Maria Joao Pires 4月17日サントリーホール:20180417 [音楽]
生涯忘れられない曲に…。
4つの即興曲D935。
アレグロ・モデラート ヘ短調
アレグレット 変イ長調
アンダンテ 変ロ短調
アレグロ・スケルツァンド ヘ短調
シューベルトが死の前年、1827年12月に作曲した曲。
4曲それぞれ特徴があって、喜びも、苦しさも、諦念の感情も、
飛び跳ねるような楽しさ etc etc …。まるで、人の一生がそこに詰まっているかのような。
シューベルト、
じぶんも、たまにピアノソナタ、後期のものとかチャーミングな13番とかが好きで聴くけれど、
こんなに素敵な曲があるのは知りませんでした。
2018年でコンサート活動をすべて終了すると発表し、4月の日本ツアー。
大好きなピリスのコンサートがもうこれっきりと聴き、4月12日と4月17日のサントリーホールでのチケットを
速攻でゲットしておきました。
でも、なんと言うことだぁ~ ^^;
4月12日は仕事で行けなかったのです。会社、休んでやろうかと思いましたが…、それもならずで。
とにかく、17日は背水の陣。
会議がありましたが、出ていると間に合わなくなるので、かわいい後輩にそっと出席は譲って、
溜池山王まで銀座線で。 ^^;
とにかく、とにかく、
万難を排したおかげで無事サントリーホールにたどり着くことができました。
17日の席は1階3列目のステージに向かって左側。
ピリスさんの表情も演奏の指もばっちりで、なんと言っても本当にピリスさんにものすごく近い席。
一音も逃さず、演奏の様子も全部記憶しておこうと思ってきている自分にとっては、まさに神の席でした。
演奏が始まる前の30分はドキドキの待ち時間。
これまでのどんなコンサートにもなかった、早く始まらないかな? でも、これで終わってしまうかと思うと、
まだいいけど…、 複雑でした。
期待と寂しさと、ないまぜの時間。
でも演奏が始まれば、ピリスさんの音に引き寄せられてしまいました。
この日が最後とか、悲しいとか、そんな感情が吹っ飛んでしまい、ピリスさんの奏でる音の中にピュアに、
蜜に吸い寄せられる蜜蜂かプーさんみたいに、その中にとっぷりと。
ピリスさんなら、やはりMozart 、これだと思った曲。Mozart のピアノソナタから、12番と13番。
それにじぶんにとって初めて聴いて、忘れられない曲になった4つの即興曲 D935の3曲。
Mozart と言えばピリスさん。
このMozart もコンサートではお別れなんだと思うと、やっぱり胸がいっぱいに。
明るい青空に、そっと薄い雲が流れていくような単調のさりげない寂しさ等、ピリスさんならでは…、
その他も全部もちろん良かったけれど、
特に13番の3楽章はまるでコンチェルトを聴いているような、そんな感じになりました。
ピリスさんのピアノの音たちの後ろから、オーケストラの音が聞こえてくるような感じに。
ピアノの音たちが一音一音キラキラと輝いて、そしてそれがコンサートホールの空中で混じり合って。
こんなMozart は今まで聴いたことがありませんでした。
ただ、この日のメインの感動は20分の休憩をはさんで、後半のシューベルトでした。
D935、シューベルト晩年の作品「4つの即興曲」。
シューベルトのピアノ曲は村上春樹さんの小説を読んで教えてもらってから割と良く聴くけれど、D935は初めて。
チケットを買ってからかなり時間があったけれど、あえて聴かなかった。
そして、
素晴らしい演奏。じーーん、じーーーん、じじじーーーーん。
高音部と低音部の囁きあいがロマンチックなアレグロ・モデラート、
とても美しいけれど諦念のアレグレット…究極のピアニシモ、
詩情豊かなロザムンデの旋律バリエーション、もっともっと、終わらないでほしいアンダンテ
そして、最後の、
舞曲の様なパッセージ、躍動感あふれるアレグロ・スケルツァンド。
ほんとうにほんとうに、一音も逃さずに、そしてピリスさんの音たちにとっぷりと全身を浸してしまいました。
アレグロ・スケルツァンドの最後の音が、コンサートホールに静かに静かに消え行ったあと、
この日、ここに集まったぼくらは、もうただただ感動。感激あるのみ。
