至上の印象派展_ビュールレ・コレクション:20180225 [展覧会]
2018年も、もう3月。
どたばたとしていたら、ひな祭りも終わっていました。
光陰矢の如しの通りだと思いますが、年とともにそれは加速し、最近ではワープ以上になっているのではと ?
ブログも放置のままで、なんとなく期末で焦っているこの頃ですが、
2月の最後の日曜日、友達と今年2つ目の展覧会に行ってきました。
今年は「絶対に行く展覧会」を予め決めてあります。
計画通りの2つ目は、
乃木坂、新国立美術館で開催されている「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」展。
乃木坂駅のいつもとは違った出口から出で、美術館の正面 から入ってみました。
いつもと違う出口から出て、いつもと違う景色を眺め、ここでいいのかと思いながら歩き・・・、
ほんの少しの些細なことですが、何だか新国立美術館も新鮮に感じました。
日常とか、いつもとか、少しだけ変えてみるのも良いものかもしれません。
友達からは「外でたばたば」のメールが。「いつからまた吸い始めたんだ~!! 」聞くと、
「暇だから」との返事 ^^;
ちなみに自分は36歳でやめて、それからは吸っていません。
後で理由を聞いてやろう !! などと思いながら美術館の前で合流しました。
ビュールレ展、
エミール・ゲオルク・ビュールレは、実業家として成功して(武器を扱っていました)、心の拠りどころとして美術作品を収集し、チューリヒにある邸宅の隣の別棟に飾っていたとのこと。
お金持ちって、心の豊かさを満たすために美術品をコレクションにすることが多いですね。
死後、別棟は美術館として一般公開されましたが、スイス国外にコレクションが公開されたのは過去に数回のみなのだそう。
また、2008年に4点の絵画盗難事件があり、それ以来一般公開が規制され、2020年にチューリヒ美術館に全コレクションが移管されることになりました。
ビュールレコレクションとして鑑賞できることも貴重ですし、コレクション全体が見渡せるのは今回が最後の機会になるのですね。
それなら尚更、ビュールレさんのコレクションはどれどれ? そんな感じで展示室に入りました。
« アングル夫人の肖像 アングル 1814年 70×57 »
最初のコーナーは肖像画でしたが、友達との最初の感想は、
「質がいい」
「そうだね、質の高さを感じるね」。
« ピアノの前のカミュ夫人 ドガ 1869年 139×94 »
友達とは確か昨年末の「ゴッホ展」以来なので、一緒に絵を見るのは3か月ぶりになるのかな?
一人で好きな作品に会って、色々な話をするのも勿論良い時間ですが、
友達と同じ作品を見て機会を共有し、感じたことをその場で、又は食事や美味しいお酒とその後で、
語り合うのはとても楽しい時間です。
何十年来の友達ですが、こんな友が持てたこと、人生と言うと大げさですが、
今まで生きてきた中で大切な宝物だな。
« 燕 マネ 1873年 65×81 »
ビュールレコレクション展、
ルノワールの「イレーヌ嬢」、セザンヌの「赤いチョッキの少年」等をはじめ印象派の名画を中心とする展覧会。
いくつかの章に分かれていました。「肖像画」「ヨーロッパの都市」「19世紀のフランス絵画」「印象派の風景」「印象派の人物」etc etc ・・・。
最初の章を見ての感想の一言が「上質」でした。
収集家ビュールレさんの審美眼、センスの良さを感じました。
« 雪のサン=ミシェル橋、パリ マティス 1897年 65×81 »
それからもう一つ、
この画家がこんな絵も描いているんだ。
ドガの肖像画や、マティスの赤や緑でない普通の? 風景画や、マネのフクロウの画 etc etc ・・・。
同じくマネの「燕」も気に入った作品。
前景の黒と白のドレスの女性、遠景には風車や塔が見える街の風景。
ぽっかりと空いた中景は何となく殺風景かなと思うと、タイトルの燕がスーッと飛んでいきます。
燕が低く飛ぶと雨が降るとか・・・。
青空ですが、雲も出てきて、この後、女性たちはどうなるのかな? 想像が膨らみました。
今まで見たことのない、自分の画家のイメージからは意外にも思える作品が何点かあって新鮮でした。
« ワシミミズク マネ 1881年 97×64 »
そして、
「イレーヌ」は本当に可愛い !!
