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のだめと「ラフマニノフ_ピアノコンチェルト第2番」20201011 [音楽]

少し前に二ノ宮知子さんの「のだめカンタービレ」の再放送がありました。

確か2006年の放送でしたから。14年前の作品ですけれど、

再放送を見て懐かしいとともに、今でもちゃんと通用するなと思いました。

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のだめのドタバタも楽しいし、ドラマに出てくるクラシックの音楽、

千秋たちの一生懸命の演奏は、知らず知らずのうちに感動してしまって…、

はまりっぱなしで、ドラマを見ていました。

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その中ても、

第5話、千秋がシュトレイゼマンの指揮でラフマニノフのピアノコンチェルト第2番を演奏するお話。

ラフマの2番はラフマニノフがスランプとうつ病から抜け出すきっかけとなった名曲ですけれど、

千秋のピアノとドラマとラフマニノフのことが、色々と思われて、背中の辺りがジ~ンジ~ン。

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のだめのドラマを見てから、古いコミックスを探してマンガも読み直しましたし、

せっかくだからと?

ラフマPコン2番のCD の風干し。

何枚もあるので、今回はマエストロのものはやめて若手とあまり聞いていないものを10枚くらいピックアップです。

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色々聴く前に…、

本家本物、作曲者であるセルゲイ・ラフマニノフの演奏を先ず !!

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ラフマニノフは1873年生まれで亡くなったのは1943年。自ら演奏した録音がちゃんと残っているんです。

1929年にレオポルト・ストコフスキーが指揮をしてオーケストラはフィラデルフィア管弦楽団。

第一楽章 9:45  第二楽章 10:40  第三楽章 10:52 

参考までに演奏の時間を書いておこうと思います。じぶんがラフマの2番で一番気に入っている演奏の小沢さんとツィマーマンは、

第一楽章 11:46  第二楽章 12:15  第三楽章 11:34。ラフマニノフ自身の演奏はかなり早めのテンポであることが分かると思います。

ストコフスキーの指揮もあるのでしょうが、演奏は推進力があってぐんぐん進んでいく感じです。

でも、ラフマニノフの演奏はとってもロマンチック ♪ 聴かせどころではテンポを変えてルバート、アゴーギク。

久しぶりに本家の演奏を聴きましたが、やはりラフマニノフはすごい作曲家だけではなくて、名ピアニストだったのだなと、納得しました。

とても素敵な演奏ですし、ランドマークとして先ず !!

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本家を聴いて、最近のピアニストのラフマはどうなんだろうと??

10くらいの演奏を聴きましたが、その中でいいなと思ったものです。

先ずは、ダニール・トリフォノフ
ダニール・オレゴヴィチ・トリフォノフは1991年生まれのロシアのピアニストで現在29歳。

2010年には第16回ショパン国際ピアノコンクールで第3位入賞。

2011年5月にはルービンシュタイン国際ピアノコンクールで第1位、その数週間後の第14回チャイコフスキー国際コンクールでも第1位かつ、全部門のグランプリ。今売り出しの新進気鋭のピアニストです。

先ほどのラフマニノフ演奏のオケと同じフィラデルフィア管弦楽団との演奏。指揮はヤニック・ネぜ=セガン。

今回4つの演奏がいいなと思って選びましたが、その中で一番まとまっている? ラフマの2番のイメージ、

ラフマニノフのこころの揺れ、逡巡、戸惑い、そして決意と立ち直り等、

感情の揺れ動きを見事に表現しているなと思いました。

第一楽章 11:14  第二楽章 11:47  第三楽章 12:16。

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ボリス・ギルトブルグ。1984年、モスクワ生まれのイスラエル人ピアニスト、36歳。

2013年にブリュッセルで開催されたエリザベート王妃国際音楽コンクールで第1位を獲得。


ギルトブルグはじぶん的に最近気に掛かって仕方のないピアニストです。旋律の歌わせ方、熱情的で物語を語るような演奏に興味津々。

ラフマニノフの研究と解釈者としても知られていて、この演奏も一音一音を大切に奏でているよう。

出だしの鐘の音を思わせる音達も、他のピアニストとはちがっています。奥深い森の霧の中から響いてくるような、

こんなにピアニシシモの鐘の音は彼だけ。

第一楽章 11:23  第二楽章 11:35  第三楽章 11:52

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カティア・ブニアティシヴィリは、1987年生まれで33歳、ジョージア出身のピアニスト。