いつまでも鳴りやまない万雷の拍手。
そして、一人、二人、三人・・・そして気が付けば自分も、ほとんど全員、立ち上がっての拍手です。
じぶんも生まれて初めてスタンディング・オーベーション。 素晴らしい演奏でした。これで最後かと思うと余計そう思えるけれど、それ抜きに、最後のシューベルトは、ものすごい演奏。
じぶんが聴いた中では、生涯No.1のコンサートです。
ピリスさん、ありがとう。本当に日本に来てくれて、サントリーホールで演奏してくれて、Mozart も素晴らしかったです。13番、改めて凄い曲なんだと分かったし、
何よりもD935 は素晴らしかった。 自分の大切な宝物になりました。
次の日も仕事でしたが、こんな日は飲まずにはいられません。帰りに買ってきたビールを1本、2本 etc etc…。
翌日は二日酔い気味でしたが、これはこれでよかったです? ^^;
人は永遠ではないから、円熟してきて演奏は素晴らしくなるけれど、体調や心の状態やコンディションは若い頃とは決して同じではないから、
いつまでも「ing」ではいられないのですね。
いつかは、幕を引く時が誰にでも来るのですね。それは分かっているのだけれど、
でもでも、こんなに感動する音楽を聞かせてもらえたのは、ピリスさんだけです。
もっともっと、ずっと、せめてじぶんがなくなるまで、聴かせてくれたら良かったのにな。
ただ、後進の指導はこれからも続けられるのかな? 今回のツアーでも、教え子のリリット・グリゴリアンさんを別のコンサートですが4手のソナタの演奏のために連れてきていました。
リリット・グレゴリアンさん、
じぶんはこの前のCD、 戸川ひよりさんのヴィオラソナタ集のピアノで聴きました。
リリットさんもピリスさんのお弟子さんなんですね。
ピリスさんの教えられたピアニスト、じぶんもこれから聴いていきたいと思います。
2018年4月17日の感動は永遠です。
そして、
シューベルト D935 も忘れられない曲になりました。 ありがとうピリスさん。絶対に忘れない。
" 2018/04/17 Maria Joao Pires Japan April,2018 Suntry Hall "
4つの即興曲D935。
アレグロ・モデラート ヘ短調
アレグレット 変イ長調
アンダンテ 変ロ短調
アレグロ・スケルツァンド ヘ短調
シューベルトが死の前年、1827年12月に作曲した曲。
4曲それぞれ特徴があって、喜びも、苦しさも、諦念の感情も、
飛び跳ねるような楽しさ etc etc …。まるで、人の一生がそこに詰まっているかのような。
シューベルト、
じぶんも、たまにピアノソナタ、後期のものとかチャーミングな13番とかが好きで聴くけれど、
こんなに素敵な曲があるのは知りませんでした。
2018年でコンサート活動をすべて終了すると発表し、4月の日本ツアー。
大好きなピリスのコンサートがもうこれっきりと聴き、4月12日と4月17日のサントリーホールでのチケットを
速攻でゲットしておきました。
でも、なんと言うことだぁ~ ^^;
4月12日は仕事で行けなかったのです。会社、休んでやろうかと思いましたが…、それもならずで。
とにかく、17日は背水の陣。
会議がありましたが、出ていると間に合わなくなるので、かわいい後輩にそっと出席は譲って、
溜池山王まで銀座線で。 ^^;
とにかく、とにかく、
万難を排したおかげで無事サントリーホールにたどり着くことができました。
17日の席は1階3列目のステージに向かって左側。
ピリスさんの表情も演奏の指もばっちりで、なんと言っても本当にピリスさんにものすごく近い席。
一音も逃さず、演奏の様子も全部記憶しておこうと思ってきている自分にとっては、まさに神の席でした。
演奏が始まる前の30分はドキドキの待ち時間。
これまでのどんなコンサートにもなかった、早く始まらないかな? でも、これで終わってしまうかと思うと、
まだいいけど…、 複雑でした。
期待と寂しさと、ないまぜの時間。
でも演奏が始まれば、ピリスさんの音に引き寄せられてしまいました。
この日が最後とか、悲しいとか、そんな感情が吹っ飛んでしまい、ピリスさんの奏でる音の中にピュアに、