ルノワールの他の作品も、女性の肖像画が何点か展示されていましたが、肌や髪の感じ、
一本一本丁寧に描かれたまつ毛。
明らかにイレーヌは描かれ方が違っていました。
« 赤いチョッキの少年 セザンヌ 1888-90年 79.5×64 »
今風の女の子、現代のアニメなどに登場しても十分に美少女役が務まるのではと、友達と絵の前で話したり。
ルイ・カーン・ダンヴェール伯爵の長女イレーヌ、当時8才。
天使の様に愛らしいイレーヌ。
でも、生涯は決して幸せな時ばかりではなかったようです。
19歳で31歳の銀行家と結婚(政略?)。10年後に破綻(ご主人の不倫?)。
その後、再婚しましたが、やはり離婚(男運悪いのでしょうか?)。60歳代で第2次世界大戦が始まり、ユダヤ系であったため、娘と孫と妹はアウシュビッツで命を落としてしまいます。
イレーヌは改宗していたことと、名前をイタリア風に(再婚の相手がイタリア人)変えていたため最悪の事態は免れたようです。
91歳まで長生きをして1963年に亡くなりました。
画はナチスのゲーリングが盗んでいたのでしょう、所有していましたが、戦後返還されて1946年オランジェリー美術館に。
その後、所有権が認められてイレーヌの元に戻ります(イレーヌは当時74歳。映画の黄金のアデーレの様です)。
その後にビュールレ氏に買い取られ、そのコレクションに。
こんなことを知ると、ただ可愛いだけのイレーヌではなくなるのかもしれないけれど、
でも、ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」はそれでも、ずっと美少女なんだなと。
そうであるべきだと。
来歴を知り、この絵のことがもっと好きになりました。
« イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢 ルノワール 1880年 65×54 »
最後にもう一枚気になった絵がありました。
最初に載せておいた「アングル夫人の肖像」です。
一目見て気になってしばらく友達には悪かったけれど、絵の前で一人で佇んでいました。
アングルの奥さんの肖像画であり、顔は完成しているものの、他のアングルの作品と比べれば、洋服や背景は未完成なのだと思います。
アングルが自分の手元に大切に置いておいた作品なのでしょう。
アングルは奥さんをとっても愛していたのだそうです(1813年結婚 1849年にマドレーヌ死去)。その最愛の妻マドレーヌはアングルを残して先に亡くなってしまったとのこと。
作品からは私的な愛情、やさしさや愛おしさの様な感情が伝わってくる感じがしました。
デトロイト美術館展で見たセザンヌ夫人の肖像画も好きですが、この絵もいいな。
「イレーヌ」は素敵な作品でしたが、アングル夫人の肖像もとても気に入りました。
« 日没を背に種をまく人 ゴッホ 1888 73×92 »
ゴッホも良い感じの作品が展示されていました。
じぶんが気に入ったのはこの絵、「古い塔」でした。ゴッホ展で見た佐伯雄三の画を思い出しました。
« 古い塔 ゴッホ 1884 47.5×55 »
ゆっくりと二人で話ながら、またはお互いに一人で、
ビュールレさんの確かな審美眼で収集された絵画たちを楽しむことができました。
この日見た絵は、コレクションとしてはみんな離れ離れになってしまうみたいですが、素敵な絵画たち、
その内に、またどこかで再会するのかもしれません。
このポストカードは、展覧会が始まって何日かの限定で、入場者に配られたもの。
「イレーヌ嬢の肖像」非売品です。ゲット !! ^^v 気に入りました。
お腹が空きました。
友達と絵画鑑賞の後は、お決まりのホームグラウンド秋葉原へ。
昔からのたまり場は少なくなってしまって、秋葉ヨドバシ等に行くことも多くなりましたが、この日は昔からある「雁川」さんで、定番の牛筋の煮込みを頂きました。
とろとろの煮込みを白いご飯の上にかけてかっ込みます。ふーっ、生き返る (笑)。
「雁川」さん、どうもテレビで紹介された様でものすごい混みよう。
いつもと違い過ぎて、びっくりしました。
でも、味はいつものまま、美味しかったです。
" 今年絶対見る展覧会 "の2番目、
ビュールレ・コレクション展を友達と楽しむことができました。
上質の絵画。
イレーヌお嬢にも会えたし、思いがけなかったけれど、アングル夫人にも会うことができました。
次の展覧会。
リストアップしていなかったのですが、ターナー展があることを知り、前売り券を買いました。
娘がターナーが好きなので、今度は娘と二人で出かける予定です。
そうそう、止めていた友達のタバコ。
再び吸い始めたみたいなのですが、「特に理由はない !! 」ときっぱり。 笑
嗜好品ですから、好きなようにです !!
いつもと違うこと。
いつもと違う出口から出たり、
いつもと違う路を歩いて、いつもと違う景色を見たり、
健康には良くないけれど、タバコを吸ってみたり、etc etc …。
たまには色々なこと、
シンコペーションをしてみるのも、アクセントになっていいのかな。^^v
" 2018/02/25 Buhrle Collection "
どたばたとしていたら、ひな祭りも終わっていました。
光陰矢の如しの通りだと思いますが、年とともにそれは加速し、最近ではワープ以上になっているのではと ?
