興福寺中金堂再建記念特別展「運慶」に行ってきました:20171015 [展覧会]
しばらく美術館に行っていませんでしたが、
オットー・ネーベル展に行って、やはり絵画は良いな、美術っていいな。
良い絵画と向き合い、
画家の時とじぶんの時とは重なっていないけれど、時空を超えて、筆の後や、ナイフのカスレや、
何より画家の心を感じ、画家がそこに閉じ込めた思いや感情たちと話ができるのは、
至福の時なのだなと改めて。
この秋は、コンサートのチケットも何枚か買ってあります。
田部京子さん、カティア・ブニアティシヴィリ(ソロとコンチェルト)、松田華音。
今、自分の中で聴きたいピアニスト3人と、
今も続いているマイブームのメンデルスゾーンは、N響で交響曲 第3番 スコットランドをゲットしています。
芸術の秋、
普段は持てない、静かな落ち着いたじかんたち。
音楽と一緒に美術館と博物館にも行きたいと思っています。
この日も、
母と行くつもりでチケットを2枚用意したのですが、
約束した当日、
待ち合わせの場所で待っていると、風邪をひいてしまったとの電話がありました(後日電話すると、医者に行って薬をもらって、良くなってました)。
そんなことで、急遽一人で見ることになった「運慶展」。母にはあとでチケットを送っておきました。
<国宝 無著菩薩立像 1212年 興福寺蔵>
以前に家族でUSJ に行き、二日目はじぶんは別行動をとって、奈良を散歩しました。
その際、無著菩薩にはお会いしたのですが、
やはり、運慶、
ものすごいです。
1200年の初めの頃、ヨーロッパは中世、バロックの時代。ルネッサンスはまだ。
キリスト教一色の、お約束の中の教会美術。
ダビデやピエタを作ったミケランジェロが活躍するのは15世紀から16世紀。
なのに、
わが国ではこの様に写実的な作品が。すごいな運慶って。
こちらも、一目見てその迫力にぶっ飛びそうになった四天王立像。
<国宝 四天王立像 13世紀 興福寺蔵>
その大きさにもですが、今にも本当に台座から降りて来てじぶんたちの目の前に立ちふさがり、睨め付けられそう。とてつもない躍動感。
一体でもそんな感じであるのに、四体が回りをぐるっと取り囲んで展示されているのです。
この四天王像、現在は南円堂に置かれている四天王像ですが、
最近の研究で仮講堂に置かれている四天王像が運慶のお父さん、康慶作のものであり、本来、南円堂にあったものであることが分かったのだとのこと。
それで、こちらの現在の南円堂のものが本来は北円堂に、無著菩薩立像等の周りに置かれていたのでは、運慶作なのではと。
<多聞天 立像>
四天王、どれもずっと見ていたいほど素晴らしい作品ですが、
左手に宝塔を載せ高く掲げ、それを仰ぎ見る多聞天の姿は特に動きが大きく、こんな四天王は他には見たことがありません。
運慶作とまだ確定はしていないようですが、無著菩薩立像や世親菩薩立像の周囲に置かれる四天王にふさわしい姿だと思います。
彫刻の世界では、ミケランジェロ等の、ルネッサンスの頃のイタリアが素晴らしいと思っていましたが、この運慶展を見て認識を改めてしまいました。
西洋のルネッサンスよりもずっと早い時代に、これほどの写実的で躍動感のある彫刻が日本にあったのだと、
筋肉やこめかみに浮き上がる血管まで描写し表現しているのだと、そして威厳やその人間性までも。
運慶とその工房、恐るべしです。
<増長天 立像>
あれっ、歌丸師匠 (笑)
東大寺の復興を不屈の意思でけん引した重源上人の坐像も、今にも何かをお話し下さるかのよう。
<国宝 重源上人坐像 鎌倉時代13世紀 東大寺蔵>
これは、運慶の子供の湛慶作といわれる子犬。
<重要文化財 子犬 鎌倉時代13世紀 高山寺蔵>
そして神鹿(しんろく)も、とて優しい表情、丸みを帯びて可愛らしさをそのまま、
写実的に表現され、本当にこれが13世紀に彫られたものなのかと・・・。
運慶派? この時代でもそしてこの後でも、特異な一派なのかなと?
次元を超えている、先に行き過ぎ? そんな感じもする程の革新的な作品を作り出した人たちなのだなと。
<重要文化財 神鹿 鎌倉時代13世紀 高山寺蔵>
運慶展、
運慶の作品の他にもお父さんの康慶、そして湛慶等子供たちの作品も合わせ、37点が展示されていました。
それぞれのお寺で運慶の作品に会うのも良いですが、
東博で一堂に展示されると「彫刻」としてみることができ、お寺で見る時とはまた違った視点でそれぞれの運慶の作品に会うことができるなと思いました。
母には振られたけれど(笑)、一人でも見て良かったなと、
朝一番で入ろうとして、雨の中で10分くらい並びましたが、
中ではそれほどストレスなく十分に作品達を鑑賞することができました。
さて、次は何を見ようか? (実は、チケットはあと一枚別のものを買ってあります)。
雨が降っていて寒かったこともあり、そのまま上野の駅から地元に帰って来ました。
暖まろうと、地元横浜の「家系」ラーメンを頂きました。
展覧会が良くて、気持ちも大きくなっていたことから、チャーシュー増し増し !!
