初めはこのまま頂いていたけれど、その後、

氷をグラスの中にザクザク入れて、くいくいと頂いてしまいました。

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YouTube を覗くと、ちょうどこの日に連れて行った、エベーヌ四重奏団の演奏がアップされていました。

各楽章とも一つずつとなっていますので貼っておきます。

第一楽章 Animé et très décidé(活き活きと、きわめて決然として)


第二楽章 Assez vif et bien rythmé(かなり急速に、とてもリズミカルに)


第三楽章 Andantino, doucement expressif(アンダンティーノ、甘く表情豊かに)



第四楽章 Très modéré - Très mouvementé - En animant peu à peu - Très mouvementé et avec passion(きわめて穏やかに - きわめて躍動して - 少しずつ動きを付けて - きわめて躍動して、かつ情熱的に)

エベーヌ弦楽四重奏団 (Ebene Quartet)

1999年にフランスのブローニュ=ビヤンクール地方音楽院在学中の4人によって結成された弦楽四重奏団。

エベーヌとは黒檀を意味し、黒檀は弦楽器や、管楽器の指板などに使われ、クラシックだけでなく色々な音楽に関心を寄せる、という意味を込めて名付けたそうです。

ヴィオラ担当が抜けていましたが、ようやく最近メンバー(マリー・シレム)が決まったとのこと。
又、今年のベートーベンイヤーを記念して、ベートーベン弦楽四重奏曲全集を発売したばかり。

こちらも聴いてみたいです。

" 2020/08/22 Yokohama Port sunrise & Debussy String Quartet "
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