ブログも放置のままで、なんとなく期末で焦っているこの頃ですが、
2月の最後の日曜日、友達と今年2つ目の展覧会に行ってきました。
今年は「絶対に行く展覧会」を予め決めてあります。
計画通りの2つ目は、
乃木坂、新国立美術館で開催されている「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」展。
乃木坂駅のいつもとは違った出口から出で、美術館の正面 から入ってみました。
いつもと違う出口から出て、いつもと違う景色を眺め、ここでいいのかと思いながら歩き・・・、
ほんの少しの些細なことですが、何だか新国立美術館も新鮮に感じました。
日常とか、いつもとか、少しだけ変えてみるのも良いものかもしれません。
友達からは「外でたばたば」のメールが。「いつからまた吸い始めたんだ~!! 」聞くと、
「暇だから」との返事 ^^;
ちなみに自分は36歳でやめて、それからは吸っていません。
後で理由を聞いてやろう !! などと思いながら美術館の前で合流しました。
ビュールレ展、
エミール・ゲオルク・ビュールレは、実業家として成功して(武器を扱っていました)、心の拠りどころとして美術作品を収集し、チューリヒにある邸宅の隣の別棟に飾っていたとのこと。
お金持ちって、心の豊かさを満たすために美術品をコレクションにすることが多いですね。
死後、別棟は美術館として一般公開されましたが、スイス国外にコレクションが公開されたのは過去に数回のみなのだそう。
また、2008年に4点の絵画盗難事件があり、それ以来一般公開が規制され、2020年にチューリヒ美術館に全コレクションが移管されることになりました。
ビュールレコレクションとして鑑賞できることも貴重ですし、コレクション全体が見渡せるのは今回が最後の機会になるのですね。
それなら尚更、ビュールレさんのコレクションはどれどれ? そんな感じで展示室に入りました。
« アングル夫人の肖像 アングル 1814年 70×57 »
最初のコーナーは肖像画でしたが、友達との最初の感想は、
「質がいい」
「そうだね、質の高さを感じるね」。
« ピアノの前のカミュ夫人 ドガ 1869年 139×94 »
友達とは確か昨年末の「ゴッホ展」以来なので、一緒に絵を見るのは3か月ぶりになるのかな?
一人で好きな作品に会って、色々な話をするのも勿論良い時間ですが、
友達と同じ作品を見て機会を共有し、感じたことをその場で、又は食事や美味しいお酒とその後で、
語り合うのはとても楽しい時間です。
何十年来の友達ですが、こんな友が持てたこと、人生と言うと大げさですが、
今まで生きてきた中で大切な宝物だな。
« 燕 マネ 1873年 65×81 »
ビュールレコレクション展、
ルノワールの「イレーヌ嬢」、セザンヌの「赤いチョッキの少年」等をはじめ印象派の名画を中心とする展覧会。
いくつかの章に分かれていました。「肖像画」「ヨーロッパの都市」「19世紀のフランス絵画」「印象派の風景」「印象派の人物」etc etc ・・・。
最初の章を見ての感想の一言が「上質」でした。
収集家ビュールレさんの審美眼、センスの良さを感じました。
« 雪のサン=ミシェル橋、パリ マティス 1897年 65×81 »
それからもう一つ、
この画家がこんな絵も描いているんだ。
ドガの肖像画や、マティスの赤や緑でない普通の? 風景画や、マネのフクロウの画 etc etc ・・・。
同じくマネの「燕」も気に入った作品。
前景の黒と白のドレスの女性、遠景には風車や塔が見える街の風景。
ぽっかりと空いた中景は何となく殺風景かなと思うと、タイトルの燕がスーッと飛んでいきます。
燕が低く飛ぶと雨が降るとか・・・。
青空ですが、雲も出てきて、この後、女性たちはどうなるのかな? 想像が膨らみました。
今まで見たことのない、自分の画家のイメージからは意外にも思える作品が何点かあって新鮮でした。
« ワシミミズク マネ 1881年 97×64 »
そして、
「イレーヌ」は本当に可愛い !!
