塩野七生さん「ギリシア人の物語 3巻」&ジョアン・ピリスのこと:20180129 [お気に入り]
最近は原田マハさん、小川糸さん、
少し前は、石田衣良さん、村上春樹さん、藤谷治さん、吉田篤弘さん、
もっと前は、藤沢周平さん、重松清さん、
もっともっと前は、吉川英治さんや井上靖さんに、トーマス・マンやドストエフスキー等をよく読んでいました。
じぶんの読書は、その時々で出会った本を夢中になって読んで、また新しい作家を自分なりに見つけ、また夢中になっての繰り返しだと思います。
ただ、小説? 最近だと長編の歴史エッセイというジャンルなのでしょうか? 塩野七生さんの作品は、学生の頃から途切れることなく、
新しいものが出る度にそのほとんどを読んでいます。
今回の「ギリシア人の物語」も1巻から新刊の3巻まで、予約しておいて都度出版と同時に読みました。
テミストクレスやペリクレスのアテネの活躍期と衰退期の後、アレクサンダー大王の東征が3巻のテーマでしたが、昔、プルターク英雄伝などで読んだアレクサンダーのことを、思い出しながら、又は初めて知るエピソード等と共に楽しく読みました。
ところが、本にカバーをかけてあったので、帯に書いてある「塩野七生 最後の歴史長編」という文字を見ていなくて、
著者の後書きで、このギリシア人の歴史3巻で、塩野さんの歴史長編は最後だということを知りました。
塩野七生「ギリシア人の物語 3巻」P464 最終ページ
最後にもう一度、ほんとうにありがとう。イタリア語なら「グラツィエ・ミッレ」。
つまり「一千回もありがとう」。
2017年・秋、ローマにて
がーーん…。
新しい著書が出る度に楽しみにして読んでいたのですが、この作品で、少なくとも長編は最後とのこと…。
巻末に今までの著書を時代別にまとめてくれてありましたが、ほぼすべてを読んでいるのです。
ギリシアからローマ、中世、ルネッサンス迄、どれだけ塩野さんに色々なことを教えてもらったのでしょう?
シーザーやスキピオ、ハンニバル。 チェザーレ・ボルジアも、ロレンツォ・デ・メディチも、マキャベリも
etc etc …、みんなみんな塩野さんの作品でその魅力を知りました。
塩野七生「ギリシア人の物語 3巻」P463
ほんとうにありがとう。これまで私が書きつづけてこれたのも、あなた方がいてくれたからでした。
とんでもありません、イタリアの歴史と美術、絵画に興味を持ったのも、塩野さんの作品のお陰かもしれません。
読ませて頂いたから、ウフィツィ美術館のことが気になって出かけたりしたのですから。
こちらこそ、ほんとうにほんとうにありがとうござました。
塩野さんが長編は絶筆だということを知ったこの1月、もう一つショックなことを知りました。
じぶんが以前も今も、一番大切だと思っているピアニスト、
ジョアン・ピリスが今シーズン限りで引退を表明したのです。
1944年の生まれなので、今年で74歳です。まだまだピアニストとしては現役の年齢のはずです… orz
何度もコンサートを聴きに行ったことがありますが、ホールの中に響き空間に消えていく音色の素晴らしさは何物にも代えがたいです。
もちろん、CD も宝物なのですが、そのピリスがもう聴けなくなってしまうとは本当に本当に残念でなりません。
4月に東京では2回のコンサートがあります。
はじめは4月12日のベートーベンの作品を中心とするチケットを買っていたのですが、
このニュースを知って、17日のモーツアルトのものも急いで買いました。
最後になるかもしれない、ピリスのライヴの音色…一音も逃さずに聴いてきたいと思っています。
出来たら、ショパンも聴きたかったな。
あの、レースのカーテンをそっと風が抜けていくような音色も聴きたかったです。
2018年、
良い正月を迎え良いスタートを切ることができましたが、
それでも、二つの残念なことにあってしまいました。
塩野さんとピリスと自分の大切なアーテイストのこと。
でも、持っている本たちとレコード、CD は自分の宝物です。これからもずっと。