蜜に吸い寄せられる蜜蜂かプーさんみたいに、その中にとっぷりと。
ピリスさんなら、やはりMozart 、これだと思った曲。Mozart のピアノソナタから、12番と13番。
それにじぶんにとって初めて聴いて、忘れられない曲になった4つの即興曲 D935の3曲。
Mozart と言えばピリスさん。
このMozart もコンサートではお別れなんだと思うと、やっぱり胸がいっぱいに。
明るい青空に、そっと薄い雲が流れていくような単調のさりげない寂しさ等、ピリスさんならでは…、
その他も全部もちろん良かったけれど、
特に13番の3楽章はまるでコンチェルトを聴いているような、そんな感じになりました。
ピリスさんのピアノの音たちの後ろから、オーケストラの音が聞こえてくるような感じに。
ピアノの音たちが一音一音キラキラと輝いて、そしてそれがコンサートホールの空中で混じり合って。
こんなMozart は今まで聴いたことがありませんでした。
ただ、この日のメインの感動は20分の休憩をはさんで、後半のシューベルトでした。
D935、シューベルト晩年の作品「4つの即興曲」。
シューベルトのピアノ曲は村上春樹さんの小説を読んで教えてもらってから割と良く聴くけれど、D935は初めて。
チケットを買ってからかなり時間があったけれど、あえて聴かなかった。
そして、
素晴らしい演奏。じーーん、じーーーん、じじじーーーーん。
高音部と低音部の囁きあいがロマンチックなアレグロ・モデラート、
とても美しいけれど諦念のアレグレット…究極のピアニシモ、
詩情豊かなロザムンデの旋律バリエーション、もっともっと、終わらないでほしいアンダンテ
そして、最後の、
舞曲の様なパッセージ、躍動感あふれるアレグロ・スケルツァンド。
ほんとうにほんとうに、一音も逃さずに、そしてピリスさんの音たちにとっぷりと全身を浸してしまいました。
アレグロ・スケルツァンドの最後の音が、コンサートホールに静かに静かに消え行ったあと、
この日、ここに集まったぼくらは、もうただただ感動。感激あるのみ。
いつまでも鳴りやまない万雷の拍手。
そして、一人、二人、三人・・・そして気が付けば自分も、ほとんど全員、立ち上がっての拍手です。
じぶんも生まれて初めてスタンディング・オーベーション。 素晴らしい演奏でした。これで最後かと思うと余計そう思えるけれど、それ抜きに、最後のシューベルトは、ものすごい演奏。
じぶんが聴いた中では、生涯No.1のコンサートです。
ピリスさん、ありがとう。本当に日本に来てくれて、サントリーホールで演奏してくれて、Mozart も素晴らしかったです。13番、改めて凄い曲なんだと分かったし、
何よりもD935 は素晴らしかった。 自分の大切な宝物になりました。
次の日も仕事でしたが、こんな日は飲まずにはいられません。帰りに買ってきたビールを1本、2本 etc etc…。
翌日は二日酔い気味でしたが、これはこれでよかったです? ^^;
人は永遠ではないから、円熟してきて演奏は素晴らしくなるけれど、体調や心の状態やコンディションは若い頃とは決して同じではないから、
いつまでも「ing」ではいられないのですね。
いつかは、幕を引く時が誰にでも来るのですね。それは分かっているのだけれど、
でもでも、こんなに感動する音楽を聞かせてもらえたのは、ピリスさんだけです。
もっともっと、ずっと、せめてじぶんがなくなるまで、聴かせてくれたら良かったのにな。
ただ、後進の指導はこれからも続けられるのかな? 今回のツアーでも、教え子のリリット・グリゴリアンさんを別のコンサートですが4手のソナタの演奏のために連れてきていました。
リリット・グレゴリアンさん、
じぶんはこの前のCD、 戸川ひよりさんのヴィオラソナタ集のピアノで聴きました。
リリットさんもピリスさんのお弟子さんなんですね。
ピリスさんの教えられたピアニスト、じぶんもこれから聴いていきたいと思います。
2018年4月17日の感動は永遠です。
そして、
シューベルト D935 も忘れられない曲になりました。 ありがとうピリスさん。絶対に忘れない。
" 2018/04/17 Maria Joao Pires Japan April,2018 Suntry Hall "