ルノワールの他の作品も、女性の肖像画が何点か展示されていましたが、肌や髪の感じ、
一本一本丁寧に描かれたまつ毛。
明らかにイレーヌは描かれ方が違っていました。
« 赤いチョッキの少年 セザンヌ 1888-90年 79.5×64 »
今風の女の子、現代のアニメなどに登場しても十分に美少女役が務まるのではと、友達と絵の前で話したり。
ルイ・カーン・ダンヴェール伯爵の長女イレーヌ、当時8才。
天使の様に愛らしいイレーヌ。
でも、生涯は決して幸せな時ばかりではなかったようです。
19歳で31歳の銀行家と結婚(政略?)。10年後に破綻(ご主人の不倫?)。
その後、再婚しましたが、やはり離婚(男運悪いのでしょうか?)。60歳代で第2次世界大戦が始まり、ユダヤ系であったため、娘と孫と妹はアウシュビッツで命を落としてしまいます。
イレーヌは改宗していたことと、名前をイタリア風に(再婚の相手がイタリア人)変えていたため最悪の事態は免れたようです。
91歳まで長生きをして1963年に亡くなりました。
画はナチスのゲーリングが盗んでいたのでしょう、所有していましたが、戦後返還されて1946年オランジェリー美術館に。
その後、所有権が認められてイレーヌの元に戻ります(イレーヌは当時74歳。映画の黄金のアデーレの様です)。
その後にビュールレ氏に買い取られ、そのコレクションに。
こんなことを知ると、ただ可愛いだけのイレーヌではなくなるのかもしれないけれど、
でも、ルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」はそれでも、ずっと美少女なんだなと。
そうであるべきだと。
来歴を知り、この絵のことがもっと好きになりました。
« イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢 ルノワール 1880年 65×54 »
最後にもう一枚気になった絵がありました。
最初に載せておいた「アングル夫人の肖像」です。
一目見て気になってしばらく友達には悪かったけれど、絵の前で一人で佇んでいました。
アングルの奥さんの肖像画であり、顔は完成しているものの、他のアングルの作品と比べれば、洋服や背景は未完成なのだと思います。
アングルが自分の手元に大切に置いておいた作品なのでしょう。
アングルは奥さんをとっても愛していたのだそうです(1813年結婚 1849年にマドレーヌ死去)。その最愛の妻マドレーヌはアングルを残して先に亡くなってしまったとのこと。
作品からは私的な愛情、やさしさや愛おしさの様な感情が伝わってくる感じがしました。
デトロイト美術館展で見たセザンヌ夫人の肖像画も好きですが、この絵もいいな。
「イレーヌ」は素敵な作品でしたが、アングル夫人の肖像もとても気に入りました。
« 日没を背に種をまく人 ゴッホ 1888 73×92 »
ゴッホも良い感じの作品が展示されていました。
じぶんが気に入ったのはこの絵、「古い塔」でした。ゴッホ展で見た佐伯雄三の画を思い出しました。
« 古い塔 ゴッホ 1884 47.5×55 »
ゆっくりと二人で話ながら、またはお互いに一人で、
ビュールレさんの確かな審美眼で収集された絵画たちを楽しむことができました。
この日見た絵は、コレクションとしてはみんな離れ離れになってしまうみたいですが、素敵な絵画たち、
その内に、またどこかで再会するのかもしれません。
このポストカードは、展覧会が始まって何日かの限定で、入場者に配られたもの。
「イレーヌ嬢の肖像」非売品です。ゲット !! ^^v 気に入りました。
お腹が空きました。
友達と絵画鑑賞の後は、お決まりのホームグラウンド秋葉原へ。
昔からのたまり場は少なくなってしまって、秋葉ヨドバシ等に行くことも多くなりましたが、この日は昔からある「雁川」さんで、定番の牛筋の煮込みを頂きました。
とろとろの煮込みを白いご飯の上にかけてかっ込みます。ふーっ、生き返る (笑)。
「雁川」さん、どうもテレビで紹介された様でものすごい混みよう。
いつもと違い過ぎて、びっくりしました。
でも、味はいつものまま、美味しかったです。
" 今年絶対見る展覧会 "の2番目、
ビュールレ・コレクション展を友達と楽しむことができました。
上質の絵画。
イレーヌお嬢にも会えたし、思いがけなかったけれど、アングル夫人にも会うことができました。
次の展覧会。
リストアップしていなかったのですが、ターナー展があることを知り、前売り券を買いました。
娘がターナーが好きなので、今度は娘と二人で出かける予定です。
そうそう、止めていた友達のタバコ。
再び吸い始めたみたいなのですが、「特に理由はない !! 」ときっぱり。 笑
嗜好品ですから、好きなようにです !!
いつもと違うこと。
いつもと違う出口から出たり、
いつもと違う路を歩いて、いつもと違う景色を見たり、
健康には良くないけれど、タバコを吸ってみたり、etc etc …。
たまには色々なこと、
シンコペーションをしてみるのも、アクセントになっていいのかな。^^v
" 2018/02/25 Buhrle Collection "