" 2018/01/29 Nanami Shiono & Joao Pires"
少し前は、石田衣良さん、村上春樹さん、藤谷治さん、吉田篤弘さん、
もっと前は、藤沢周平さん、重松清さん、
もっともっと前は、吉川英治さんや井上靖さんに、トーマス・マンやドストエフスキー等をよく読んでいました。
じぶんの読書は、その時々で出会った本を夢中になって読んで、また新しい作家を自分なりに見つけ、また夢中になっての繰り返しだと思います。
ただ、小説? 最近だと長編の歴史エッセイというジャンルなのでしょうか? 塩野七生さんの作品は、学生の頃から途切れることなく、
新しいものが出る度にそのほとんどを読んでいます。
今回の「ギリシア人の物語」も1巻から新刊の3巻まで、予約しておいて都度出版と同時に読みました。
テミストクレスやペリクレスのアテネの活躍期と衰退期の後、アレクサンダー大王の東征が3巻のテーマでしたが、昔、プルターク英雄伝などで読んだアレクサンダーのことを、思い出しながら、又は初めて知るエピソード等と共に楽しく読みました。
ところが、本にカバーをかけてあったので、帯に書いてある「塩野七生 最後の歴史長編」という文字を見ていなくて、
著者の後書きで、このギリシア人の歴史3巻で、塩野さんの歴史長編は最後だということを知りました。
塩野七生「ギリシア人の物語 3巻」P464 最終ページ
最後にもう一度、ほんとうにありがとう。イタリア語なら「グラツィエ・ミッレ」。
つまり「一千回もありがとう」。
2017年・秋、ローマにて
がーーん…。
新しい著書が出る度に楽しみにして読んでいたのですが、この作品で、少なくとも長編は最後とのこと…。
巻末に今までの著書を時代別にまとめてくれてありましたが、ほぼすべてを読んでいるのです。
ギリシアからローマ、中世、ルネッサンス迄、どれだけ塩野さんに色々なことを教えてもらったのでしょう?
シーザーやスキピオ、ハンニバル。 チェザーレ・ボルジアも、ロレンツォ・デ・メディチも、マキャベリも
etc etc …、みんなみんな塩野さんの作品でその魅力を知りました。
塩野七生「ギリシア人の物語 3巻」P463
ほんとうにありがとう。これまで私が書きつづけてこれたのも、あなた方がいてくれたからでした。
とんでもありません、イタリアの歴史と美術、絵画に興味を持ったのも、塩野さんの作品のお陰かもしれません。
読ませて頂いたから、ウフィツィ美術館のことが気になって出かけたりしたのですから。
こちらこそ、ほんとうにほんとうにありがとうござました。
塩野さんが長編は絶筆だということを知ったこの1月、もう一つショックなことを知りました。
じぶんが以前も今も、一番大切だと思っているピアニスト、
ジョアン・ピリスが今シーズン限りで引退を表明したのです。
1944年の生まれなので、今年で74歳です。まだまだピアニストとしては現役の年齢のはずです… orz
何度もコンサートを聴きに行ったことがありますが、ホールの中に響き空間に消えていく音色の素晴らしさは何物にも代えがたいです。
もちろん、CD も宝物なのですが、そのピリスがもう聴けなくなってしまうとは本当に本当に残念でなりません。
4月に東京では2回のコンサートがあります。
はじめは4月12日のベートーベンの作品を中心とするチケットを買っていたのですが、
このニュースを知って、17日のモーツアルトのものも急いで買いました。
最後になるかもしれない、ピリスのライヴの音色…一音も逃さずに聴いてきたいと思っています。
出来たら、ショパンも聴きたかったな。
あの、レースのカーテンをそっと風が抜けていくような音色も聴きたかったです。
2018年、
良い正月を迎え良いスタートを切ることができましたが、
それでも、二つの残念なことにあってしまいました。
塩野さんとピリスと自分の大切なアーテイストのこと。
でも、持っている本たちとレコード、CD は自分の宝物です。これからもずっと。
" 2018/01/29 Nanami Shiono & Joao Pires"