2003年 ホロウィッツピアノコンクール特別賞 - エリザベス・レオンスカヤスカラシップ第1位
2005年 第3回トビリシ・インターナショナル・ピアノコンクール - 「芸術のための特別賞」特別賞「ジョージア・ベスト・ピアニスト」賞第2位
2008年 第12回ルービンシュタイン国際ピアノマスターコンクール第3位 - 特別賞「ショパン最優秀奏者」と「聴衆者賞」

カティア・ヴニアティシヴィリはCD デビューしてからずっと追っかけです。

来日してくれた時は必ずコンサートにも行っています。そのカティア・ヴニアティシヴィリのラフマニノフ。

正直言って、もっとダイナミックな演奏なのではと思っていたので、どちらかと言うと繊細なこの演奏、初めて聴いた時には肩すかし? のような感じがしました。

でも、早いテンポのこの演奏ですが(第一楽章 9:59  第二楽章 10:56  第三楽章 10:35)、ロマンティックで女性らしさが感じられます。

そして、室内楽の様に音の一つ一つのディテールが明確になっていて、アルペジオがしっかり聴こえるし、その中から浮かび上がるパッセージは初めて聴くかのように鮮明です。ここはこんな曲だったんだと!!

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エレーヌ・グリモー1969年生まれの現在50歳、フランスのピアニスト。

1984年15歳で録音デビュー。1985年ラフマニノフのピアノソナタ第2番の録音により、モントルーのディスク大賞を受賞しました。才能あふれる美少女ピアニストとしてデビューでしたが、それだけの女性ではありません。

面白い経歴として、1999年、ニューヨーク・ウルフ・センターを設立。ニューヨーク州郊外で野生オオカミの保護活動に取り組むようになります。彼女のインスタグラムでは狼たちと一緒の写真も。
文字や数字に色が付いて見えたり、音を聞くと色が見えたりするなどの共感覚の持ち主としても知られています。

色々と書いてきましたが、今回の効き比べで一番いいなと思ったのは、グリモーが22歳の時の演奏でした。

ヘスス・ロペス=コボス指揮のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団との録音。

グリモーの演奏はのちの録音、アシュケナージ指揮のフィルハーモニア管弦楽団でも出ていますが、こちらの方が良いです。

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ピアノがキラキラと瑞々しく光り輝くようです。

DENONのCD ですが、弦楽器群も金管楽器も良く歌いオケも素晴らしい。それでいて録音が非常によいのだと思いますが、決してピアノの音がオケに埋没するようなことがありません。

カティア・ヴニアティシヴィリの演奏もそうでしたが、パッセージの一つ一つが鮮明ですし、カティア盤とは違って重厚さと迫力もあります。

第2楽章はゆったりと、それでいて抒情的に繊細に歌い上げており、第3楽章は嬉しそうに指が舞っている感じでしょうか。

ブラバーな演奏 ♪♪♪♪

第一楽章 10:48  第二楽章 11:13  第三楽章 11:38。


「いやだな」

「もうすぐ終わりだ」「もっと教えて欲しいことがあった」

「もっと聴いて」「感じていたかった」「この人の音楽を」 


のだめカンタービレ第5巻P85 P86 千秋の言葉ですが、正に聴いていてこんな言葉が浮かんできそうな演奏です。

このCD、かなり以前に買ったもの。

その時もきちんと聴いているとは思うのですが、こんなに良い演奏とは。

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本は以前に読んだものを読み返すと、前とは違った感想を持つことがあります。

本を、ある出来事、経験等から、心の抽斗にしまった記憶や感情の蓄積で読んでいるからなんだと思います。

CD も同じかな。

レシーバー、受ける側が変わることにより、もしかすると本よりも直接に心に訴える音楽ですから、

その受ける感情はもっと異なってくるのかもしれないなと、今回のグリモーの演奏を久しぶりに聴いて思いました。

≪CDとは違いますが、2008年の演奏があったので貼っておきます≫


天気が悪いと週一の北鎌倉プチ散歩も出来ません。そんな時は、

こんな風に部屋でちまちまと過ごしています。明るいうちは紅茶かコーヒーで。

夕方(時々は昼間からですが ^^; )からはビールかワインをともにして ^^;;

" 2020/10/12 Nodame Cantabile & Rachmaninov Piano Concerto No.2 "

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