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ドナ・タート ゴールドフィンチ & アナログレコード:20190715 [読んだ本]

外はしとしとしと、静かな横浜の朝。


いつもはオレンジ色に輝く曇りガラスも、緑色のカーテンを開けるとライトグレー。

出かけようと思っていましたが、色彩は大切な要素なのかもしれません。

寒色系のライトグレーは高揚ではなくて落ち着きの色。


先週は広島に出張だったし、土曜日は素敵な皆さんとご一緒させて頂いたし、

こころも少しクールダウンでも良いかもしれないな等と。

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奥にしまい込んであったレコードを引っ張り出し、

昨日、成城石井で買ってきたワインをコーヒーカップに注いで、読みかけの本。

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学生の頃はよくレコードを聴きながら本を読みました。

ドストエフスキーやトーマス・マンが好きで、

当時読んだ岩波文庫は本棚のこれも奥の方に大切にしまってあります。

仕事が終わって家にいることが多くなったら、またゆっくりと読み返してみたい本たち。


トーマス・マンだとブッテンデローク家の人々、ドストエフスキーだと白痴が好きでした。

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テオ(シオドア・デッカー)が結婚? ボリスが絡んでくる? ビッパは?

ドナ・タート作「ゴールドフィンチ」。

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フェルメールの師匠、デルフトの悲劇。

1654年の火薬庫の大爆発に巻き込まれて32歳と言う若さで亡くなってしまったファブリティウス。

その時に多くの作品も消失してしまって、

現在残っている作品はフェルメールよりも少ない10数点なのだそうです。


小説「ゴールドフィンチ」はこのファブリティウスが最晩年に描いた傑作と言われている「ゴールドフィンチ(ごしきひわ)」が美術館のテロの際に行方不明になって…。
その時に最愛の母親を亡くしたテオ(作品の主人公です)とのその後の数奇な物語。

ドナ・タートさんの語り口は昔読んだ「ライ麦畑でつかまえて」に似ているなと思いました。


ティーンエイジで母を亡くして、親友アンディと家の人たち。

飲んだくれで母とテオを捨てて出て行ったけれど、一人になったテオを引き取って…父親とのこと。

運命の糸のビッパと、親友ボリスとのこと、家具修復のホビーとの生活 etc etc…。


テオの多感な青春時代の波乱万丈ともいえる物語。


きっかけは福岡伸一先生の「フェルメール 隠された次元」を読んででした。

本の中で「ゴールドフィンチ」のことが書かれていて、とても気になりすぐに某密林でプチっと。

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老眼が進んで通勤の電車で読むのはつらいですが、出張の飛行機や新幹線で読んで来ました。

全4巻のうち3巻を読んで、今日、最終の4巻目です。

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休みの日、

出かけるのもいいけれど、しとしとしと…shitoshitoshito…。

静かな雨の音に囲まれながら、CD よりアナログは優しい。気のせい? 昔の刷り込みかな? でも、

アナログのレコードが回っている部屋は幾分…、

時間もゆっくりと優しく過ぎていくように思えます。


そうそう、並行して読んでいる原田マハさんの「美しき 愚か者たちの タブロー」も感動の一冊。

読んだら、「松方コレクション展」も見に行きたいと思っています。

モネの、あの睡蓮に会いたい。



夢中になっていたら、ワイン最後の一杯 orz、…。


" Donna Tartt The Goldfinch & Analog record "
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