やはり時々食べたくなります。地元横浜の家系ラーメン。 ^^
" 2017/10/15 UNKEI The Great Master of Buddist Sculputer Tohaku "
オットー・ネーベル展に行って、やはり絵画は良いな、美術っていいな。
良い絵画と向き合い、
画家の時とじぶんの時とは重なっていないけれど、時空を超えて、筆の後や、ナイフのカスレや、
何より画家の心を感じ、画家がそこに閉じ込めた思いや感情たちと話ができるのは、
至福の時なのだなと改めて。
この秋は、コンサートのチケットも何枚か買ってあります。
田部京子さん、カティア・ブニアティシヴィリ(ソロとコンチェルト)、松田華音。
今、自分の中で聴きたいピアニスト3人と、
今も続いているマイブームのメンデルスゾーンは、N響で交響曲 第3番 スコットランドをゲットしています。
芸術の秋、
普段は持てない、静かな落ち着いたじかんたち。
音楽と一緒に美術館と博物館にも行きたいと思っています。
この日も、
母と行くつもりでチケットを2枚用意したのですが、
約束した当日、
待ち合わせの場所で待っていると、風邪をひいてしまったとの電話がありました(後日電話すると、医者に行って薬をもらって、良くなってました)。
そんなことで、急遽一人で見ることになった「運慶展」。母にはあとでチケットを送っておきました。
<国宝 無著菩薩立像 1212年 興福寺蔵>
以前に家族でUSJ に行き、二日目はじぶんは別行動をとって、奈良を散歩しました。
その際、無著菩薩にはお会いしたのですが、
やはり、運慶、
ものすごいです。
1200年の初めの頃、ヨーロッパは中世、バロックの時代。ルネッサンスはまだ。
キリスト教一色の、お約束の中の教会美術。
ダビデやピエタを作ったミケランジェロが活躍するのは15世紀から16世紀。
なのに、
わが国ではこの様に写実的な作品が。すごいな運慶って。
こちらも、一目見てその迫力にぶっ飛びそうになった四天王立像。
<国宝 四天王立像 13世紀 興福寺蔵>
その大きさにもですが、今にも本当に台座から降りて来てじぶんたちの目の前に立ちふさがり、睨め付けられそう。とてつもない躍動感。
一体でもそんな感じであるのに、四体が回りをぐるっと取り囲んで展示されているのです。
この四天王像、現在は南円堂に置かれている四天王像ですが、
最近の研究で仮講堂に置かれている四天王像が運慶のお父さん、康慶作のものであり、本来、南円堂にあったものであることが分かったのだとのこと。
それで、こちらの現在の南円堂のものが本来は北円堂に、無著菩薩立像等の周りに置かれていたのでは、運慶作なのではと。
<多聞天 立像>
四天王、どれもずっと見ていたいほど素晴らしい作品ですが、
左手に宝塔を載せ高く掲げ、それを仰ぎ見る多聞天の姿は特に動きが大きく、こんな四天王は他には見たことがありません。
運慶作とまだ確定はしていないようですが、無著菩薩立像や世親菩薩立像の周囲に置かれる四天王にふさわしい姿だと思います。
彫刻の世界では、ミケランジェロ等の、ルネッサンスの頃のイタリアが素晴らしいと思っていましたが、この運慶展を見て認識を改めてしまいました。
西洋のルネッサンスよりもずっと早い時代に、これほどの写実的で躍動感のある彫刻が日本にあったのだと、
筋肉やこめかみに浮き上がる血管まで描写し表現しているのだと、そして威厳やその人間性までも。
運慶とその工房、恐るべしです。
<増長天 立像>
あれっ、歌丸師匠 (笑)
東大寺の復興を不屈の意思でけん引した重源上人の坐像も、今にも何かをお話し下さるかのよう。
<国宝 重源上人坐像 鎌倉時代13世紀 東大寺蔵>
これは、運慶の子供の湛慶作といわれる子犬。
<重要文化財 子犬 鎌倉時代13世紀 高山寺蔵>
そして神鹿(しんろく)も、とて優しい表情、丸みを帯びて可愛らしさをそのまま、
写実的に表現され、本当にこれが13世紀に彫られたものなのかと・・・。
運慶派? この時代でもそしてこの後でも、特異な一派なのかなと?
次元を超えている、先に行き過ぎ? そんな感じもする程の革新的な作品を作り出した人たちなのだなと。
<重要文化財 神鹿 鎌倉時代13世紀 高山寺蔵>
運慶展、
運慶の作品の他にもお父さんの康慶、そして湛慶等子供たちの作品も合わせ、37点が展示されていました。
それぞれのお寺で運慶の作品に会うのも良いですが、
東博で一堂に展示されると「彫刻」としてみることができ、お寺で見る時とはまた違った視点でそれぞれの運慶の作品に会うことができるなと思いました。
母には振られたけれど(笑)、一人でも見て良かったなと、
朝一番で入ろうとして、雨の中で10分くらい並びましたが、
中ではそれほどストレスなく十分に作品達を鑑賞することができました。
さて、次は何を見ようか? (実は、チケットはあと一枚別のものを買ってあります)。
雨が降っていて寒かったこともあり、そのまま上野の駅から地元に帰って来ました。
暖まろうと、地元横浜の「家系」ラーメンを頂きました。
展覧会が良くて、気持ちも大きくなっていたことから、チャーシュー増し増し !!
やはり時々食べたくなります。地元横浜の家系ラーメン。 ^^
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